歯医者で受けるクリーニングは、お口のトラブルを防ぎ、健康な口腔環境を維持するための重要な処置のひとつです。定期的に口の中を徹底的に清掃することで、歯を健康で美しい状態に保てます。
「どのくらいの頻度でクリーニングを受ければよいのか分からない」「どんなことをするのかイメージできない」という方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、クリーニングを受ける頻度やメリット、施術の流れ、注意点などについて解説します。
歯医者でクリーニングを受ける頻度

歯医者でクリーニングを受ける頻度は、患者さまの口腔内の状態や虫歯や歯周病などのリスクによって異なります。適切な頻度の目安は、以下の通りです。
セルフケアがしっかりとできている人
毎日のケアがしっかりとできていて口腔環境が良好な方は、3~6ヵ月に1回の頻度で問題ありません。また、歯並びが整っていて磨き残しのリスクが少ない方や、歯垢が付きにくい方も同様です。
しかし、しっかり磨いているつもりでも磨き残しが多いケースもあります。まずは一度歯科医師のチェックを受けることが大切です。
ハミガキが苦手な人や歯並びが乱れている人
ハミガキがしっかりできているか不安な方や、歯並びが乱れていて磨き残しのリスクが高い方は、1~2ヵ月に1回のペースでクリーニングを受けておくと安心です。特に、歯と歯が重なり合うように生えていると、細かい部分まで汚れを取り除くことが難しいです。
定期的にクリーニングを受けて、こまめに清掃することが重要です。
着色汚れが気になる人
普段から着色しやすい飲食物を口にする機会が多い方は、2~3ヵ月に1回を目安にクリーニングを受けると良いでしょう。例えば、日常的にコーヒーや紅茶、緑茶、赤ワインなどを飲むことが多い方や、ケチャップやソースなどの色素の濃い調味料を使用する機会が多い方です。
歯石がつきやすい人
食生活や体質によって、歯垢がつきやすい人もいます。例えば、唾液がサラサラしていて分泌量が多い方や日頃から甘い物をよく口にする方は、歯垢が付着しやすいです。
歯石は普段のブラッシングでは除去できませんので、早めに歯医者で取り除くようにしましょう。
虫歯ができやすい人
下記に当てはまる方は、虫歯のリスクが高いといえます。1~2ヵ月に1回クリーニングを受けることで、虫歯を効果的に予防できるでしょう。
・日常的に甘い物をよく口にする方
・ダラダラと間食をすることが多い方
・口呼吸の癖がある方
・頻繁に虫歯になる方
歯周病の人
すでに歯周病と診断されている方は、1~2ヵ月に1回のペースでクリーニングを受けるべきでしょう。プラークや歯石を除去し、歯周病が悪化しないように口腔内を清潔な状態に維持していくことが大切です。
喫煙習慣のある人
日頃から喫煙習慣のある方は、そうでない方に比べて歯周病のリスクが高まるだけでなく、歯周病の進行も早いといわれています。また、タバコに含まれるタールによってヤニ汚れが付着しやすくなるため、1~2ヵ月に1回はクリーニングを受けるようにしましょう。
歯医者でクリーニングを受けるメリット

歯医者でクリーニングを受けるメリットは、以下の通りです。
お口のトラブルを予防できる
歯医者で受けるクリーニングでは、普段のブラッシングでは除去できない部分に溜まったプラークや硬い歯石を除去できます。歯周病や虫歯の原因となる細菌の塊を丁寧に取り除くことで、お口のトラブル防止につながります。
見た目が改善する
口腔内の清掃が不十分な状態では、細菌の塊によって形成された膜(バイオフィルム)によって口の中がネバついたり、着色汚れによって黄ばんだりすることがあります。そのような状態を放置していると、周囲に清潔感がない印象を与える可能性もあります。
歯医者でのクリーニングでは、ネバツキの原因となる細菌や黄ばみの原因となる着色汚れやヤニなども除去できるため、見た目の改善にも役立つでしょう。
口臭の改善や予防ができる
口腔内にプラークや歯石が蓄積したままの状態で放っておくと、次第に口臭が強くなります。プロのクリーニングで定期的に口内環境を整えることにより、不快な口臭の予防や改善にも効果が期待できます。
歯医者で行うクリーニングの流れ

歯医者で行うクリーニングの流れは、以下の通りです。
口腔内のチェック
症状の有無にかかわらず、まずは口腔内の状態を一通りチェックします。虫歯の有無をはじめ、歯ぐきに赤みや腫れがないか、口腔内の粘膜に異常がないかなどを診ていきます。
また、歯と歯ぐきの境目にある溝(歯周ポケット)の深さを測定することにより、歯周病の進行度を判断します。必要に応じて、レントゲン検査を行うこともあります。
プラークや歯石の除去(スケーリング)
スケーラーと呼ばれる専用の器具を用いて、歯に付着したプラークや歯石を取り除いていきます。スケーラーには、手作業で使用する手用スケーラーや超音波の振動で除去する超音波スケーラーなどがあり、状況に応じて使い分けます。
色素の除去・研磨
プラークや歯石を取り除いた後は、専用のブラシや研磨剤を用いて歯の表面に付着した着色汚れやタバコのヤニなどを取り除きます。歯の表面を研磨することにより、本来の歯の色を取り戻せます。
また、表面をツルツルに磨き上げることによってプラークや汚れが付着しにくくなります。
フッ素塗布
フッ素には、歯質を強化したり細菌の繁殖を抑えたりする効果があります。歯医者で扱うフッ素は市販のものよりも濃度が高いため、優れた虫歯予防効果が期待できます。
とはいえ、クリーニングやフッ素塗布だけでは虫歯を完全に防ぐことはできません。適切なブラッシングや食生活の改善を行うことも重要です。
ブラッシング指導
口腔内のチェックやクリーニングの状況をもとに、患者さま一人ひとりに合ったブラッシング方法の指導が行われます。口内環境を良好に保つためには、定期的なクリーニングだけでなく、毎日の丁寧なセルフケアが欠かせません。
歯ブラシの選び方や当て方、動かし方、歯間ブラシやフロスの活用方法などをお伝えしますので、毎日のケアにお役立てください。
歯のクリーニングを受けるときの注意点

歯のクリーニングを受けるときには、以下の2点に注意が必要です。
痛みが出ることがある
クリーニングでは、歯を傷つけるような処置を行うことはありません。
しかし、硬い歯石が大量に蓄積していたり歯ぐきが炎症を起こしていたりする場合には、処置中の刺激によって痛みが出たり歯ぐきから出血することがあります。また、知覚過敏の症状がある場合にも、歯に水や器具が触れる刺激によって痛みを覚える可能性があるでしょう。
着色しやすい飲食物は避ける
クリーニングを行った直後は、歯の表面にあるペリクルと呼ばれるタンパク質の膜が一時的に失われた状態になるため、普段よりも着色しやすくなります。この状態で色素の濃い飲食物や酸性強い飲食物を口にすると、きれいにした歯に着色汚れが付着するため注意しましょう。
着色しやすい飲食物には、コーヒーや紅茶、赤ワイン、醤油、ケチャップ、ソースなどがあります。また、酸性の強い飲食物には、アルコールやスポーツドリンク、クエン酸、炭酸飲料などが挙げられます。
なお、ペリクルはクリーニング後、12時間~24時間程度で元に戻ります。
まとめ

今回は、クリーニングを受ける頻度やメリット、施術の流れ、注意点などについて解説しました。歯科医院でクリーニングを受ける最適な頻度は、患者さまの口腔内の状態やセルフケアの状況、体質や生活習慣などによっても異なります。
毎日のセルフケアが丁寧に行われており、口内環境が良好に保てている場合には、3~6ヵ月に1回程度のペースで問題ないでしょう。何度も虫歯を繰り返している方や歯並びが乱れていてブラッシングが難しい方などは、1~2ヵ月に1回のペースで受けておくと安心です。
品川港南歯科・矯正歯科クリニックでは、痛みや施術時間を抑えながら自然な仕上がりの治療を目指しています。マウスピース矯正やセラミック治療、虫歯治療、ホワイトニングなどにも力を入れています。