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「顎関節症でもインビザラインはできる?」「インビザラインで顎関節症になることってあるの?」など、気になっている方がいるのではないでしょうか。
今回は、顎関節症でもインビザラインができるのか解説します。顎関節症の原因や予防法についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
顎関節症でもインビザラインはできる?
顎関節症でも症状によってはインビザラインで治療できることがあります。軽度な症状であればインビザラインができる場合もありますが、症状がひどい場合は顎関節症の治療を終えてからインビザラインでの治療に移ることもあるでしょう。
顎関節症でもインビザラインができるかは最終的に歯科医師の判断になります。気になる方は歯科医師に相談しましょう。
そもそも顎関節症とは?
顎関節症とは、顎の関節である顎関節の周辺になんらかの異常が起こること、また関節円板というクッションの役割をしている部分がズレることを指します。
顎関節症の症状は、以下のとおりです。
・口の開け閉めをすると顎関節の音が鳴る
・口の開け閉めをすると顎関節や顎を動かす筋肉に痛みが出る
・口を大きく開けることが困難になる
上記の症状が原因で硬い食べ物を噛めなくなることや、大きな食べ物を口に入れることが難しくなります。
関節症の原因
顎関節症を引き起こす原因にはさまざまなものが考えられます。
顎関節症の原因は、主に以下のとおりです。
・噛み合わせが悪い
・歯ぎしり・食いしばりの癖がある
・片側で咀嚼する癖がある
・うつ伏せ寝・頬杖をつく・猫背などの癖がある
生まれつき噛み合わせが悪いことが原因で顎関節症になることもありますが、生活習慣や癖が関係している場合も多くあります。
噛み合わせが悪い
噛み合わせが悪いと顎関節に負担がかかるため、顎関節症になりやすいです。
歯ぎしり・食いしばりの癖がある
歯ぎしりや食いしばりの癖は、歯に負担がかかるだけでなく顎関節にも大きな負担がかかります。
歯ぎしりや食いしばりをする癖のある方は、常に歯と歯が接触している状態になり、顎周りの筋肉や顎関節に常に負担がかかっている状態です。歯ぎしりや食いしばりが続くと、顎周りの筋肉が張っていると感じることや、疲れたように感じることがあります。次第に筋肉の痛みや顎の痛みにつながるのです。
片側で咀嚼する癖がある
食事の際に片側で咀嚼する癖がある方は、顎のズレを引き起こす恐れがあります。顎のズレは顎関節症のリスクを高めるでしょう。
うつ伏せ寝・頬杖をつく・猫背などの癖がある
うつ伏せで寝る習慣がある方は、長時間にわたって下顎や歯などに頭の重さがかかり、顎関節に大きな負担を与えることになります。また、頬杖をつく癖がある方は片方の顎に大きな負担がかかるのです。
ふだんの姿勢も顎関節に影響を与えることがあります。猫背は下顎が正しい位置におさまりにくいため、うまく口を開くことが難しくなります。猫背の状態が長く続くと、顎や顎周りの筋肉に負担をかけ続けることになり、顎関節症のリスクを高めるのです。
顎関節症を放置してはいけない理由
顎関節症を放置すると、さまざまなリスクがあります。では、顎関節症を放置するとどのようなリスクがあるのでしょうか。
顎関節症を放置することによるリスクは、以下のとおりです。
・肩こり・頭痛・腰痛
・耳鳴り
・目の痛みや疲れ
顎関節症は最初に述べたような「顎や顎周りの筋肉に痛みが出る」「口の開閉が難しくなる」以外にも、上記のような全身へ悪い影響を与えることがあります。
顎関節症になると顎周りの筋肉のバランスが崩れ、肩こりや腰痛、頭痛などの症状を引き起こす恐れがあります。また、顎関節は耳の近くに位置しているため、食べ物を噛んだときの刺激が耳へと伝わりやすく、耳鳴りを引き起こしやすくなるのです。
ほかにも、顎関節症になると筋肉が緊張状態になりやすく、やがて筋肉疲労を引き起こします。筋肉疲労を引き起こすと目の周りの筋肉も影響を受けて緊張状態になり、目の痛みや疲れにつながるのです。
顎関節症の予防法
顎関節症を予防するためには、顎に負担がかかる行動を避け、生活習慣を見直すことが大切です。
具体的な予防法を以下にご紹介します。
・顎に負担がかかる癖をやめる
・専用のマウスピースを装着する
・顎周りのマッサージをする
それぞれ詳しく解説します。
顎に負担がかかる癖をやめる
顎に負担がかかる癖がある方は、意識をしてやめるようにしましょう。
具体的には以下のような癖です。
・頬杖をつく癖
・うつ伏せで寝る癖
・片側で咀嚼する癖
・猫背・前傾姿勢
専用のマウスピースを装着する
歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、顎や顎周りの筋肉に大きな負担をかけます。歯ぎしりや食いしばりは寝ているときやスポーツをしているとき、ストレスを感じたときに無意識のうちに行われることがほとんどのため、ご自身でコントロールすることは難しいでしょう。
そのため、歯科医院で専用のマウスピースを作製して、装着するとよいでしょう。マウスピースを装着することで顎関節にかかる負担を軽減する効果が期待できます。
顎周りのマッサージをする
顎周りを優しくマッサージをすると筋肉の緊張がほぐれ、血流がよくなります。
ただし、間違った方法や強すぎる力で行うと悪化する可能性もあるので、ご自身で行う場合は注意しましょう。
インビザラインで顎関節症が治るケースはある?
インビザラインは歯列を整えることを目的とした治療のため、すべてのケースで顎関節症が改善されるということはありません。
しかし、以下のようなケースでは顎関節症の症状が緩和されることがあるといわれています。
・噛み合わせの乱れが原因で顎関節症になっている場合
・歯ぎしりや食いしばりの癖が原因で顎関節症になっている場合
それぞれ詳しく解説します。
噛み合わせの乱れが原因で顎関節症になっている場合
インビザラインで噛み合わせが改善されることで、顎や顎周りの筋肉に負担がかかりにくくなり、顎関節症の症状も緩和されるというケースがあります。
歯ぎしりや食いしばりの癖が原因で顎関節症になっている場合
歯ぎしりや食いしばりの癖が軽度であれば、インビザラインで使用するマウスピースがクッションとなり、顎への負担を減らせる可能性があるでしょう。
ただし、歯ぎしりや食いしばりが強すぎると、治療に使用するマウスピースが破損することもあります。歯ぎしりや食いしばりが強い場合は、インビザラインのようなマウスピースを使った矯正方法が合わないこともあるのです。
また、インビザラインで歯ぎしりや食いしばりによる顎の負担をある程度は緩和できますが、顎関節症の根本的な解決にはならないでしょう。インビザライン治療後に、再び歯ぎしりや食いしばりが原因で顎に負担がかかることもあります。
インビザライン治療中に顎関節症になるケースはある?
インビザライン治療中に歯を動かす過程で一時的に噛み合わせが悪くなることがあります。マウスピースの装着不足によって長期間噛み合わせが悪い状態が続くと「口が開けにくい」「食べ物を噛みづらい」と感じることもあるのです。
また、矯正をしていることのストレスで、ふだんよりも強く歯ぎしりや食いしばりをしてしまい、顎に負担がかかることもあります。マウスピースの装着時間はしっかりと守り、あまりにも強い痛みを感じるときは、歯科医師に相談しましょう。
まとめ
今回は、顎関節症でもインビザラインができるのか、また顎関節症の原因や予防法についても解説しました。
顎関節症は顎に負担をかける癖が原因で発症することが多いです。顎関節症でもインビザラインができるケースもあるため、一度歯科医院で相談しましょう。
顎関節症を発症していない方でも、顎に違和感がある場合や顎周りの筋肉に疲れを感じる場合は顎関節症の一歩手前の状態かもしれません。顎に負担がかかる癖がある方は改善し、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は専用のマウスピースを装着するなどして、顎関節症を予防しましょう。