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入れ歯は、歯を失った際に機能や見た目を補うための代表的な治療法のひとつです。入れ歯にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴や費用が異なるため、自分にあった入れ歯を選ぶには正確な知識が必要です。
この記事では、入れ歯の主な種類、費用、特徴について詳しく解説します。自分にあった入れ歯を見つける際の参考として、ぜひお役立てください。
入れ歯とは
入れ歯は、歯を失った際に機能や見た目を補うために使用される人工の歯です。食べ物を噛む、話す、笑顔を作るなど、日常生活に欠かせない役割を果たします。
歯を失った状態を放置すると、口腔内の健康だけでなく、顔の形状の変化や全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。そのため、入れ歯は歯科治療における重要な選択肢となります。
総入れ歯と部分入れ歯
入れ歯には、総入れ歯と部分入れ歯があります。総入れ歯は、上下どちらか、または両方の歯をすべて失った場合に使用される入れ歯です。歯ぐき全体に装着し、口腔内の噛む機能や見た目を回復します。
部分入れ歯は、数本の歯を失った場合に使用されます。失った歯の隙間を補い、残っている歯に金属のバネ(クラスプ)を引っ掛けて固定します。失った歯だけを補えるため、軽量であること、取り外しが可能で清掃が容易なことがメリットでしょう。
保険の部分入れ歯の場合、クラスプは金属なので目立つことがあることがデメリットです。
保険が適用される入れ歯と適用されない入れ歯の違い
入れ歯には、保険が適用されるものと適用されないものがあり、それぞれ素材や費用、性能に違いがあります。保険適用の入れ歯は費用が抑えられる一方、自由診療の入れ歯は性能や審美性を追求できます。
以下に、それぞれの特徴を詳しく解説します。
保険が適用される入れ歯
保険が適用される入れ歯は、費用が抑えられることが大きな特徴です。医師の診断に基づき、治療目的で必要と認められた場合に選択できます。
素材は基本的にプラスチック(レジン)で、軽量で加工が簡単ですが、強度や耐久性は自費診療の入れ歯に劣ります。
費用は数千円〜数万円程度が相場です。材料や技術の選択肢が限定されているため、審美性や快適性は追求できません。
標準的な噛む力を回復する機能がありますが、破損・変形しやすい場合があります。3〜5年程度で修理や作り直しが必要になることが一般的です。
保険が適用されない入れ歯(自費診療)
審美性や快適性を求める場合や、特殊な設計や素材が必要な場合は自費診療になります。患者さまが費用を全額負担するため、一般的には10万円〜50万円程度が相場です。選択する素材や構造によって、費用は大きく変動します。
金属床やノンクラスプデンチャーなど、軽量で耐久性に優れた素材が選択されることが多いです。金属床は薄くて軽いため、装着感が良く、口内の違和感が少ないのが特徴です。
自費の入れ歯は耐久性が高く、長期間使用できることが多いです。精密に作られるためフィット感が良く、食事や会話がしやすいことも特徴です。
入れ歯の種類と費用相場
入れ歯にはさまざまな種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあるため、自分に合った選択をすることが大切です。以下に、主な入れ歯の種類とその費用相場、特徴について解説します。
保険適用のレジン床義歯
保険適用の場合、総入れ歯・部分入れ歯ともに 5,000円〜1万円程度で作製可能です。主にプラスチック素材(レジン)で作られ、基本的な機能を備えており噛む力の回復や見た目の補正が可能です。
費用が安く経済的な負担を抑えられること、保険適用のため全国どこの歯科医院でも同じ費用で作製できることがメリットです。
プラスチック素材のため、厚みがあり装着感が劣ることがデメリットとして挙げられます。また、耐久性が低く破損しやすいため、数年ごとに修理や交換が必要になることが多いです。
金属床義歯
金属床義歯は、床部分に金属を使用した入れ歯です。費用は10万円〜50万円以上が相場で、部分入れ歯か総入れ歯か、使用する金属の種類は何かによって変動します。
床部分が金属なので、薄く丈夫に設計できます。金属アレルギー対応の素材を選べる場合もあります。
薄くて軽いため、装着時の違和感が少ないこと、耐久性が高く長期間使用可能なことがメリットです。金属なので熱伝導性が良く、食事の際の温度を感じやすいことも特徴でしょう。
デメリットは、自費診療のため費用が高額になることと、金属アレルギーのリスクがあることが挙げられます。
ノンクラスプデンチャー
ノンクラスプデンチャーは、金属バネ(クラスプ)を使用せず、柔軟性のある特殊なプラスチック素材で作られた部分入れ歯です。費用の相場は、10万円〜30万円程度です。
メリットは、見た目が自然で、金属のバネが目立たないこと、軽量で装着感が良いことでしょう。弾力性があるため、歯や歯ぐきへのダメージも抑えられます。
デメリットは、自費診療のため費用が高額になること、耐久性が金属床義歯に比べて劣ることが挙げられます。汚れが溜まりやすいため、定期的な清掃が必要なこともデメリットに感じるかもしれません。
インプラント義歯(オーバーデンチャー)
インプラント義歯(オーバーデンチャー)は、インプラントを数本埋め込み、その上に入れ歯を固定する方法です。通常の入れ歯よりも安定性が高く、ズレにくいのが特徴です。
費用相場は30万円〜100万円程度です。インプラント本数や入れ歯の種類により大きく変動します。
メリットは、安定性が高く、しっかり噛めること、装着時のズレや違和感が少ないこと、審美性に優れていることが挙げられます。自然な見た目を実現可能でしょう。
高額な費用がかかること、外科手術が必要で治療期間が長くなる場合があること、健康な顎骨が必要なため条件を満たさないケースがあることがデメリットです。
シリコン義歯
シリコン義歯は、床部分にシリコンを使用した柔らかい装着感が特徴の入れ歯です。歯ぐきがデリケートな方や、痛みが出やすい方に選ばれています。
費用相場は10万円〜40万円程度です。歯ぐきへの負担が少なく、痛みを軽減できること、装着感が良いことがメリットでしょう。
デメリットは、耐久性が他の入れ歯に比べて低い場合があること、素材が柔らかいため、汚れが付着しやすく清掃が必要なことが挙げられます。
自分に合った入れ歯を探すポイント
入れ歯を選ぶ際には、口腔内の状態や使用感、見た目、費用などを総合的に考慮することが大切です。ここでは、適切な入れ歯を見つけるために重要な要素を詳しく解説します。
口腔内の状態を考慮する
入れ歯の選択肢は、口腔内の状態に大きく影響を受けます。残っている歯の本数や位置、歯茎の健康状態を確認し、自分に合った入れ歯を選ぶことが重要です。
例えば、健康な歯が一定数残っている場合には、部分入れ歯で対応可能でしょう。特に、ノンクラスプデンチャーは、見た目を重視する方に選ばれています。
すべての歯を失った場合には、総入れ歯が選択肢として挙げられます。歯茎が敏感な場合には、シリコン製など柔軟性の高い素材を選択すると良いかもしれません。
使用感と快適性を重視する
装着感や快適性も、入れ歯選びで重要なポイントです。特に、フィット感が悪いと長時間の装着が苦痛になることがあります。
金属床義歯は、薄くて軽量でありながら強度も高いため、違和感を軽減しやすいです。安定性が高い入れ歯を求める方には、インプラントを利用したオーバーデンチャーが選ばれる傾向にあります。噛む力がしっかりと伝わるため、快適に食事できるでしょう。
見た目の自然さを考える
見た目も、入れ歯選びの重要な要素です。特に、前歯を補う場合には、自然な見た目が求められるためノンクラスプデンチャーなどの自由診療の入れ歯が選ばれることが多いです。
歯の色や形をカスタマイズできるため、患者さま一人ひとりの希望に応じた自然な仕上がりが可能です。
費用と長期的なコストを考慮する
費用は大きな決定要因ですが、初期費用だけでなく長期的なコストも考える必要があります。保険適用の入れ歯は初期費用が抑えられる反面、耐久性が低く修理が必要になる場合があります。
自由診療の入れ歯は高額ですが、耐久性や快適性に優れています。長期間使用することを考えれば、結果的にコストパフォーマンスが良い場合もあります。
歯科医師としっかり相談する
信頼できる歯科医師との相談も欠かせません。歯科医師のアドバイスを受け、自分のライフスタイルや口腔内の状態にあった入れ歯を選ぶことが重要です。また、試用期間を設けて実際の使用感を確かめれば、納得のいく選択が可能になります。
まとめ
入れ歯には保険適用と自費診療のものがあり、使用される素材や機能性、費用に違いがあります。
保険適用の入れ歯は、プラスチック素材を使用し、費用が抑えられるのが特徴です。自費診療の入れ歯は、金属床やノンクラスプデンチャーなど、快適性や審美性に優れた選択肢があります。
特に、金属床は薄く軽量で耐久性が高く、ノンクラスプデンチャーは見た目の自然さに優れています。また、インプラント義歯やシリコン義歯など、さらに高度な選択肢もあり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。
入れ歯の費用は、保険適用では数千円から数万円、自費診療では数十万円以上となり、選択肢によって大きく異なります。自分の予算やライフスタイル、口腔内の状態に合わせて適切な入れ歯を選ぶことが重要です。
品川港南歯科・矯正歯科クリニックでは、痛みや施術時間を抑えながら自然な仕上がりの治療を目指しています。マウスピース矯正やセラミック治療、虫歯治療、ホワイトニングなどにも力を入れています。