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インビザラインを開始してしばらく経ったのに「歯が動いていない」と感じるかもしれません。「何か問題があるのでは?」「目に見える効果が出るのはいつ?」など、不安な気持ちになることもあるでしょう。
今回は、インビザラインで歯が動いている気がしない原因や対処法を解説します。インビザライン開始後、不安を感じている方はぜひ参考にしてください。
インビザラインで歯が動く仕組み
インビザラインとは、透明なマウスピースを使って歯を移動させる治療方法です。矯正開始前に採取した歯型をもとに、歯の移動をシミュレーションしてマウスピースを作成します。
マウスピースは現在の歯並びよりも少しずらして設計されます。マウスピースを装着することで歯に圧力がかかり、ずれに向かって歯が動く仕組みです。
インビザラインには、スマートトラックという特殊素材が使用されています。スマートトラックは弾力性が高く、もとの状態に戻ろうとする力が働きます。スマートトラックの特徴によって、歯に持続的に圧力をかけるのです。
インビザラインでは、マウスピースを1日20〜22時間装着しなければなりません。1〜2週間に一度の頻度で交換しながら、歯並びを整えます。
1枚のマウスピースで動く歯の距離は、0.25〜0.35mmほどです。ワイヤー矯正の場合1回の調整で動かす距離は、0.5mm程度、1mm程度動かすこともあります。インビザラインはワイヤー矯正と比較すると歯を動かす距離が少ないため、痛みが少ないでしょう。
インビザラインで歯が動いている気がしない原因
インビザラインを開始してしばらく経っても「歯が動いている気がしない」と感じる人もいます。高額な費用を払って矯正治療を受けているのに、効果がないように感じれば不安になるでしょう。
インビザラインで歯が動いていないと感じる原因は、以下のとおりです。
目に見える効果が出るには一定期間必要である
インビザラインは、ワイヤー矯正に比べると歯を動かすペースが遅いです。そのため、すぐに効果を感じにくく、目に見える効果が出るには一定期間必要です。一般的に、インビザラインのマウスピースを14枚前後使用した頃、治療開始から3か月半程度経ってから効果を感じられるでしょう。
しかし、歯の動きには個人差があるので、6か月〜1年程度かかる人も珍しくありません。治療を開始してしばらくの間は「本当に効果があるのだろうか」と不安になることもあるでしょう。治療を始めたばかりの頃は、辛抱して経過観察する必要があるのです。
マウスピースの交換時期や装着方法が誤っている
マウスピースの交換時期や装着方法が誤っていると、計画どおりの効果は得られないでしょう。マウスピースが浮いている、アタッチメントが外れている、装着時間を守っていない、交換時期を間違えているなどがあると、歯が動いている気がしないかもしれません。
特に、マウスピースはチューイーという道具を使ってしっかりと装着する必要があります。マウスピースが浮いた状態では、歯に圧力がかかりません。
アタッチメントとは、歯とマウスピースの密着度を向上するために装着する突起です。アタッチメントが外れていると、歯に適切な矯正力がかかりません。
マウスピースの装着時間を守っていない場合や、交換時期を間違っているケースも、歯が動かない原因になります。
治療計画が適していない
装置の装着方法に問題がなく、一定の期間が経過しても歯が動いている気がしない場合は、治療計画が適していない可能性があります。インビザラインでは、クリンチェックというソフトを用いて経過観察や修正を行うのが一般的です。歯が動いている気がしない場合も、3Dでチェックすると動いていたことが判明するケースもあるでしょう。
計画どおりに歯が動いていない場合は、計画を修正しより効果的なアプローチを行います。
インビザラインで歯が動いている気がしない場合の対処法
インビザラインを使用しても効果を感じないときの対処法をご紹介します。「歯が動いている気がしない」と思ったときは、試してください。
インビザラインの取り扱い方をチェックする
まず、インビザラインの取り扱い方が合っているかチェックしましょう。上述したように、インビザラインは正しく装着しなければ効果が出ません。1日20〜22時間以上装着しているか、チューイーを使ってしっかりと装着しているか、インビザラインが破損していないかを確認してください。
アタッチメントが外れている、マウスピースが割れているなど、問題がないかも確認しましょう。インビザラインの破損が見つかった場合は、速やかに歯科医院を受診してください。
新陳代謝を活発にする
新陳代謝のよい人は、歯が動きやすい傾向にあります。骨や歯根膜など、歯の周辺組織の代謝がよくなり歯が動くからです。
矯正の効果をしっかりと得たい方は、新陳代謝が活発になるよう工夫しましょう。例えば、栄養バランスの整った食事を摂る、適度に運動する、十分な睡眠時間を確保するなどが挙げられます。
矯正を成功に導くためにも、健康に気をつけて規則正しい生活を心がけましょう。
口元の癖がないかチェックする
口元の癖がないかをチェックすることも重要です。舌で歯を押す、歯ぎしりや食いしばりをする、頬杖をつく、横向きやうつ伏せで寝るなどの癖は、歯並びに影響を与えます。
計画どおりに歯が動かないだけではなく、矯正後に後戻りする原因にもなるでしょう。習慣化している癖を直すのは難しいですが、意識して改善してください。
オーソパルスを導入する
インビザラインとともに、オーソパルスを使用するのも効果的です。オーソパルスは、光の波長で細胞活性を促す装置です。
1日10分使用することで、歯が動くスピードを促進させます。オーソパルスを併用する場合、追加料金が必要なことが多いです。採用している歯科医院としていない歯科医院があるので、担当の歯科医師に相談してください。
不安な気持ちを歯科医師に相談する
「本当に効果が出ているのだろうか」と不安な気持ちがある場合は、歯科医師に相談しましょう。3Dによるシミュレーションで、見える効果が出ていないだけで歯は動いていることが確認できる可能性もあるでしょう。
説明を受けることで、納得して治療を続けられます。インビザラインの治療を開始する前のカウンセリングでは、相談しやすい歯科医師か、丁寧に接してくれるか、話を聞いてくれるかなどを確認しましょう。
細かい修正やトラブルにきちんと対応してもらうためには、インビザラインの経験が豊富な歯科医師の治療を受けることも重要です。
まとめ
インビザライン治療の開始後、しばらくしても歯が動いている気がしないと不安に感じる人は少なくありません。インビザラインはゆっくりと歯を動かす治療なので、マウスピースを14枚前後使用した頃、治療開始から3か月半程度までは目に見える効果が出ないことを理解しましょう。
歯が動いている気がしないと感じるときは、インビザラインの使用方法や装着時間が適切かどうか、インビザラインが破損していないかどうかなどを確認することも大切です。規則正しく健康的な生活習慣を心がけ、新陳代謝を高めることも重要でしょう。
歯科医師とよい関係を築き、相談しながら治療を進めてください。