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2025年12月04日

ラミネートベニアとは?素材の違いと治療で得られる効果 

ラミネートベニアのイメージ

前歯の色や形が気になり、人前で笑うのをためらっていませんか。歯の審美性を向上させる治療法にはさまざまな選択肢があります。その中でも、ラミネートベニアは歯を大きく削ることなく、短期間で理想的な歯の色や形を実現できる治療法として注目されています。

この記事では、ラミネートベニアの基本的な仕組み、メリット・デメリット、使用される素材の種類、適応症例、そして治療にかかる費用まで解説します。ご自身に合った審美歯科治療の選択肢を見つけられるよう、参考にしてください。

ラミネートベニアとは

ラミネートベニアの治療の様子

ラミネートベニアは、前歯の見た目を美しく整えるための審美歯科治療です。歯の表面に薄いセラミック製のシェル(薄い板)を貼り付けることで、色や形、大きさを自然に改善できます。

つけ爪のように歯の表面に装着する仕組みで、セラミックは変色しにくく透明感があるため、笑顔の印象を大きく変えることが可能です。

歯科医師とのカウンセリングで理想の歯の形や色を相談し、歯の表面をわずかに削って歯型を採取します。その型をもとに歯科技工所でオーダーメイドのラミネートベニアを作成し、完成したものを歯科用の特殊な接着剤で固定します。

通常は2~3回の通院で治療が完了し、短期間で美しい歯を手に入れられるのが特徴です。

ラミネートベニアのメリット

ラミネートベニアのメリットイメージ

ラミネートベニアには、他の審美歯科治療と比較して数多くの利点があります。

歯を削る量が少ない

最も大きなメリットは、歯へのダメージが最小限で済むという点です。歯の見た目を改善する方法には、セラミック製の被せ物を装着する方法もありますが、その場合、被せ物を装着するために、歯を全周にわたって1~2ミリ程度削る必要があります。

一方、ラミネートベニアの場合、歯を削る量は0.3~0.5ミリ程度です。削る量が少ないほど健康な歯質を温存でき、歯の寿命を延ばすことにつながります。

短期間で美しい歯を実現できる

ホワイトニングや歯列矯正と異なり、2~3回の通院、期間にして2~3週間程度で治療が完了するため、結婚式や就職活動など、大切なイベントを控えている方にも人気です。複数の歯を同時に治療できるため、前歯全体の印象を一度に変えられるのも魅力です。

仕上がりが自然で美しい

ラミネートベニアに使用されるセラミック素材は、天然歯に近い透明感と光沢、色調を再現でき、仕上がりが非常に自然です。色調も患者さまの希望や周囲の歯に合わせて細かく調整できるため、仕上がりが非常に自然です。

セラミックはプラスチックと異なり、経年による変色がほとんどなく、美しさを長期間維持できます。

ラミネートベニアのデメリット

ラミネートベニアのデメリットイメージ

多くのメリットがある一方、治療を検討する際には注意すべき点もあります。

健康な歯を削る必要がある

削る量は少ないとはいえ、健康な歯の表面を削る必要があることは事実です。エナメル質を削ることで、わずかながら歯の保護機能が低下する可能性もあるため、虫歯のリスクが高い方や歯ぎしりの癖がある方には、慎重な判断が求められます。

一度削った歯は元の状態に戻すことができないため、治療前には十分な検討が欠かせません。

欠けたり剥がれたりするリスクがある

ラミネートベニアは薄いセラミックシェルであるため、強い衝撃や過度な力がかかると欠けたり剥がれたりする可能性があります。特に、硬いものを前歯で噛む習慣や、歯ぎしり、食いしばりの癖がある方は注意が必要です。

さらに、接触の多いバスケットボールなどのコンタクトスポーツをされる方は、マウスガードの使用を検討したほうが良いでしょう。

すべての症例に対応できるわけではない

ラミネートベニアは審美性に優れた治療法ですが、すべての症例に対応できるわけではありません。重度の歯並びの乱れや噛み合わせの問題がある場合、矯正治療が必要になることもあります。

また、虫歯が進行している歯や歯周病が重度の場合は、それらの治療を優先する必要があります。加えて、奥歯は強い力がかかるため、破損リスクから使用できず、セラミックの被せ物での治療など他の治療法の検討が必要です。

保険適用外で費用が高額になる

ラミネートベニアは審美目的の治療であるため、健康保険の対象外となり費用は自己負担になります。1本あたり数万円から十数万円が目安で、複数の歯を治療する場合には総額がさらに大きくなる点に注意が必要です。

ラミネートベニアの種類と素材

ラミネートベニアの治療を受ける女性

ここでは、ラミネートベニアの種類と素材についてご紹介します。

ラミネートベニアの種類

ラミネートベニアにはいくつかのタイプがあり、目的や歯の状態に応じて選択されます。

フルラミネートベニアは歯の表面全体に貼り付ける方法で、色や形を大きく改善できるのが特徴です。パーシャルラミネートベニアはすきっ歯や部分的な欠け、限られた変色などに対応し、歯質をできるだけ残したい方に選ばれています。

さらに、ノンプレップベニアは歯をほとんど削らずに装着できるタイプで、適応症例は限られるものの、歯質保存を重視する場合に有効です。

素材ごとの特徴

ラミネートベニアにはいくつかの素材があり、それぞれに特性があります。

e-max(イーマックス)はガラスセラミックを用いた素材で、透明感が高く天然歯に近い美しさを再現できるため、審美性を重視する前歯にも使用できます。ただし、強度はジルコニアほどではありません。

ジルコニアは非常に丈夫で耐久性に優れており、長期的な使用に安心感があります。透明感はやや劣るため、見た目よりも強度を重視する方に選ばれています。ポーセレンは天然歯に近い色合いや光沢を持ち、審美性に優れていますが、割れやすい点が課題です。

さらに、ハイブリッドセラミックはセラミックとレジンを組み合わせた複合素材で、費用を抑えられること、加工しやすいことが魅力です。ただし、経年劣化や変色の可能性があるため、長期的な審美性を求める場合には注意が必要です。

ラミネートベニアでできる治療

前歯のすきっ歯をラミネートベニアで治療した女性

ラミネートベニアは、前歯に関するさまざまな悩みに対応できます。

前歯のすきっ歯・歯の形の修正

ラミネートベニアは、軽度から中度のすきっ歯や、歯の長さが左右で揃っていない場合、欠けて形が不揃いになっている場合も自然に調整できます。これにより、全体のバランスが良くなるため、口元の美しさが向上します。

軽度の歯並び改善

わずかな歯列不正にも対応できることがあります。矯正のように歯を動かす必要がないため、短期間で見た目を整えられるのが大きな特徴です。ねじれや段差のある前歯も審美的に補正でき、印象を自然に改善できます。

ただし、大きなズレや重度の歯列不正には対応が難しいため、矯正治療が必要になる場合もあります。ラミネートベニアは「短期間で前歯のラインを整えたい」「軽度の歯並びを美しく見せたい」といった希望を叶える選択肢といえるでしょう。

ホワイトニングでは改善しにくい変色の改善

テトラサイクリン(抗生物質)は成長期に服用すると歯の内部に取り込まれ、灰色や茶色、縞模様のような色調変化を引き起こすことが知られています。このようなテトラサイクリンの影響による歯の変色は、ホワイトニングでは十分に改善できないことがあります。

こうしたケースでもラミネートベニアを用いることで、表面を覆い理想的な色合いを再現できます。

ラミネートベニアの費用

ラミネートベニアの費用イメージ

ラミネートベニアは審美目的の治療のため、健康保険は適用されず、一般的な費用は、1本あたりおおよそ5万〜15万円程度が目安です。カウンセリングや歯の削合、型取り、技工による作製、装着までの工程費用を含むのが一般的で、選ぶ素材や医院の方針によって金額が変わります。

e-maxは7万〜12万円程度、耐久性の高いジルコニアは8万〜15万円程度とされることが多い素材です。また、ポーセレンは1本あたり10万〜15万円前後、ハイブリッドセラミックは比較的安価で5万〜8万円程度が一つの目安ですが、いずれも医院により幅があります。

前歯は見える範囲が広いため6〜8本をまとめて治療するケースが多く、6本で30万〜90万円、8本で40万〜120万円ほどになることもあります。複数本をまとめて治療する場合は、本数に応じた割引プランを設けている医院もありますので、詳しい費用は事前に確認しましょう。

ただし、治療を選ぶ際は費用だけでなく、歯科医師の技術、素材の品質、アフターケア体制などを総合的に判断する必要があります。

まとめ

ラミネートベニアで歯が美しなった女性の口元

ラミネートベニアは、歯を大きく削らずに前歯の見た目を整えられる審美治療です。自然な透明感と短期間での治療完了が魅力で、多くの方に選ばれています。

一方で、歯を削るリスクや割れるリスクといった注意点もあり、適応症の見極めが重要です。素材の特徴、治療のメリット・デメリットを正しく理解し、自分に合った方法を選ぶことが大切です。

前歯の見た目や変色にお悩みのある方は、ぜひ歯科医院で相談してみてください。

品川港南歯科・矯正歯科クリニックでは、痛みや施術時間を抑えながら自然な仕上がりの治療を目指しています。マウスピース矯正やセラミック治療、虫歯治療、ホワイトニングなどにも力を入れています。

診療一覧はこちらご予約・ご相談も24時間受け付けておりますので、ぜひご覧ください。

監修医情報

監修医

「患者様に寄り添う、献身的な歯科クリニックを実現したい」そう考え、私は品川港南歯科・矯正歯科クリニックを開院いたしました。

口は、「食べる」「話す」「笑う」と、日常生活に欠かせない大事な存在ですよね。
そして、生活でよく使うからこそ、トラブルに見舞われることも。
だからこそ私たち歯科医師は、患者様の生活や人生を第一に考えた、「献身的」な治療を行っていかなければいけないと思うのです。
そのため私は、「献身的」という言葉の意味の通り、歯科医療に全身全霊で取り組み、患者様のお悩みやご希望をくみ取れる治療を続けています。

どんな些細なことでも結構です。歯のこと、口のことで気になる点、ご不安に感じる点がございましたらお気軽にご相談ください。
患者様、お一人おひとりのお悩みとしっかり向き合う治療を行っていきます。

院長 野島 慶司 Keiji Nojima

経歴

  • 2012
    昭和大学歯学部卒業 昭和大学歯学部、昭和大学高齢者歯科研究員
  • 2013
    神奈川県内の歯科医院にて2年間務めた後、都内へ分院展開のため異動
  • 2015
    新規開院から5年間院長として勤務
  • 2020~現在
    品川港南歯科・矯正歯科クリニック院長として、高齢者治療、審美治療、ホワイトニング治療を中心に従事

医療活動

口腔機能が与える健康への影響や、介護予防の重要性などを学ぶことを目的として、【昭和大学高齢者歯科研究員】として、活動。