目次
歯の健康は日々のケアだけでなく、定期的な検診によって守られます。歯の定期検診は、虫歯や歯周病の早期発見に役立つだけでなく、自分では気づきにくい口内のトラブルを予防することができます。
しかし「どのくらいの頻度で受ければいいの？」「費用はどれくらいかかるの？」と疑問を抱く患者さまも多いのではないでしょうか。
この記事では、歯の定期検診の重要性や検診内容に加え、頻度や費用についてもわかりやすく解説します。定期検診を効果的に活用し、健康な歯を長く維持しましょう。
歯の定期検診の重要性
定期的に歯科検診を受けることは、歯や歯ぐきの健康を保つうえで欠かせません。虫歯や歯周病といったトラブルは初期段階では自覚症状がないケースも多いですが、専門的なチェックを受けると早期発見・予防が可能になります。
さらに、お口の健康は全身の健康とも密接に関係しています。例えば、歯周病は糖尿病や心疾患といった全身疾患のリスクを高める要因とされている病気です。そのため、歯科検診を定期的に受けることは、歯だけでなく身体全体の健康を守るためにも重要です。
歯の定期検診ですること
歯の定期検診では、虫歯や歯周病のチェックだけでなく、歯のクリーニングや予防処置も行われます。定期的に受診することで、日常の歯磨きでは落としきれない汚れを除去し、口腔内の健康を維持することができます。
ここでは、歯の定期検診で一般的に行われる処置について詳しく解説します。
口腔内のチェック
歯の定期検診では、まず歯科医師が口腔内の状態を詳しくチェックします。虫歯がないか、詰め物や被せ物に異常がないかを確認し、早期に問題を発見することが目的です。
特に、初期の虫歯は自覚症状がほとんどないため、専門的な診察を受けることが重要です。
歯周病のチェックも、定期検診で行われる重要な検査の一つです。歯茎の腫れや出血の有無を確認し、歯周ポケットの深さを測定します。歯周病が進行すると歯を支える骨が溶けてしまい、最悪の場合は歯を失う原因になるため、定期的な検診が欠かせません。
また、噛み合わせのバランスを確認することもあります。歯並びや噛み合わせが乱れていると、特定の歯に過度な負担がかかり、歯のすり減りや顎の痛みの原因になることがあるためです。必要に応じて、矯正治療を検討することもあります。
歯のクリーニング
日常の歯磨きでは落としきれない汚れを取り除くため、歯のクリーニングが行われます。専用の機器を使って、歯と歯の間や歯茎の近くに溜まったプラークや歯石を除去し、虫歯や歯周病のリスクを減らします。
特に、歯石は歯ブラシでは取り除くことができないため、定期的なクリーニングが必要です。歯石の除去では、超音波スケーラーや手動のスケーラーを使用します。超音波スケーラーは歯石を効率的に除去することができ、痛みを抑えながら施術を行えます。歯石を取り除いた後は、歯の表面を磨いてツルツルの状態に仕上げます。
汚れがつきにくくなり、虫歯や着色汚れの予防にもなります。
フッ素塗布
虫歯予防のために、歯の表面にフッ素を塗布する処置が行われることがあります。フッ素には、歯のエナメル質を強化し、酸による溶解を防ぐ効果があるため、特に虫歯になりやすい人に有効です。
専用のジェルや液体を歯に塗布し、数分間放置することで効果を発揮します。塗布後は30分程度飲食を控える必要がありますが、その後は普段通りに生活できます。
子どもの場合、乳歯や生えたばかりの永久歯は虫歯になりやすいため、フッ素塗布を定期的に受けることが推奨されています。大人でも、知覚過敏の予防や虫歯のリスク低減のために実施されることが多いです。
歯磨き指導
定期検診では、毎日のセルフケアの質を向上させるために、歯磨き指導も行われます。普段の歯磨きで磨き残しが多い部分を確認し、適切なブラッシング方法を学ぶことで、虫歯や歯周病を防げます。
歯科衛生士が、歯並びや噛み合わせに合わせた歯磨きのコツを教えてくれるため、普段のケアがより効果的になります。また、電動歯ブラシの使い方や、デンタルフロス・歯間ブラシの適切な使用方法についても指導を受けることができます。
特に、矯正治療を受けている人や、詰め物・被せ物が多い人は、通常の歯磨きだけでは汚れが落としにくいです。専門的なアドバイスを受けることが重要といえるでしょう。
必要に応じた検査
検診の結果、必要に応じて追加の検査や治療が行われることがあります。例えば、目視では確認できない虫歯や、歯の内部の異常を調べるためにレントゲン検査が行われることがあります。
レントゲンを撮ることで、歯の根の状態や顎の骨の状態を詳しく把握し、治療計画を立てることができます。
また、歯周病の進行が疑われる場合は、歯周ポケットの深さを測定し、歯茎の炎症の程度を詳しく調べることがあります。歯周ポケットが深いと、歯周病が進行している可能性があるため、早めに治療すべきです。
虫歯が見つかった場合は、進行度に応じて治療が行われます。初期の虫歯であれば、フッ素塗布やシーラント（歯の溝を埋める処置）で進行を防げますが、大きな虫歯の場合は、詰め物や被せ物の治療が必要になることもあります。
歯の定期検診の頻度
歯の定期検診の頻度は口内の状態によって異なります。それぞれの状態に合わせた歯の定期検診の頻度は、以下のとおりです。
口内の状態が良い人
虫歯や歯周病がなく、歯ぐきの状態も健康である場合は一般的に3～6ヶ月に1回の検診が推奨されています。健康な状態を維持しつつ、万が一の問題を早期に発見できる頻度です。定期的にクリーニングを行うことで、口内を清潔な状態に保てます。
特に、普段からブラッシングがしっかりできている人でも、セルフケアだけでは取り除けない部分を歯科医院でケアしなければなりません。健康な状態を保つには、定期的なプロのチェックが欠かせないのです。
口内トラブルがある人
虫歯や歯周病など、既に口内にトラブルがある場合は1～2ヶ月に1回の頻度で検診を受けるよう指示されることが多いでしょう。治療の経過を見ながら、適切なケアを継続できます。トラブルが深刻化する前に対応すると、将来的に歯の健康を守ることにつながります。
ご高齢の人
高齢になると、歯周病のリスクが増える傾向があります。そのため、高齢者は若年層に比べて、より頻繁に検診を受けることが推奨されています。
具体的には3ヶ月に1回程度の定期検診が一般的ですが、状態によってはさらに短い間隔での検診が必要となる場合もあります。高齢者は口内の自浄作用が低下しやすく、唾液の分泌量が減少することから虫歯や歯周病のリスクが高いです。
さらに、義歯を使用している場合や歯が少なくなっている場合には、噛み合わせの状態や義歯の適合具合を定期的に確認する必要があります。食事や会話の際の不快感を軽減し、生活の質を向上させられるでしょう。
子どもの場合
子どもは大人と異なり、成長過程にあるため口内環境が変化しやすいです。3～4ヶ月に1回の検診が理想でしょう。特に、乳歯が生え始めたばかりの幼児や、永久歯が生え始める時期の小学生は、虫歯のリスクが高い状態となります。
また、矯正治療を行っている子どもは、装置が原因で歯垢が溜まりやすいため定期的なクリーニングと虫歯予防が必要です。早い段階で虫歯を発見し治療することで、永久歯への影響を最小限に抑えられます。
歯の定期検診の費用
歯の定期検診には保険が適用されるケースが多いため、費用の負担を軽減できます。3割負担の方の場合、1回あたり2,500～3,000円程度が自己負担額です。
虫歯や歯周病のリスクが高いと判断された場合や、しばらく定期検診を受けていない場合には、レントゲン検査を実施することがあります。レントゲン検査が必要な場合は、保険適用の3割負担で1,000～1,500円程度が追加でかかります。
また、自費診療を希望する場合も追加料金が発生します。例えば、高度なクリーニングを希望した場合には、追加料金が発生することがあるでしょう。自費診療の費用は医院によって異なるので、事前に確認しておきましょう。
まとめ
歯の定期検診は、虫歯や歯周病の早期発見と予防に欠かせない重要なケアです。口内の健康状態に応じて、検診の頻度を調整することで効果的に健康を維持できます。
一般的には3～6ヶ月に1回の受診が推奨されますが、トラブルがある場合や高齢者、子どもはより短い間隔での受診が必要です。費用については、保険適用の場合は自己負担額は1回あたり2,500～3,000円程度が目安です。
定期検診を習慣化すると歯の健康を守ることができ、全身の健康にも良い影響を与えられます。ぜひ定期的な受診を心がけて、健康な笑顔を長く保ちましょう。
品川港南歯科・矯正歯科クリニックでは、痛みや施術時間を抑えながら自然な仕上がりの治療を目指しています。マウスピース矯正やセラミック治療、虫歯治療、ホワイトニングなどにも力を入れています。