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マウスピース矯正は、アライナーとよばれる弾性のある透明なマウスピースを装着して歯を移動させる矯正方法です。マウスピース矯正のなかでも、インビザラインは世界で1,400万人以上の治療実績を誇る有名なマウスピース矯正ブランドです。
インビザラインは患者様自身で自由にアライナーを取り外せます。そのため、ふだんどおりに食事や歯磨きができる矯正方法として、多くの人に選ばれています。
しかし、意図せずアライナーをなくしてしまう方や、割ってしまう方も多いようです。
今回は、インビザラインをなくした場合やインビザラインが割れた場合の対処法、防止策を詳しく解説します。インビザライン矯正を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
インビザラインをなくしてしまったときの対処法
インビザラインをなくしてしまった場合、治療ができなくなるのではないかと心配に思う方も多いでしょう。なくした状況別に、対処法をご紹介します。
交換後すぐになくした場合
インビザラインは、およそ1~2週間で新しいアライナーに交換して矯正治療を進めます。新しいアライナーに交換してすぐになくした場合は、同じものを作り直す必要があるでしょう。最初の検査で記録した歯並びや口の中のデータが歯科医院に残っているので、データをもとに再びアライナーを作成します。
ただし、アライナーの再作成には1~2週間ほどかかります。再作成したアライナーが手元に届くまでは、1つ前のアライナーを装着しましょう。矯正中の歯は不安定なため、何もつけていないと歯がもとの位置に戻る、後戻りを起こすからです。
アライナーの再作成をせず、なくしたアライナーを飛ばして次のアライナーを装着する場合もあるでしょう。1つのアライナーで動かせる歯の距離は0.25mmほどと非常に少ないです。そのため、歯並びの状態によってはアライナーを1つ飛ばしても問題ない場合があります。
次のアライナーに交換する直前になくした場合
次のアライナーへの交換時期が近いタイミングでなくした場合は、次のアライナーに交換することが多いです。交換する直前のタイミングであれば、なくしたアライナーでの歯の移動がほとんど完了しているケースが多いからです。
ただし、1つ前のアライナーがない状態なので、新しいアライナーはなくさないように注意しましょう。
複数枚のアライナーをなくした場合
複数枚のアライナーをなくした場合はすぐに歯科医院に相談して、再度作成してもらってください。インビザラインは一般的に、治療全体で40~50枚のアライナーを使用します。そのため、一度に複数枚のアライナーを渡されることも多いです。
歯科医院からの帰り道になくす、片づけたときに間違えて捨ててしまうなど、一度に複数枚のアライナーをなくすこともあるでしょう。基本的には、すでに検査で得たデータをもとにアライナーを再作成しますが、治療計画の再検討が必要な場合もあります。
再作成にかかる追加費用は歯科医院によって異なります。追加費用が料金にあらかじめ含まれている場合もあるので、確認しましょう。
インビザラインが割れてしまったときの対処法
インビザラインのアライナーは、口の中での違和感を軽減するために柔らかくて弾力のある素材で薄く作られます。そのため、取り外すときや歯ぎしりなどによってアライナーに過度の力がかかると、ヒビが入る場合や、割れてしまう場合があるのです。
アライナーが割れてしまった場合の対処法をご紹介します。
ヒビが入った場合
アライナーにヒビが入ったら、すぐに歯科医院へ連絡しましょう。亀裂が入っただけで、問題なくはめられる状態であれば、そのまま使用することもあるでしょう。小さい破損なら歯科医院で応急的に修理するケースもあります。
ただし、インビザラインのアライナーは綿密な治療計画と歯のデータをもとに作成されているため、歯科医師が容易に修理できない場合もあるので注意が必要です。ヒビが入ったアライナーは壊れやすいので、今まで以上に丁寧に取り外しを行いましょう。
完全に割れた場合
アライナーが完全に割れた場合、そのアライナーは装着できません。歯科医師が歯並びの状態を確認して再度マウスピースを作成するか、1つ飛ばして次のマウスピースを装着するかを決めます。
アライナーが割れたときに、自己判断で市販の接着剤などで修理しようとするのは控えてください。アライナーは、口の中のデータをもとに精密に作成された矯正装置です。ほんの少しずれるだけで歯並びや噛み合わせに大きな影響を与える恐れがあるので、必ず歯科医院で対応してもらいましょう。
インビザラインを紛失・破損しないために
インビザラインは患者様自身で装置を取り外すことが可能なため、紛失や破損の恐れがあります。アライナーの紛失や破損を防止するための方法をご紹介します。
外したら必ずケースに入れる
アライナーを外したら必ずケースに入れましょう。
外出先でティッシュに包んでそのまま忘れる、保管場所を決めておらず家族が間違えて捨ててしまうなどの事例があとを絶ちません。アライナーは透明なので、ケースに入れずに置いていると気づかずに捨てることや、踏んでしまうこともあります。家での保管場所を決め、外出する際は必ずケースを持ち運びましょう。
お湯で洗わない
アライナーはポリウレタンでできており、お湯につけると変形する恐れがあります。40度以上のお湯で変形する可能性があるので、水で洗いましょう。
負担をかけないように着脱する
インビザラインのアライナーは、装着時の違和感がないように厚みが0.5mmしかありません。装着感のよさがメリットですが、強度がないため着脱する際は注意が必要です。
アライナーの着脱に関する注意点は、以下のとおりです。
・前歯から装着して奥歯から外す
・歯で噛んで装着しない
・外すときは引っ張るのではなく浮かせる
特に慣れないうちは着脱に時間がかかる方も多いでしょう。アライナーは弾力がある分、変形しやすいです。破損しないように正しい取り外し方法を身につけましょう。
少しでも破損したらすぐに歯科医院に連絡する
アライナーに少しでも異変がある場合は、すぐに歯科医院へ連絡しましょう。小さな破損に早期に気づくことができれば、歯科医院でアライナーの修理ができるかもしれません。
アライナーはヒビが入ると特に割れやすくなるため、破損したあとの取り扱いには十分に注意しましょう。
インビザラインを作りなおすことはできる?
破損や紛失によるインビザラインの作り直しは可能です。過去にスキャンした歯のデータによって、なくしたものと同じアライナーを再作成できます。
再作成には1~2週間かかるため、新しいアライナーが届くまでの間に歯が動かないよう、1つ前のアライナーを装着する必要があります。使い終わったアライナーはすぐに破棄せず、一定の期間保管しましょう。
また、再作成にかかる追加費用は歯科医院によって異なります。追加の作成にかかる費用があらかじめ料金に含まれている歯科医院もあるので、事前に確認しましょう。
まとめ
インビザラインを紛失・破損した場合は、速やかに治療を受けている歯科医院へ連絡しましょう。歯並びの状態やアライナーの状態によって対処方法が変わります。自己判断でアライナーを修理する、破損したアライナーを無理やり装着するなどは控えましょう。歯並びや噛み合わせに悪い影響を与える危険性があります。
インビザラインは、口の中のデータをもとにアライナーの再作成が可能です。なくした場合や割れてしまった場合は、早急に歯科医院へ相談しましょう。