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2024年03月07日

マウスピース矯正で八重歯は治療できる?メリットや治療法を解説!

八重歯の女性

「マウスピース矯正で八重歯は治療できるの?」と疑問をおもちの方がいるのではないでしょうか。結論からいうと、マウスピース矯正で八重歯を治療することは可能です。

ただし、症例によってはマウスピース矯正で治療できないケースもあります。

今回は、マウスピース矯正で八重歯は治療できるのか解説します。マウスピース矯正で八重歯を治療するメリットやデメリット、治療にかかる費用・期間についても解説しますので、マウスピース矯正で八重歯を治療したいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

八重歯とは?

八重歯の女性

八重歯とは歯列から外側にはみ出して生えている歯のことを指します。犬歯(中央から3番目の歯)が八重歯だと思っている人が多いですが、実は犬歯と八重歯は別物です。たしかに犬歯は生える順番が遅いことが原因で、八重歯になりやすい歯という特徴があります。

しかし、八重歯とは歯並びの状態のことを指すため、犬歯以外にも歯列からはみ出して歯が重なり合って生えている歯はすべて八重歯なのです。

歯並びがガタガタになっている状態を「叢生(そうせい)」「乱杭歯」と呼ぶこともあります。

八重歯になる原因

八重歯になる原因は、遺伝などの「先天的な理由」と「後天的な理由」に分けられます。

原因は主に以下のようなものです。

・顎が十分に成長しなかった
・歯のサイズが大きい
・乳歯が抜けるタイミング

顎の大きさや歯のサイズは両親から遺伝することが多いです。遺伝によって顎が小さい、または歯が大きいと、顎と歯の大きさがアンバランスになり歯がキレイに歯列に並ぶためのスペースが不足して八重歯になることがあります。

また、後天的な理由には「歯の生えかわりのタイミング」が影響することがあります。

八重歯になりやすい犬歯はほかの歯と比べて抜けるタイミングが遅いため、永久歯が生える時にすでにスペースが埋まっていることが多く、歯列からはみ出して生えて八重歯になる可能性が高いのです。

ほかにも、幼い頃に虫歯になり本来よりも早いタイミングで歯が抜けると永久歯が生えるまでに間が空くため、歯が生えるスペースがなくなり、八重歯になることもあります。

八重歯を放置するとどうなる?

八重歯は口を開けた時に目立ちやすいため、見た目を気にされる方も多いです。見た目が良くないという理由以外にも、口腔内にも悪い影響を与えることがあります。

八重歯を放置するデメリットには以下のようなものが挙げられます。

・虫歯・歯周病になりやすい
・咀嚼しにくい
・口内を傷つけることがある

八重歯は歯と歯が重なっているため、歯ブラシが届きにくく、磨き残しが増える原因になります。汚れが溜まると、虫歯や歯周病、口臭などのリスクが高まります。

また、八重歯は歯列から外れて生えているため、上下の歯がうまく噛み合いません。そこを避けて咀嚼をしようとするため、ほかの歯に必要以上に負担がかかったり、咀嚼が不十分なまま飲み込んだりすることで、消化器官にも悪影響が出ることがあります。

ほかにも八重歯が舌や唇の内側を巻き込み、口内を傷つけることもあるでしょう。

マウスピース矯正で八重歯は治療できる?

マウスピース矯正

マウスピース矯正は自分で着脱ができ、装置が透明なので歯列矯正をしているということが他人に気づかれにくいという特徴があります。

八重歯に悩む方の中には「マウスピース矯正で八重歯を治療したいと思っているけれどできるの?」と疑問をおもちの方も多いのではないでしょうか。マウスピースで八重歯を治療することは可能です。

ただし、症例によってはワイヤー矯正の方が向いていると判断されることもあるでしょう。歯と歯の重なりが大きい場合や八重歯になっている箇所が複数ある場合、ほかの歯並びの問題を抱えている場合などはマウスピースで治療できないことがあります。

ご自身の歯並びがマウスピース矯正の適応となるかどうかは、歯科医院で診察を受けてみないとわからないため、気になる方はカウンセリングを受けるとよいでしょう。

マウスピース矯正で八重歯を治療するメリット

マウスピース矯正で八重歯を治療するメリットイメージ

マウスピース矯正で八重歯を治療するメリットは、次のとおりです。

・矯正装置が目立ちにくい
・歯磨きがしやすい
・これまでと変わらず食事が楽しめる

一つずつ詳しく見ていきましょう。

矯正装置が目立ちにくい

マウスピース矯正では薄く透明なマウスピースを使用するため、従来のワイヤー矯正と比べると装置が目立ちにくいです。

人前で話す機会が多い方の場合、矯正中の見た目が気になるでしょう。また、スポーツ中の怪我が心配という方もいるでしょう。

マウスピース矯正で使用するマウスピースは自分で必要に応じて取り外すことができます。またブラケットやワイヤーなどの尖った装置を使用しないため、口内を傷つける心配もありません。

歯磨きがしやすい

ワイヤー矯正の矯正器具は取り外しができないため、装置が邪魔になって歯磨きがしにくいです。そのため、磨き残しが増え、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

一方、マウスピース矯正で使用するマウスピースは取り外して歯磨きを行えるため、装置を気にしながら歯磨きをしなければいけない煩わしさがありません。口内を清潔に保ちやすいため、虫歯や歯周病などの口腔トラブルが起こるリスクを抑えられます。

これまでと変わらず食事が楽しめる

ワイヤー矯正の場合、装置に食べ物が詰まることから人と一緒に食事がしづらいと感じたり、装置があることで咀嚼がしづらかったりして、食事内容を変えなければいけないこともあるでしょう。

一方、マウスピース矯正の場合は食事中にマウスピースを外せるため、これまでと変わらず食事が楽しめます。「矯正中でも食事を楽しみたい」という方に向いている治療方法といえるでしょう。

マウスピース矯正で八重歯を治療するデメリット

マウスピース矯正で八重歯を治療するデメリットイメージ

マウスピース矯正にはデメリットも存在します。

マウスピース矯正で八重歯を治療するデメリットは、以下のとおりです。

・装着時間を守らなければいけない
・マウスピースの管理が必要
・適応できる症例が限られる

それぞれ解説します。

装着時間を守らなければいけない

マウスピース矯正で使用するマウスピースは自分で着脱ができる一方で、しっかり装着時間を守らなければ治療の効果が得られません。

ワイヤー矯正のような固定式の装置であれば特に心配する必要はありませんが、ご自身の性格やライフスタイルを考えて「マウスピースを決まった時間つけられないかも」と感じる方は、ワイヤー矯正の方が向いているかもしれません。

マウスピースの管理が必要

装着時間を守る以外にも、決められたタイミングでマウスピースを交換する・マウスピースを清潔に保つなど、ご自身で管理を行う必要があります。

このような自己管理が行えないと、治療を計画通りに進めることが難しくなり、治療期間が延びることも考えられます。

適応できる症例が限られる

すべての八重歯をマウスピース矯正で治療できるわけではありません。マウスピース矯正では治療できる症例が限られているのです。マウスピース矯正は重度な症例には適応できないことがあるということを覚えておきましょう。

マウスピース矯正で八重歯を治療する方法

八重歯の治療

「マウスピースでどのように八重歯を治療するのだろう?」と疑問に思う方もいるでしょう。

八重歯は歯が並ぶスペースが足りないことが原因で起こることが多いです。八重歯を動かすためには歯を並べるスペースを確保する必要があります。

歯を並べるスペースを確保する方法にはいくつかあります。どの方法でスペースを作り出して歯を並べるかは、症例や歯科医院の方針によって異なるため、治療を受ける歯科医院でよく確認しましょう。

歯を並べるスペースを確保する方法は、主に以下のとおりです。

・抜歯をする
・歯の側面を削る(IPR)
・歯列全体を外側に広げる
・奥歯を後方に移動させる

それぞれ詳しく解説します。

抜歯をする

歯を並べるスペースを作るための代表的な方法に抜歯があります。抜歯をすると空いたスペースに歯を動かすことができるのです。

歯の重なり具合が大きい方などは抜歯をすることがあります。八重歯そのものを抜歯するケースはほとんどなく、一般的に前から数えて4番目の歯を抜歯することが多いです。

歯の側面を削る(IPR)

軽度の八重歯であれば、そこまで広いスペースがなくても八重歯を歯列におさめられることがあります。その場合は、IPRと呼ばれる歯を削る処置を行うことがあります。IPRでは、歯の側面を0.25mm程度削ってスペースを作ります。

削る歯の量はわずかであるため、痛みを感じることはほとんどありません。

歯列全体を外側に広げる

歯列全体を頬側に拡大し歯並びの横幅を広げることでスペースを確保する方法もあります。この方法は「側方拡大」と呼ばれます。特に子どもの場合は顎の成長を利用して歯列を拡大できる可能性が高いです。

奥歯を後方に移動させる

奥歯を後方に移動させてスペースを確保する方法もあります。この方法は「遠心移動」と呼ばれます。

後方に移動できる範囲には限りがあります。親知らずが生えている場合には、奥歯を後方に移動させることができないため、他の方法を検討する必要があるでしょう。

マウスピース矯正で八重歯を治す場合にかかる期間

マウスピース矯正で八重歯を治す期間イメージ

マウスピース矯正で八重歯を治すためにかかる期間は症例によって大きく異なります。

軽度の症例であれば前歯部分だけを動かす「部分矯正」で対応できることがあり、この場合の治療期間は3か月〜1年程度です。重度の症例で「全体矯正」をする場合は、1年〜3年程度かかるでしょう。

マウスピース矯正で八重歯を治す場合にかかる費用

マウスピース矯正で八重歯を治す費用イメージ

マウスピース矯正で八重歯を治す場合にかかる費用は、部分矯正で10万〜50万円程度、全体矯正で70万〜110万円程度です。

マウスピース矯正は保険が適用されません。自費診療となるため、歯科医院によって費用は異なります。実際にかかる費用については、歯科医院で確認しましょう。

まとめ

マウスピースを持つ手

マウスピース矯正で八重歯を治療することはできます。

しかし、マウスピース矯正はすべての症例に対応できるわけではありません。歯の重なりが大きい場合など、症状によってはマウスピース矯正が向かないこともあるのです。

マウスピース矯正には、目立ちにくい・着脱ができるなど、多くのメリットがあります。

一方で、マウスピースの自己管理が必要であるため、管理の仕方によっては治療期間が延びる可能性がある点はデメリットといえるでしょう。メリットとデメリットの両方を知り、自分に合った矯正方法を見つけてください。

八重歯をマウスピース矯正で治療できるかどうかは、歯科医師の判断が必要です。マウスピース矯正で八重歯を治療したいとお考えの方は、歯科医院でカウンセリングを受けるとよいでしょう。