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インビザライン治療をできるだけ計画どおりに終わらせたいと思う方が多いでしょう。
しかし、治療の途中で予想していなかったトラブルが起きることや、治療計画が変わることがないとは限りません。「インビザライン治療が延長になった場合の料金はどうなるの?」「延長になる原因は?」など疑問に思う方も少なくないでしょう。
今回は、インビザライン治療が延長になるケースや原因を解説します。インビザライン治療を延長させないために気を付けることもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
インビザラインの治療期間
インビザラインの治療期間は、全体矯正、部分矯正、使用しているインビザラインの種類、歯並びの状態など、さまざまな要素によって異なります。おおまかな治療期間は、以下のとおりです。
・全体矯正:1〜3年
・部分矯正:2か月〜1年程度
部分矯正は気になるところだけを改善する治療なので、比較的短期間で治療が終了します。部分矯正の途中で抜歯が必要になった、噛み合わせも治したいなど、治療計画の修正が必要になった場合は、上記よりも治療期間が延長されることもあるため注意してください。
インビザライン治療が延長になった場合の料金
インビザライン治療が延長になった場合、追加で料金が発生するのでしょうか。追加料金が必要かどうかは、歯科医院によって異なります。
インビザライン治療が延長になったことでマウスピースを追加した場合、追加した枚数分の料金が発生する歯科医院が多いです。最初に治療費用をまとめて支払うトータルフィー制度を採用している歯科医院の場合、治療が延長になっても追加料金が発生しないことがあります。トータルフィー制度の条件も歯科医院によって異なるので、事前に確認しましょう。
インビザライン治療が延長になるケースと原因
インビザラインの治療期間には、マウスピースの使い方や、口腔内の状況、治療計画など、さまざまな要素が関係します。インビザライン治療が延長になる主な原因は、以下のとおりです。
マウスピースの取り扱いが不適切だった
マウスピースをきちんと装着できていないことは、治療が延長になる大きな要因です。インビザラインはワイヤー矯正とは異なり、取り外しできます。
そのため、患者様ご自身でマウスピースの装着時間を管理しなければなりません。マウスピースの装着時間が短い場合や、適切に装着できていなかった場合、インビザライン治療が延長になるでしょう。
インビザライン治療では、マウスピースを1日20〜22時間装着する必要があります。マウスピースを22時間以上装着していても、適切に装着できていなかった場合は歯が移動しません。
特に初めてマウスピースを装着するときや、マウスピースを交換した直後は浮きやすいです。チューイーを使用するなど、しっかりとマウスピースを装着する必要があります。
マウスピースが破損した
マウスピースが破損したことが理由で、治療が延長になるケースもあるでしょう。
マウスピースは非常に薄い素材でできているため、着脱の際や装着している間、保管しているときに破損する可能性もあります。特に、歯ぎしり・食いしばりの癖がある方は、マウスピースが破損しやすいでしょう。
マウスピースの破損状況がひどく作り直しになった場合は、治療期間が延長になります。
虫歯や歯周病になった
インビザライン治療の途中で、虫歯や歯周病になると治療が延長になることが多いでしょう。矯正治療を中断して、虫歯や歯周病の治療を優先するのが一般的だからです。
虫歯治療で歯を削り、マウスピースが合わなくなることもあります。マウスピースの作り直しが必要になると治療が延長になるでしょう。
予定どおりに通院していない
予定どおりに通院していないと、インビザライン治療が延長になります。インビザライン治療では、2〜3か月に一度のペースで歯科医院に通院します。予定どおりに矯正が進んでいるか、トラブルがないかなどを確認し、微調整するのです。微調整できないまま治療が進むと、思いがけない方向に歯が動く可能性があります。
仕事や家庭の用事、学校の行事で忙しく、予約した日に通院できないこともあるでしょう。予約した日に通院できなかった場合は、できるだけ早く受診してください。
癖が直っていない
舌を出す癖や舌で歯を押す癖、頬杖をつく癖、横向きで寝る癖などは、歯に圧力をかけます。口呼吸も歯並びが乱れる原因とされていますが、矯正治療の妨げにもなるでしょう。
マウスピースが正しい方向に圧力をかけても、舌や頬杖など別の力がかかるからです。計画どおりに歯を動かすためにも、癖がある場合は改善しましょう。
リファインメントを行った
リファインメントを行うことで、インビザライン治療が延長になる可能性もあります。インビザライン治療中、治療計画が大幅にずれないために調整することをリファインメントといいます。
矯正開始前に精密検査をしてマウスピースを発注しますが、思ったとおりに歯が動くとは限りません。矯正治療では、リファインメントを行う方が多いです。
理想の歯並びに近づけるために必要なことですが、リファインメントの回数が増えると治療は延長になります。
途中で治療計画を変更した
治療の途中で治療計画が変更になった場合、インビザライン治療が延長になります。例えば、抜歯はしない部分矯正のみと希望していた場合でも、治療の途中で「もっときれいな歯並びになりたい」「前歯だけでなく全体的に整えたい」と、気持ちが変わることもあるでしょう。
また、抜歯をせずに治療を始めた場合でも、抜歯が必要になる可能性があります。治療計画が変わると、治療期間も延長になるでしょう。
インビザライン治療を延長させないために気を付けること
リファインメントや治療計画の変更など、やむを得ず治療が延長になることはあります。
しかし、不必要に治療が延長になると患者様の負担が増加するでしょう。
インビザライン治療を延長させないために気を付けることは、以下のとおりです。
マウスピースの使い方を守る
マウスピースの使い方を守って、正しく装着しましょう。装着時間はもちろん、装着方法も意識してください。
両手でマウスピースを持ち、奥歯のほうから押し込んでしっかりと装着します。面倒に感じるかもしれませんが、チューイーを使う癖をつけてください。
また、保管するときは、破損しないようにケースに入れることも大切です。
通院日を守る
予約した通院日を守りましょう。インビザライン治療の通院は、2〜3か月に一度とほかの矯正治療に比べると頻繁ではありません。
忙しい毎日を送っていると、急に仕事が入って通院できなくなることもあるでしょう。予約した日に通院できなくても、歯科医院に連絡して別日に通院してください。
また、通院しやすい条件を考えて、歯科医院を選ぶことも重要です。例えば、下記の内容を考慮しましょう。
・仕事帰りに通院する場合は、遅くまで診療しているか
・休日に通院したい場合は休日診療しているか
・駅の近くなど、アクセスはよいか
長期的に通うことを考えて、通いやすい歯科医院を選んでください。
マウスピースや口腔内をしっかりとケアする
マウスピースと口腔内をしっかりとケアし、矯正治療中に虫歯や歯周病にならないように気を付けましょう。上述しましたが、虫歯や歯周病の治療の間、矯正治療が止まるからです。歯の形が変わり、マウスピースの追加が必要になることもあるでしょう。
フロスやタフトブラシなども使用して、歯と歯の間や、歯と歯茎の境目も意識して磨いてください。
まとめ
インビザライン治療が延長になることがあります。マウスピースを正しく装着していなかった場合や、通院日を守らなかった場合、歯並びに影響を与える癖を放置している場合は、計画どおりに歯が動きません。治療が延長になるリスクが高いでしょう。
矯正を成功に導き、きれいな歯並びを手に入れるためにも、正しいマウスピースの装着方法を覚えてください。口腔ケアをしっかりと行うことも重要です。
歯科医師やスタッフとコミュニケーションを取り、不安なことは相談しながら治療を進めましょう。