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インビザイン治療では、透明なマウスピースを長期間使用します。マウスピースの清掃を怠ると、虫歯や口臭などの原因になることがあるでしょう。
今回は、虫歯や口臭の悪化を防ぐために、インビザインの正しい洗い方と洗う際の注意点をご説明します。
インビザラインを洗わずに使い続けるとどうなる?
インビザインで使用するマウスピースは、1日20〜22時間装着しなければいけません。また、1枚のマウスピースを1〜2週間程度装着するため、汚れが付着しやすいです。
マウスピースを洗わずに使用すると、以下のようなことが起こります。
カビが生える
インビザインのマウスピースは、ペットボトルなどで使用されているポリエチレンテレフタラートからできています。
マウスピースに汚れが付着した状態で放置する、水分がついたまま換気の悪いところに置くなどするとカビが生えます。マウスピースにカビが生えた場合は、作り直しになるでしょう。
虫歯や歯周病になる
インビザイン治療中は、マウスピースを1日20〜22時間装着しなければいけません。また、マウスピースは、歯列に密着するように作られています。
マウスピース内部に汚れが付着したまま装着すると、歯や歯茎に長時間汚れが付着することになります。虫歯や歯周病になるリスクが高まるでしょう。
マウスピースが着色する
マウスピースに付着した汚れを放置すると、マウスピースが着色するかもしれません。マウスピースを装着した状態で喫煙することも着色の原因になります。
インビザラインの正しい洗い方
マウスピースの洗い方は、水で洗う、歯ブラシを使用して洗う、専用の洗浄液を使用して洗う3つの方法があります。以下、それぞれの洗い方を確認しましょう。
水で洗う
まずは、マウスピースに付着している汚れを流水で洗い流します。マウスピースの内側に付着した汚れは水洗いのみで落とすことは難しいので、指で優しく擦りながら取りましょう。
水洗いを行う際は、水もしくはぬるま湯を使用してください。マウスピースにお湯をかけると、変形する可能性があります。
歯ブラシを使用して洗う
水洗いだけでは取れない汚れがある場合は、歯ブラシを使って磨きましょう。硬めの歯ブラシを使用するとマウスピースが傷つくので、柔らかめの歯ブラシを使用してください。
マウスピースを磨く際に、歯磨き粉を使用することは控えましょう。歯磨き粉には、歯の表面の汚れを取るための研磨剤が入っていることが多いです。研磨剤が入った歯磨き粉で磨くと、マウスピースに傷がつくでしょう。
専用の洗浄剤を使用して洗う
マウスピースの洗い方として、洗浄剤を用いる方法があります。洗浄剤を使用することで、においや黄ばみの原因である細菌や汚れを取り除くことが可能です。
洗浄剤は、歯科医院や薬局で購入することができます。
インビザラインを洗うときの注意点
インビザラインを洗うときの注意点は、以下のとおりです。
アルコールや漂白剤を使用しない
マウスピースを洗浄する際、アルコールや漂白剤は使用しないでください。マウスピースを傷つけたり変色したりする場合があります。
強い力で磨かない
マウスピースを強い力で磨くと、傷や変形の原因になります。優しく丁寧に磨くことを心がけましょう。
硬い歯ブラシを使用しない
マウスピースは柔らかい素材でできています。硬い歯ブラシでマウスピースを磨くと、傷がつきます。柔らかめの歯ブラシ、もしくはマウスピース専用のブラシを用いて磨きましょう。
熱湯を使用しない
マウスピースは、ペットボトルで使用されているポリエチレンテレフタラートという材料からできています。ポリエチレンテレフタラートは、一般的に熱に弱く、熱湯をかけると変形します。
マウスピースが変形すると装着できなくなる可能性がありますので、マウスピースを洗浄する際は、水もしくは40℃程度のぬるま湯を使用しましょう。
乾燥させる
マウスピースに水分がついた状態で放置すると、カビの発生や口臭などの原因になります。マウスピースを洗浄したあとは、ティッシュなどで水分を拭き取りましょう。長時間外す際は、必ず乾燥させてから保管してください。
インビザラインを洗う頻度
基本的に、マウスピースを外したときは洗浄する必要があります。食後に歯磨きを行う際に、一緒に洗うとよいでしょう。
可能であれば、週に1〜2回の頻度で洗浄剤を使って洗うと清潔な状態を保てます。
インビザラインの正しい保管方法
インビザインの正しい保管方法は、以下のとおりです。
マウスピースを外した際はケースに入れる
食事や歯磨きの際にマウスピースを外したときは、必ずケースに入れて保管しましょう。専用のケースに入れることで、マウスピースの紛失や破損を防ぐことができます。
高温の場所を避けて保管する
マウスピースは熱に弱いため、直射日光が当たるところに長時間保管すると変形します。直射日光が当たらない、風通しのよいところに保管しましょう。
小さいお子さまがいる家庭やペットを飼っている家庭では、手の届かない安全な場所に保管してください。
1つ前のマウスピースを保管する
インビザイン治療では、事前に複数のマウスピースをまとめて渡されます。そのため、マウスピースを紛失することもあるでしょう。
マウスピースを紛失した場合は、1つ前のマウスピースを装着して新しいマウスピースができるのを待つことが多いです。現在使用しているマウスピースだけでなく、1つ前のマウスピースも専用のケースに入れて保管しましょう。
インビザイン中に口腔内をきれいに保つポイント
インビザインの洗浄方法や保管方法をご説明しました。ここからは、インビザイン治療中に口腔内をきれいに保つポイントを解説します。
飲食後は歯磨きをしてからマウスピースを装着する
インビザイン治療中は、飲食時にマウスピースを外します。食後に歯に食べ物が付着した状態でマウスピースを装着すると、歯とマウスピースの間で細菌が増殖し、虫歯や歯周病の原因になります。
口腔内を清潔に保つために、歯磨きを行ってからマウスピースを装着してください。
ジュースなどを控える
マウスピースを装着した状態で糖分を含むジュースなどを飲むと、マウスピースの内側にジュースが入り込みます。ジュースが入り込んだマウスピースを装着していると、歯にジュースが接触した状態が続き、虫歯の原因になります。
マウスピースを装着しているときは水を飲みましょう。水以外を飲むときは、マウスピースを外してから飲んでください。
定期検診を受ける
歯に歯石が付着すると、基本的には日頃の歯磨きで除去することはできません。また、虫歯を予防するには、定期的にフッ素を歯に塗ることが非常に効果的です。
虫歯や歯周病予防のためにも、定期的に歯科医院に通院し、歯石取りやフッ素塗布を行ってもらいましょう。
フロスなどの器具を使って歯を磨く
歯の磨き残しが多い部位として、歯と歯の間や歯と歯茎の境目が挙げられます。すき間に入り込んだ汚れは、歯ブラシだけでは取ることが難しいです。
フロスやタフトブラシなどを用いて、細かなところまで磨きましょう。
まとめ
今回は、マウスピースの洗浄方法と注意点をご説明しました。
マウスピースの洗浄方法は、水で洗う、歯ブラシを使用して洗う、専用の洗浄液を使用して洗う3つの方法があります。マウスピースの洗浄は、マウスピースを外したときに行いましょう。洗浄剤を使用した洗浄は、1週間に1〜2回の頻度で行ってください。マウスピースの洗浄は、強い力で磨かず、熱湯を使用しないようにしましょう。
インビザラインを正しく洗って清潔に保ち、虫歯や歯周病のリスクを低減しながら矯正治療を進めてください。