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2022年10月31日

インビザラインの後戻りが心配な方向け!後戻りの理由と対策について解説!

歯科医で歯を見せている女性

きれいな歯並びを目指して、現在矯正治療をしたり、検討している方は多いのではないでしょうか。

これまでの日本は、歯並びに関しての意識が欧米に比べると低く、矯正治療をおこなう方は少ない傾向でした。近年では、より整った歯並びにしたいと矯正治療への意識が高まっています。

治療を検討している方は、さまざまな矯正治療の方法がある中で「インビザライン」というマウスピース型の矯正方法をご存じの方もいらっしゃるでしょう。マウスピース型の矯正方法は、注目度が上がっている一方で、多くの情報が錯そうし「インビザラインは後戻りがしやすい」と耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。インビザラインは決して安い治療ではないので、不安になる方は多いでしょう。

今回は、インビザラインで後戻りが起こる理由や対策方法について徹底解説していきます。

後戻りとは?

悩んでいるビジネスマン

インビザラインに限らず、矯正治療をするうえで後戻りについて誰もが不安を感じているはずです。そもそも「後戻り」とは、どういったことなのでしょうか。

後戻りとは、矯正治療で整えた歯並びが元の位置に戻ろうとはたらく現象を指します。

ただし、完全に元の歯並びに戻ってしまうわけではありません。人の歯は、生えてきてからずっと同じ場所にあるわけではなく、日々少しずつ位置や形状が変化しています。歯並びの悪い方だけに言えることではなく、すべての方の歯に同じことが起こっています。

歯は奥歯から前歯に向かって力が強くはたらくため、咬み合わせが変わると、それに合わせて少しずつ歯が動いて位置がずれます。むし歯や歯周病による咬み合わせの変化や毎日の食事で少しずつ歯がすり減り、上下の歯の高さが変わることによって歯の位置は変化します。歯は日常的に変化し、動いていることを考えると、矯正治療での後戻りは切っても切れない関係といえるでしょう。

矯正治療では、時間をかけて歯の本来あるべき位置へ動かして整えていきます。歯を動かすときには土台から動かしていきますが、その土台となるのが歯を支えている骨です。歯を支えている骨が溶かされて(実際には「吸収される」といいます)、歯が移動していきます。もともとあった歯の周りや移動した歯の周りには新しい骨が形成され、ゆっくりと時間をかけて固定されていきます。

ゆっくりと時間をかけて歯が移動し、骨が形成・固定されていくので、適切に治療を続けていかなければなりません。奥歯から前歯に向かう力が強い性質をもつことから、根気強く治療をしなければ、容易く戻ってしまうといえるでしょう。これが、矯正治療においての「後戻り」なのです。

後戻りしてしまう理由とは?

頬を押さえながら歯磨きをする女性

矯正治療で時間やお金をかけて治しても、後戻りしては元も子もありません。ここでは、後戻りが起こる原因や理由について詳しく解説していきます。

矯正治療では、一人ひとりの症例に合わせて適切な装置を用いて、歯や骨格を動かしていきます。歯に固定するワイヤーやマウスピースなどさまざまです。どの装置にも言えるのが、長い時間をかけて一定の力をかけ続け、歯を動かしていくことです。仕組みとしては、一定の力が加わると歯の周りの骨が溶けていき、その溶けた骨の隙間に新しい骨が形成される力によって歯が移動していきます。歯を動かしている間や歯並びが整った後は、しばらくの期間、歯の周りの骨が柔らかく「密になっていない」状態です。つまり、歯や骨が不安定な状態で、いつでも動きえるといえます。

歯と歯につながる繊維は変化がしにくく、以前あった歯の位置を記憶しています。それとともに、歯は奥歯から前歯に向かう力があり、いつでも治療前の歯の位置に戻ろうとする働きが強いために、後戻りが起きやすいでしょう。矯正治療が終了した後、歯や周りの組織に矯正後の歯の位置を記憶させ、歯の周りの骨をしっかりと固定するために、保定装置(リテーナー)を使用し、後戻りを防ぐ必要があります。

インビザラインは後戻りしやすいの?

歯の模型と器具

実際、インビザライン矯正後では後戻りはしやすいのでしょうか。

どの矯正方法でも矯正後に後戻りすることは十分ありますが、インビザラインはワイヤー矯正と比較して格段に後戻りしやすいわけではありません。矯正後の保定のやり方はどの矯正方法でも同じ保定装置(リテーナー)を使用するため、後戻りの割合は同等でしょう。

しかし、インビザライン矯正のほうが後戻りしにくいといわれる理由があります。詳しく解説していきましょう。

後戻りしにくい理由

後戻りしにくいといわれる理由には、インビザライン矯正のやり方にヒントがあります。

インビザライン矯正は、マウスピース型の矯正方法です。基本的には、食事と歯みがき以外の1日20〜22時間以上装着する必要があります。後戻りしにくいと言える背景には、長時間マウスピースを使ってきたことにあります。後戻りを防ぐには保定装置の使用が必須となり、インビザラインを行ってきた方は、この保定装置を抵抗なく使用できるからです。

一方で、ワイヤー矯正の場合は治療終了後に保定装置を使い始めます。保定装置にはマウスピース型とプレート型があり、長時間着用しなくてはなりません。新しい装置に慣れるまでは時間を要します。多くの方は抵抗を感じ、使用時間が極端に短くなり、途中でやめてしまう方も少なくありません。これが、インビザライン矯正の後戻りは比較的しにくいといわれる理由です。

後戻りを起こしうる理由

インビザライン矯正で保定装置をしっかり使用すれば、後戻りの心配は少ないです。

しかし、装着時間が短い場合・自己判断で中止してしまう場合・悪習慣を改善しない・ブラッシングやクリーニングを怠るなどの理由により後戻りを起こしうる可能性があります。

上記は、矯正終了後に限らず、矯正治療中にも同じことが言えます。詳しく解説していきましょう。

装着時間が短い

インビザライン矯正の最大の利点は、いつでもどこでも外すことが可能なことです。

しかし、人によっては装着時間が短くなり、計画通りに治療が進まなくなるほか、後戻りを引き起こす可能性があるでしょう。

自己判断で中止してしまう

次に、インビザライン矯正できれいに歯並びを整えられたことに満足し、保定期間中に保定装置をつけ忘れたり、自己判断で中止してしまうことがあげられます。保定期間中にしっかりと固定させなければ、容易く後戻りを引き起こす可能性があります。

悪習慣を改善しない

矯正治療を受ける方の多くは、日常で無意識に行っている「お口に関する悪習慣」が存在します。お口に関する主な悪習慣は、頬杖をつく・口呼吸・舌で前歯を押す・唇や爪を噛むなどが挙げられます。

多くの方は矯正治療中に並行して「悪習慣を直すトレーニング」で改善を目指しますが、矯正治療中に悪習慣が改善せずに、矯正終了後まで続いていると後戻りを促してしまうでしょう。

ブラッシングやクリーニングを怠る

矯正治療中はお口の中の検査やクリーニングを定期的に行い、むし歯や歯周病を予防していきます。歯科医院での定期健診に加えて、ご自身でお口の中が清潔な状態になるように毎日のブラッシングが必須です。

ブラッシングやクリーニングを怠ると、汚れがたまりやすく、歯周病になるリスクがあがります。歯周病は、進行すると歯を支えている骨を溶かす病気です。支えている骨が不安定になり、歯周病が進行すると後戻りがしやすい環境を作ってしまうのです。

後戻り予防のために心がけること

ポイント

インビザライン矯正は、後戻りは比較的しにくいものの、特定の理由によっては後戻りを引き起こす可能性があると解説しました。

では、後戻りをさせないためにはどのようなことを心がければよいでしょうか。後戻り予防のために、もっとも心がけてほしいことは、保定装置の使用方法を守る・歯周病にならないようにすることが挙げられます。それぞれ、詳しく解説していきます。

保定装置の使用方法を守る

矯正治療中のマウスピース使用は、歯科医師の指導のうえ使用方法や時間をしっかり守ることが大切であることは、矯正経験者ならだれもが実感しているでしょう。きれいな歯並びをこれからも維持していくためには、同じくらい保定装置の使用が大切です。

ポイントは、歯科医師の指示を守って使用を続けることです。保定装置の使用はインビザライン矯正中と同様に「食事と歯みがき以外は装着する」のが大前提です。歯並びが安定してくれば就寝時のみ使用することもありますが、この判断は歯科医師が決めることであって、自己判断でやめたり、決められた使用時間より短くならないようにしましょう。歯科医師によって保定の期間はさまざまですが、2年ほどで終了する場合もあれば、一生涯かけて使用するように指導する歯科医師もいます。

保定装置は、後戻りをしないために重要な役割をしていることを忘れないようにしましょう。

歯周病にならないようにする

後戻りを起こす理由のひとつに、歯周病があげられます。歯周病は、インビザライン矯正に限らず、矯正治療中の方にとっては注意すべき疾病です。歯周病になると歯と歯肉の隙間から炎症を起こし、やがて骨を溶かしていき、歯が抜ける原因になります。

歯周病を予防するには、毎日の歯ブラシと定期的なクリーニングが重要です。毎日歯ブラシをしていても、落としきれない汚れはだれでもあります。落としきれない汚れは歯科医院で定期的にクリーニングをしましょう。歯周病の検査や歯のクリーニングを行うことは、後戻りはもちろんのこと、健康な歯で過ごすためにはもっとも大切なことです。最低でも半年に一度は検診に行きましょう。

後戻りしているかもと思ったら

歯科医で相談している女性

インビザライン矯正を行った方の中で、どんなに注意していても後戻りを経験した方はいるでしょう。「以前に比べて歯がデコボコしている」「隙間があいてきた」などの異変を感じたら、すぐに歯科医師に相談しましょう。

後戻りをしてしまった場合は再治療となります。後戻りの度合いにもよりますが、早期再治療をすれば最初の治療ほど長くかかることはありません。インビザラインで矯正した方は再治療でも同じ方法をとりますが、状態によってはワイヤー治療に切り替えたほうが最適な場合があります。異変に気づいた場合は、担当の歯科医師に相談すれば最善の方法が見つかるでしょう。

まとめ

歯を指して微笑んでいる女性

後戻りしにくいといわれているインビザライン矯正ですが、治療の進め方やご自身の意識によって後戻りしてしまう可能性がまったくないとはいえません。後戻りをさせないために大切なことは、保定装置の使用と歯周病予防です。

小さなことでも自己判断せず、歯科医師の判断に従い、適切に装置を使用して日々の丁寧なブラッシングを心がけましょう。毎日の積み重ねが、きれいな歯並びで笑顔あふれることにもつながります。たとえ後戻りしてしまっても放置せず、なるべく早く担当歯科医師とよりよい改善方法を探してみましょう。