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2023年07月06日

インビザライン治療中に歯茎が下がる?歯肉退縮の原因と対処法を解説 

自分の歯を手鏡で確認する若い女性

「歯並びを改善しようとインビザライン矯正を始めたら、歯茎が下がってきた」などの症状に悩まされる方も少なくありません。歯茎が下がったように感じる場合、歯肉退縮を起こしているかもしれません。

今回は、歯肉退縮が起きる原因や放置するリスク、インビザライン治療中に歯肉退縮が起こった際の対処法について解説します。

歯茎が下がる「歯肉退縮」とは

歯を見せるように口を大きく開ける女性

歯肉退縮(しにくたいしゅく)とは、歯の周りの歯茎が減り、歯根が露出した状態のことをいいます。進行すると、歯茎が下がることで歯が長く伸びたような見た目になることが特徴です。

歯と歯の間にできたすき間が黒い逆三角形に見えることから、ブラックトライアングルともよばれます。

歯肉退縮の原因

顎に手を当てて考える白い服の女性

歯肉退縮を起こす主な原因は、以下のとおりです。

歯周病

歯周病とは、歯と歯茎にある歯周ポケットとよばれるすき間から侵入した細菌が、炎症を引き起こす疾患です。発症すると歯周組織と歯を支えている骨が破壊され、徐々に歯茎が下がります。

現在、歯周病は日本人の約8割が発症しているといわれており、年齢層はこどもから大人まで幅広いです。歯周病は歯を失う原因として最も多いともいわれているため、速やかに治療しましょう。

不適切なブラッシング

虫歯にならないよう、毎日ブラッシングするのはよいことです。

しかし、ブラッシングが正しく行えていない場合、特に力が強すぎると歯茎を傷め、歯肉退縮を起こす原因となります。力が弱すぎて口腔ケアが不十分だと、取り除けなかった汚れが原因で虫歯や歯周病になり、歯肉退縮につながります。

毎日の歯磨きは、適切な力加減で正しく行うことが大切なのです。

噛み合わせ不良

歯並びや噛み合わせに乱れがあると、一部の歯や歯茎に強い力がかかり、炎症が起きて次第に歯茎が下がります。爪を噛む癖がある人も噛み合わせ不良を起こしていることが多く、歯肉退縮がよく見られます。

歯ぎしりや食いしばりの癖

歯ぎしりや食いしばりなどの癖があると、歯と歯茎に過剰な負担がかかり、歯肉退縮につながるでしょう。歯ぎしりによって歯にかかる力は100kgを超えることもあるといわれているため、心当たりのある人はすぐにやめましょう。

歯ぎしりや食いしばりの原因が噛み合わせ不良の場合もあります。歯科医院で確認してもらい、必要であれば治療してください。

矯正治療は歯肉退縮を起こしやすい?

インビザラインを両手で持って装着する女性

実際に、インビザライン矯正がきっかけで歯肉退縮を起こすケースはあります。

歯は、歯茎や歯を支える歯槽骨によって周りを囲まれているのが通常の状態です。矯正治療では歯槽骨に負荷をかけ、骨の吸収と再生を利用して歯を動かします。まれにですが、歯を動かす際に歯周組織から歯がはみ出すことがあるのです。

特に、下の前歯は歯茎や歯槽骨が薄く、歯肉退縮を起こしやすい部位といわれています。治療では、歯周組織の範囲内で徐々に歯が動くよう計画を立てますが、歯の動きやすさなどには個人差があるため歯肉退縮を起こす場合があるのです。

矯正治療のなかでも、インビザラインは歯肉退縮を起こしやすい矯正治療といわれています。事前の治療計画と実際の経過との齟齬が理由として挙げられるでしょう。

インビザラインでは、患者さまの歯型をもとに、コンピューターが理想の歯並びと治療計画を作成しますが、実際の患者さまの歯の動き方を完全に想定できるわけではありません。実際に治療を行うと想定外に歯が動き、歯肉退縮につながるケースがあります。

歯肉退縮を放置するリスク

積み上げられるRISKと書かれた木のブロック

歯肉退縮を放置するリスクは、以下のとおりです。

見た目が悪くなる

歯肉退縮を起こすと、歯の見た目の悪さにつながります。健康な人の歯は、歯と歯茎のバランスがよく若々しく見えます。歯がきれいでも、歯肉退縮を起こすと歯が長く見え、老けた印象になるのです。

知覚過敏になるリスクが高まる

歯肉退縮を放置すると、知覚過敏になるリスクが高まります。健康な歯は、歯の根っこが歯茎に覆われており、冷たいものがしみることはありません。

歯肉退縮によって歯の根っこが露出すると、外からの刺激を受けやすくなり、知覚過敏の症状があらわれるのです。

虫歯・歯周病になりやすい

歯肉退縮が進行すると、虫歯・歯周病になりやすいです。歯肉退縮によって歯と歯の間のすき間が大きくなると、食べ物などが挟まり、歯垢や歯石が溜まります。歯垢などで虫歯菌が増殖して、虫歯や歯周病を発症するのです。

歯が抜けるおそれがある

歯肉退縮を放置すると、最悪の場合、歯が抜けます。歯肉退縮が原因で歯周病を発症すると、歯の根っこの露出が進み、歯がぐらつき始めます。歯が噛む圧力に耐えられなくなり、歯が割れる、欠けるなどの症状が出る可能性があるのです。

さらに症状が進むと、歯槽骨や顎の骨まで吸収されて歯が抜け落ちるでしょう。

インビザライン治療中に歯肉退縮を起こしたときの対処法

患者のカウンセリングをする女性歯科衛生士

万が一、インビザライン治療中に歯肉退縮が起きた際は、速やかに歯科医院に相談しましょう。

歯肉退縮が自然に回復することはありません。何もしなければどんどん歯茎は下がり、最悪の場合、歯が抜けることにつながります。歯肉退縮の原因がインビザラインの場合は、インビザラインの調整や治療計画の練り直しなどを直ちに行わなければいけません。

歯肉退縮は日々少しずつ悪化するため、発見するのが難しく、気づいたときには症状が進んでいるケースも多いです。インビザライン矯正が計画どおりに行われるためにも、少しでも異変を感じたら速やかに歯科医院に相談しましょう。

インビザライン治療中の歯肉退縮を予防する方法

倒れる木のドミノを支える人形

歯肉退縮を予防する方法は、以下のとおりです。

インビザラインの装着時間を守る

まずは、インビザラインの装着時間を守れているか見直すことが大切です。インビザライン治療に伴う歯肉退縮は、歯が事前のシミュレーションとは異なる動きをしたことによって起こります。

インビザライン矯正は、患者さま自身でマウスピースの装着時間を管理しなくてはなりません。装着時間が短い場合や着脱が多い場合、歯のイレギュラーな動きにつながります。歯肉退縮を予防するには、インビザラインの装着を正しく行うことが大切です。

マウスピースを清潔に保つ

歯肉退縮を予防するには、マウスピースを清潔に保つことも欠かせません。歯肉退縮は、歯周病を発症することでさらに症状が進行します。そのため、歯周病を予防することが、歯肉退縮の予防につながるといえるでしょう。

歯磨きの際にインビザラインのクリーニングも行い、歯周病菌が繁殖しにくい環境を作りましょう。

適切なブラッシングを行う

マウスピースだけでなく、口腔内も清潔に保つ必要があります。特に、歯茎が下がると、歯と歯の間に食べ物が挟まりやすくなります。歯周ポケットには歯垢が溜まるでしょう。

歯ブラシでブラッシングするだけでなく、フロスや歯間ブラシも使用して徹底的に汚れを除去しましょう。

ただし、歯肉退縮を起こしている人の中には、ブラッシングの力が強すぎる場合があるので注意が必要です。歯茎周辺は汚れが溜まりやすいため、念入りに磨く必要がありますが、歯茎を傷つけてしまっては意味がありません。

歯のブラッシングは、適切な力で行うことが重要です。どれくらいの力加減で磨けばよいかわからない場合は、歯科医院でブラッシング指導を受けるとよいでしょう。

まとめ

インビザラインをケースに直す女性の手元

今回は、インビザライン治療中に歯肉退縮が起こる理由や症状、歯肉退縮を放置するリスク、歯肉退縮を起こさないための対策を解説しました。

矯正治療を行うと歯肉退縮を起こす可能性があります。インビザライン治療でもまれに見られるのが現状です。歯科医師もリスクは十分に把握し、歯茎が下がらないように綿密な治療計画を立てています。そのため、歯肉退縮を過剰に怖がる必要はありません。不安を感じる場合は、担当の歯科医師に相談しましょう。

歯肉退縮や歯周病を防ぐには、インビザラインの正しい使用と日々のホームケアが欠かせません。毎日しっかりケアすることで、歯肉退縮や歯周病のリスクを減らすことができるでしょう。万が一、治療中に歯茎に異変を感じた場合は、迷わず歯科医院を受診してください。