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インビザラインで矯正を検討している方にとって痛みがあるかは気になるポイントでしょう。矯正中に痛みを感じる方は実際に多く、不快感から食事や会話など日常生活に支障が生じる場合も少なくありません。インビザラインは透明のマウスピースを用いて歯を移動させる矯正方法です。インビザラインを含むマウスピース矯正は、ワイヤー矯正と比較して痛みが少ないといわれていますが、実際はどうなのでしょうか。
本記事では、インビザラインは痛いのか?インビザラインが痛いと感じるときや対処方法を紹介します。インビザラインの痛みが気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。
インビザラインは痛いの?
結論から述べると、インビザラインの治療中に痛みが出る可能性はあるといえるでしょう。
インビザラインをはじめとする歯列矯正は、歯に力を加えて歯並び・噛み合わせを整えていきます。インビザラインの場合、コンピュータでシミュレーションされた治療計画に基づいてマウスピースが作成されます。1枚のマウスピースで動かせる歯の距離は約0.25mmで、少しずつ歯を移動させて整えていくのが特徴です。ワイヤー矯正と比較してインビザラインは、歯を少しずつ動かすので、痛みを感じにくい治療法といわれています。
ただし、痛みの感じ方は個人差が大きく治療の進め方によっては「痛みを感じる可能性は絶対にない」とは言い切れません。これからインビザラインを始める方は、痛みを感じる原因や対策を事前に確認しておくといいでしょう。
インビザラインが痛いと感じるとき
インビザラインは、ワイヤー矯正と比較して痛みが出にくい矯正方法です。
しかし、インビザラインでも痛いと感じるときがあるでしょう。インビザラインが痛いと感じるときは、以下の4つが考えられます。
・初めてインビザラインを装着したとき・新しいマウスピースに交換したとき・装着時間が十分でなく後戻りしたとき・歯茎や粘膜にマウスピースやアタッチメントがあたるとき
ここでは、インビザラインが痛いと感じるときについて解説します。
初めてインビザラインを装着したとき
インビザラインでもっとも痛みが出やすいのは、初めてマウスピースを装着した時といわれています。矯正装置の力による刺激を、歯や顎の骨が受けた経験がないため強い力が加わることで、痛みを感じてしまうのです。また、初めてマウスピースを装着すると歯が締めつけられるような違和感を感じる方が多いでしょう。締め付けられる違和感を痛みとして感じることも原因として考えられます。
インビザライン開始直後の違和感による痛みは、マウスピースに慣れることで解決する場合がほとんどです。
新しいマウスピースに交換したとき
新しいマウスピースに交換した直後は痛いと感じる場合が多いでしょう。インビザラインは1〜2週間前後で新しいマウスピースに交換して歯を動かします。新しいマウスピースは、実際の歯並びとの差が大きいです。そのため、交換直後は違和感や痛いと感じやすい環境になります。
マウスピース交換直後の違和感や痛みは、装着を続けると慣れて落ち着くのが一般的です。
装着時間が十分でなく後戻りしたとき
インビザラインをはじめとするマウスピース矯正は、歯科医師に指示された装着時間を守って装着する必要があります。装着時間は1日20〜22時間以上と指示される場合が多いでしょう。インビザラインは、装着時間を守ることで歯に適切な力を加えて移動させます。
しかし、マウスピースの装着時間を守らずに装着しない期間があると、歯が後戻りします。後戻りは、歯が治療前の位置に戻ってしまう現象です。歯科矯正中は、歯と骨が不安定で動きやすい状態なので、マウスピースをしっかりと装着していないと後戻りしてマウスピースが合わなくなるでしょう。後戻りした状態でマウスピースをはめると、違和感や痛いと感じる場合があります。
歯茎や粘膜にマウスピースやアタッチメントがあたるとき
インビザラインで歯茎や頬の粘膜に痛みを感じる場合があります。インビザラインはマウスピースを使用した矯正法なので、マウスピースの辺縁が尖っていたり歯茎に被っていたりすると刺激されて痛みが出ることがあります。
また、インビザラインは歯の表面にアタッチメントといわれる特定の歯に力を加える装置を使用するのが一般的です。食事などマウスピースを外した際に、アタッチメントが頬や唇の粘膜にあたり傷がついて痛みが出ることもあります。
インビザラインで痛いと感じたときの対処方法
インビザラインの治療中に痛いと感じたとき、どのように対処するのが適切なのでしょうか。ここでは、インビザラインで痛いと感じたときの対処方法を3つ紹介します。
・鎮痛剤を服用する・担当の歯科医師に確認してもらう・矯正用ワックスを使用する
正しい対処法を実践することで、痛みの悪化を防ぎ、症状を早く緩和できる可能性が高くなります。
鎮静剤を服用する
インビザラインの治療中に痛みが出たら、担当の歯科医院を受診して相談しましょう。
ただし、インビザライン開始直後や新しいマウスピースに交換した直後など、歯が動くタイミングでの違和感や痛みの場合、数日様子をみても問題ありません。通常、時間の経過とともに締め付け感や痛みは解消するでしょう。
痛みが治るまでの間、症状を少しでも和らげたいなら、鎮静剤を利用するのも一つの手段です。鎮静剤は、歯科医院で処方してもらうかドラッグストアでも購入できます。痛みの症状が出ている間は、食事は硬いものを避けて歯や歯茎に刺激を与えないように過ごしましょう。
担当の歯科医師に確認してもらう
インビザラインの治療中に痛いと感じた場合、担当の歯科医師に口内を確認してもらいましょう。歯科医師が口内を確認して、マウスピースの調整が必要と判断した場合、マウスピースの調整が行われます。
インビザラインの場合、マウスピースの辺縁が歯茎や粘膜に当たって痛みがでている場合があります。マウスピースを調整してもらうと歯茎や粘膜に刺激が加わらなくなり痛い症状の改善が期待できるでしょう。歯茎や粘膜に慢性的に刺激が加わると、傷ができて口内炎の原因にもなります。マウスピースの調整は、歯科医院でしかできないので、痛みが長引く場合は早めに受診して確認してもらいましょう。
歯科用ワックスを使用する
食事などマウスピースを外しているときに、アタッチメントがあたって痛みがある場合、矯正用ワックスによる対策が有効です。矯正用ワックスは粘土のような形状で、突起状になっているアタッチメント部分を覆うように使用します。
矯正用ワックスを使用するとアタッチメントが直接口内に当たることがなくなり、粘膜を刺激から守り痛みの軽減につながります。矯正用ワックスは、矯正を行っている歯科医院で購入可能です。粘膜とアタッチメントの接触を防いで刺激から守ることで、痛みの改善が期待できるでしょう。
まとめ
インビザラインの治療中に痛いときがあるのは事実です。
しかし、痛みには個人差があるので、痛みを感じない方もいるでしょう。痛いと感じるときや対処方法は、人によって異なります。治療中に痛みが出た場合は、自己判断せずに担当の歯科医師にできるだけ早く相談しましょう。口内の状態を確認したうえで、一人ひとりにあった解決策を提案してもらえるので安心です。
矯正治療は、歯を少しずつ移動させていくので治療期間が長くなります。矯正治療中に痛みは少なからず出る可能性があるので、うまく対処していくことがポイントになるでしょう。