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「顔の中心と歯の正中がずれている」「上の歯と下の歯の中心がずれている」などのお悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。歯の中心がずれていると見た目が悪いため、コンプレックスに感じることもあるでしょう。
今回は、正中のずれをインビザラインで治療できるのか解説します。正中がずれる原因や治療法、費用などもご紹介するので、正中のずれにお悩みの方はぜひ参考にしてください。
正中とは？
歯科分野における正中とは、左右の前歯の間を指します。上下の前歯の間の線を「正中線」とよび、正中線が一致する状態が美しい歯並びとされています。
鏡を見て「イーッ」という口をしたときに、鼻の下の人中から正中線がまっすぐつながる状態が理想的な歯並びです。
正中がまっすぐでない場合は、ずれが生じているといえます。歯の並び方に問題がない場合でも、正中がずれているケースが少なくありません。
正中がずれる原因
正中がずれる原因は、数多くあります。複数の原因が絡み合っている場合もあるでしょう。
歯の本数
永久歯の本数は通常28本、親知らずを含めると32本です。
しかし、歯の本数が足りていなければ、本来歯が生えるべき部分にすき間が生じます。すき間に歯が移動し、正中がずれる可能性があるでしょう。
歯の本数が足りない原因としては、過去に抜歯を行ったことや、抜けた歯を放置していることなどが考えられます。また、生まれつき歯の数が少ない先天性欠如の場合も、正中にずれが生じやすいです。
歯並び
歯並びが悪い場合は噛み合わせも悪いことが多く、正中がずれるケースもあります。
例えば、八重歯が1本だけの場合、上下左右で歯並びにずれが生じるため、正中にも影響します。叢生の場合は、全体的な歯並びがガタガタになるため正中線が揃いにくいです。
歯や顎の大きさ
歯の大きさは左右対称になるのが通常ですが、左右非対称になる場合もあります。左右で歯の大きさに差があると、正中がずれるでしょう。
また、上下や左右の顎のバランスが崩れている場合や、歯の大きさに対して顎が小さい場合は、正中線がずれやすいです。歯や顎の大きさによる正中のずれは、遺伝によって起こる傾向にあります。
歯のトラブル
親知らずが斜めや横向きに生えれば、周りの歯を圧迫するため正中のずれを引き起こします。
また、虫歯を放置すると、痛む歯を使わないように片方の歯ばかりで噛むようになり、歯並びの悪化を引き起こすでしょう。虫歯が悪化すれば歯が抜け落ち、歯の本数にずれが生じて正中線にも影響を及ぼします。
日常の習慣
歯や顎のバランスを崩すような習慣があると、正中のずれの原因になります。
・食べ物を左右どちらかの歯で噛む
・頬杖をつく
・爪を噛む
・就寝時に左右どちらかを下に向ける
上記の習慣は、歯の土台となる顔のゆがみを引き起こすでしょう。正中線のずれにつながります。
正中のずれを放置することによる悪影響
正中のずれを放置すると、さまざまな悪影響を及ぼします。
顔のゆがみの原因になる
正中がずれているということは、歯が左右非対称であるということです。顔がゆがむ場合も多く、コンプレックスに感じる方もいるでしょう。
放置すれば、左右で噛む力に差があることで顔の筋肉のバランスが崩れ、顔のゆがみが悪化する可能性があります。
消化不良が起こりやすくなる
正中のずれを放置すると、上下の歯の噛み合わせが悪くなります。前歯で食べ物を小さく嚙み切ることや、食べ物をしっかり噛んで飲み込むことができないため、消化不良を起こしやすいでしょう。
肩こりや頭痛の原因になる
正中のずれを放置すると、顎のずれや噛み合わせの悪化を招きます。口周りの筋肉のバランスが崩れ、過剰な負荷がかかるでしょう。
負荷が蓄積されると筋肉が疲労して硬くなり、血流不良を招いて頭痛を引き起こすことがあります。筋肉疲労が肩にまで拡大し、肩こりの原因になることもあります。
顎関節症のリスクが高まる
顎関節症とは、口を開こうとすると顎が痛む、音が鳴るなどの症状が現れる病気です。重度になれば、手術が必要になることもあります。
顎の骨格が原因で正中にずれがある場合、放置すると顎関節症を発症するリスクが高まります。
インビザラインで正中のずれは治療できる？
インビザラインで正中のずれは改善できますが、すべてのケースに対応できるわけではありません。
インビザラインで改善できる正中のずれは、歯の生え方に原因がある場合です。歯並びが悪くて正中がずれているのであれば、インビザラインで歯並びを整えることで正中線もまっすぐに治せます。
顎の骨の大きさやゆがみなど、骨格に問題があって正中がずれている場合は、インビザラインだけで改善することは難しいです。矯正治療だけではなく、骨格を改善する外科手術が必要でしょう。
ご自身の正中のずれがインビザラインのみで改善できるかどうか知りたい場合は、歯科医院で相談してください。
インビザラインで正中のずれを治療する方法
インビザラインでは、治療開始前に歯の動きをシミュレーションします。治療後の歯並びを予想しやすいことが大きなメリットです。正中のずれを治せるかどうかも、治療前に確認できます。
インビザラインで正中のずれを治療する流れは、以下のとおりです。
カウンセリング
まずは、カウンセリングで歯の状態を確認してもらいながら、口腔内の悩みについて相談します。どのような矯正方法が向いているのか知ることができるでしょう。
虫歯や歯周病などが見つかった場合は、治療を先に行います。
カウンセリングでは、正中のずれを改善したいことなど、しっかりと希望を伝えましょう。
精密検査
治療計画を立てるために、精密検査を行います。レントゲン撮影や歯型取り、顔や口腔内の写真撮影などを行い、収集したデータをもとに治療計画を立てます。
治療計画の説明
インビザラインでは、クリンチェックという3Dシミュレーションソフトを使用して治療計画を立てるのが一般的です。矯正治療によってどのように歯が動くのかを確認でき、患者様が納得すれば治療を開始します。
マウスピースの発注
インビザラインのマウスピースは、3Dプリンターで精密に作製されます。作製は米国のアライン・テクノロジー社に依頼するため、マウスピースが到着するまでに数週間～1か月ほどかかるでしょう。
治療開始
歯科医院に届いたマウスピースを受け取って、治療を開始します。マウスピースを1日20〜22時間装着し、1〜2週間ごとに交換して治療を進めましょう。
歯科医院に定期的に通院し、治療の進み具合を確認します。
インビザラインで正中のずれを治療する場合の期間
インビザラインで正中のずれを治療するために必要な期間には、個人差があります。部分矯正で治療する場合、1年未満で終了するでしょう。全体矯正の場合は、短ければ1年半ほど、2～3年が一般的な目安です。
ただし、矯正治療が終了したあとは、保定期間を設けます。保定期間とは、矯正した歯並びを固定させるための期間です。
保定期間中は、リテーナーという装置を装着します。保定期間は患者さまによって異なりますが、1年ほどでしょう。
保定期間にしっかりリテーナーを装着しなければ、後戻りによって再び正中のずれが生じる可能性があります。
インビザラインで正中のずれを治療する場合の費用
インビザラインの費用相場は、部分矯正で200,000～400,000円、全体矯正で700,000～1,000,000円です。インビザラインには複数の種類があるため、歯の状態によって費用に差が生じます。
全体矯正を行う場合でも、軽度の乱れであれば使用するマウスピースの枚数が少ないため、費用が安くなります。重度の乱れは使用するマウスピースの枚数が多くなるため、費用が高くなるでしょう。
詳しい費用に関しては、カウンセリングの際に質問してください。
まとめ
正中にずれがあると、見た目が悪いだけでなく、消化不良や肩こりなどさまざまな不調を引き起こす可能性があります。放置せず、原因に応じて対処することが大切です。 インビザライン矯正は、歯並びを整えながら正中のずれも改善できる治療です。まずは、カウンセリングで相談してはいかがでしょうか。