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2022年12月19日

インビザラインで出っ歯は治せる?治療法や期間、費用について詳しく解説!

青い背景の前でマウスピースを持った女性

目立ちにくいマウスピースで矯正する「インビザライン」はとても人気があります。出っ歯を治すためにインビザラインを検討されている方も多いです。

この記事では、インビザラインで出っ歯も治せるのか?どのような治療法なのか?治療期間や費用についても詳しくご説明します。インビザラインで出っ歯を治したい方はぜひ参考にしてください。

インビザラインとは?

インビザラインはマウスピース矯正の1つです。目立たない取り外しが可能な装置で矯正ができます。矯正中の見た目が気にならないので、接客業などのお仕事をされている方に人気が高い治療法です。インビザラインは他の矯正と違って、治療前のシミュレーションでどうやって歯並びを改善していくのかを確認できるのも特徴といえます。インビザラインを検討されている方のなかには、出っ歯で悩まれている方が多いです。

しかし「インビザラインで出っ歯は治せない」「インビザラインで出っ歯の治療をすると失敗する」などネガティブな意見もあり、そういった意見を目にすると余計に悩んでしまうでしょう。果たして、本当にインビザラインで出っ歯は治せないのでしょうか?「インビザラインで出っ歯を治せない」といわれる理由についても解説していきます。

インビザラインで出っ歯は治せるの?

水色背景の前でハテナのボードで顔を隠す人

出っ歯とは、上の前歯が下の歯よりも大きく前に出ていることをいいます。出っ歯には種類があり、以下の2つに分けられます。

・歯の傾斜による出っ歯

・骨格のズレによる出っ歯

結論からいうと、歯の傾斜による出っ歯はインビザラインできれいに治せます。骨格のズレによる出っ歯は、インビザラインだけで改善するのは難しいです。インビザラインで歯並びを整えることは可能ですが、顎の骨まで変えることはできません。このような理由から「インビザラインでは出っ歯を治せない」などのネガティブな発言が出回ったのだと考えられます。

軽度の出っ歯であればインビザラインだけでも十分に改善できますし、移動距離が多い症例の場合にはワイヤー矯正を組み合わせることもあります。また、骨格のズレによる重度な出っ歯も、外科的処置を組み合わせることで治療が可能です。インビザラインが出始めた頃は、まだ症例も少なく「出っ歯の治療は難しい」といわれがちでした。

しかし現在は、さまざまな症例の実績を積んでいる治療法で、幅広いケースに対応できるようになっています。

インビザラインで出っ歯を治す治療法

医師に資料をもとに説明を受けている患者さん

インビザラインで出っ歯を治す治療法には、抜歯せずに治療する方法、抜歯して歯並びを整える方法、歯と歯の間の一層を削りスペースを作って歯並びを綺麗にする方法などがあり、同じインビザライン矯正でも治療法はさまざまです。患者さんが歯科医院の選択を誤ると「出っ歯を治せなかった」などの失敗を招いてしまうこともあります。まずはインビザライン治療の実績がある歯科医院で、ご自身の出っ歯の状態を把握することが大切です。

〈出っ歯を治す治療法の特徴〉

治療法 適応症例 特徴
抜歯してインビザラインを行う方法 重度な出っ歯 抜歯したスペースを利用して前歯を引っ込める治療。 歯を動かす量も増えるので比較的治療期間が長くなる。
抜歯せずにインビザラインを行う方法 軽度な出っ歯 抜歯せずに全体の歯並びを後ろに移動させる方法。スペースが足りない場合は歯と歯の間を薄く削り、スペース作りをすることもある。
インビザラインとワイヤー矯正を組み合わせた治療法 抜歯などを行い、歯の移動量が多くなる場合 インビザラインは歯を平行移動させるのが苦手でもあるので、歯の移動距離が多い場合の症例はワイヤー矯正と組み合わせることもある。
外科処置を伴う矯正方法 骨格のズレが原因となる出っ歯 通常の矯正で治すのが難しい骨格のズレによる出っ歯は、顎の骨を切って移動させる外科処置の併用が必要になる。

抜歯してインビザライン治療を行う方法

抜歯してインビザラインを行う方法とは、先に抜歯を行い、抜歯してできたスペースを利用して、前に出ている歯を後ろに引っ込めて歯並びを整える方法です。重度の出っ歯は、ほとんどのケースで抜歯が必要といえます。抜歯する歯は、機能的に影響が少なく、前歯の移動距離も最小に抑えられる第一小臼歯になることが多いです。

抜歯せずにインビザライン治療を行う方法

抜歯せずにインビザラインを行う方法は、全体の歯並びを奥側に移動させ、前に出ている前歯を後ろに下げる方法です。

この治療法は軽度の出っ歯の場合に適応可能ですが、後ろに歯を下げるには限界があります。スペースが足りない場合は、歯と歯の間を一層削り、そのスペースを利用して歯並びを整えます。それでもスペースが足りない場合には抜歯が必要となることもあります。

抜歯せずにインビザライン治療ができるのは、軽度の出っ歯の場合のみです。

インビザラインとワイヤー矯正を組み合わせた方法

歯を大きく移動させる必要がある場合は、平行移動を苦手とするインビザラインだけでは難しいこともあります。その場合は、ワイヤー矯正も組み合わせて治療を行います。

しかし、インビザラインを導入していても、ワイヤー矯正には対応していない歯科医院もあるのです。この場合、最善の治療ができず理想通りの結果にならないこともあるでしょう。あらゆるケースに対応してもらえるよう、インビザラインだけではなく、矯正の知識・技術のある歯科医院で治療を受けることをおすすめします。

外科処置を伴う矯正方法

外科処置を伴う矯正が必要となるのは、骨格のズレが原因で一般的な矯正だけでは改善するのが難しい症例の場合です。顎の骨を切って移動させる外科手術を行うのですが、外科手術前後に矯正治療も必要になります。この治療法は「顎変形症」という診断名がついた場合に対象となり、顎変形症は出っ歯だけでなく、反対咬合や開口などのさまざまなケースがあります。顎変形症の治療費は、制度で認められた治療方法を選択すれば保険適用となりますが、インビザラインなどのマウスピース矯正を選択した場合は、外科手術を含めた治療も保険適用外です。

保険適用にするためには以下の3つの条件があります。

・顎変形症という診断

・制度上認められている治療法

・指定された医療機関での手術

保険適用になるか、自由診療になるかによって大きく費用が異なります。外科処置を伴う矯正方法にインビザラインを選択することも可能ですが、本当にインビザラインでないといけないのか再度検討したほうがいいでしょう。

インビザラインで出っ歯を治すための治療期間

木のテーブルの上に置かれているカレンダーと赤いボールペン

インビザラインで出っ歯を治すための治療期間は、1〜3年ほどです。簡単な症例だと1年足らずで治療できることもあります。これはあくまで目安ですが、非抜歯のケースより抜歯を伴うケースのほうが歯の移動距離も増えるので、治療期間も長くなるでしょう。また、インビザラインは取り外しができるので、患者さんの協力が必要不可欠です。積極的に治療に取り組まず、装置の装着時間が足りなかった場合は、治療が進まず長引いてしまいます。

そのほかにも、インビザラインの治療中に虫歯ができてしまった場合、治療を中断して虫歯治療を行うこともあります。そうなると治療期間が延びてしまうので、虫歯にならないよう日頃からしっかりお口のケアを行うことも大切です。

インビザラインで出っ歯を治すための費用

3枚の積み重なった板の上に置かれている白い電卓

インビザラインは、自由診療のため保険外診療です。そのため、歯科医院によって治療費は異なります。

インビザラインには部分矯正と全体矯正がありますが、一般的な相場は、部分矯正の場合で40〜50万円ほど、全体矯正の場合は70〜120万円ほどです。これはインビザラインだけの金額であって、そのほかにも診断料や検査料、毎月の調整料がかかる歯科医院もあれば、調整料など込みの金額になっている歯科医院もあります。毎月の調整料が必要な場合は、治療期間が延びれば延びるほど、治療の総額が高くなります。

「費用を抑えたいから」と費用だけで歯科医院を選ぶのは要注意です。「費用が安いけど、インビザラインの治療技術が伴っておらず、治療に失敗した」というケースは少なくありません。失敗したからといって他の歯科医院で矯正を行うと、さらなる費用がかかってしまいます。治療費の予算を検討することも大切ですが、信頼できる歯科医院か、インビザラインの実績はあるのか、さまざまなケースに対応してもらえるのかをチェックして、歯科医院を選びましょう。

まとめ

青い服を着ている女性が口にマウスピースを入れようとしている

出っ歯の治療はインビザラインでも治療可能ですが、症例によって治療法が異なります。治療前の精密検査で適切な診断が行われないと、インビザラインの治療が失敗につながってしまうこともあるのです。

インビザラインを取り扱っている歯科医院は多いですが、矯正の知識・技術・実績がある歯科医院でないと、さまざまな症例に対応できません。治療法や治療期間、費用について納得したうえでインビザライン治療を受けましょう。