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「インビザラインに興味があるけど、日中はマウスピースを装着できないかもしれない」とお悩みの方は少なくありません。
この記事では、インビザラインは夜だけの装着でも大丈夫なのか、装着時間が短くなることでどのような影響があるのかを詳しく解説しています。マウスピースの装着時間でお悩みの方はぜひ参考にしてください。
インビザラインを夜に寝るときだけ装着するのはダメ?
インビザラインを夜に寝るときだけ装着するのでは計画通りに歯を動かせません。インビザライン治療を始める際に、歯科医師から「1日20〜22時間以上はマウスピースを装着するようにしてください」という説明があるでしょう。これは、食事と歯磨きのとき以外、ほぼ1日中マウスピースを装着するということです。
マウスピースを装着することで力が加わり、歯が動きます。マウスピースを1日20〜22時間以上装着することを前提として治療の計画が立てられるため、決められた時間を守って装着しなければ計画通りに歯を動かすことはできないのです。
夜だけとなると、装着時間は10時間前後になってしまい、決められた半分の時間しか装着できないことになります。すなわち、夜間のみしかマウスピースを装着できないのであれば、計画通りに歯を動かせないため、ほとんどの歯科医院でインビザライン治療を断られてしまうでしょう。どうしても夜にしかマウスピースを装着できないのであれば、固定式のワイヤー矯正など、ほかの治療法を検討したほうがいいかもしれません。
インビザラインの正しい装着時間
インビザラインの正しい装着時間は1日20〜22時間以上で、食事や歯磨きのとき以外はほぼ装着している状態です。マウスピースは、1〜2週間後に次のステージの新しいものに交換します。
外食に出かけた日など、いつもより装着時間が短くなってしまうこともあるでしょう。「マウスピースを20時間以上装着できなかった」と慌てる必要はありません。ふだん決められた時間、マウスピースを装着している方であれば、外食などによって装着時間が多少短くなってしまう日があっても大丈夫です。これが1週間以上続いたり、丸1日マウスピースを装着していない日が数日間続いたりしてしまうと、予定通りに治療を進められなくなってしまいます。
インビザラインの装着時間が短いと
マウスピースの装着時間が短い日やまったく装着できていない日が続いてしまうと、治療に支障が出てしまいます。インビザラインの装着時間が短いことによって起こり得るリスクは、以下の4つです。
・予定通りに治療を進められない
・治療期間が延びる
・後戻りを起こしてしまう
・根っこが露出してしまうことがある
それぞれを詳しく解説します。
予定通りに治療を進められない
1日に20〜22時間以上マウスピースを装着することを前提に、1日に歯が動く量を計算しながら治療計画を立てています。そのため、装着時間を守れずにいると治療計画通りに進められません。計画通りに歯並びを整えることができず、満足のいかない結果になってしまうかもしれません。
治療期間が延びる
装着時間が短ければ、歯が動く量が減ってしまい、治療期間が延びてしまいます。最初に予定していた治療期間より長引いてしまうこともあるでしょう。
後戻りを起こしてしまう
装置を装着していない間は、元の歯並びに戻ろうとする「後戻り」を起こしてしまいます。装置をつけていない時間が長ければ長いほど、後戻りが進んでしまうのです。後戻りによって治療が進まないどころか、治療前の元の状態に戻ってしまうケースもあります。
根っこが露出してしまうことがある
マウスピースを装着することで、歯に力がかかり歯を動かします。マウスピースの装着時間が短いまま次のステージのマウスピースに交換すると、想定外の力が加わることで歯茎が下がり、根っこが露出してしまうことがあります。
インビザラインの装着時間を守るために
インビザラインのマウスピースを装着し忘れないよう努めていても、うっかり忘れてしまうこともあります。インビザラインのマウスピースを1日20〜22時間以上きちんと装着するためにはどうしたらいいのでしょうか?
規則正しい生活をする
毎日規則正しい生活をすることで、自然とマウスピースを装着する習慣がついてきます。
しかし、不規則な生活になってしまうとマウスピースを着脱する時間も異なってくるため、つい忘れがちになってしまいます。可能な限り、同じ時間帯に食事や歯磨きをすることでマウスピースの装着を忘れずに済むでしょう。
スマートフォンのリマインダー機能を使用する
マウスピースの装着忘れが心配な方は、スマートフォンのリマインダー機能を使用するのもおすすめです。リマインダー機能を使用し、指定した時間に通知が鳴るようにしておけば、万が一マウスピースの装着を忘れていても気付くことができます。
ふだんからマウスピースの予備を持ち歩く
ふだんからマウスピースの予備を持ち歩くようにしましょう。「朝に歯磨きをするときにマウスピースを外し、そのまま家に忘れてきてしまった」という方が非常に多いです。現在使用しているマウスピースの1つ前、または次に使用する予定のマウスピースを持ち歩くことで、万が一マウスピースを装着せずに家を出てしまったとしても、自宅に戻るまでの間、予備のマウスピースを装着できます。
現在使用していないマウスピースでなくても、装着することで後戻りを防ぐことができます。また、予備のマウスピースを持ち歩いていれば、外出先で紛失・破損してしまっても予備のマウスピースで対応できるでしょう。
保定装置「リテーナー」であれば夜のみでOK
インビザラインだけでなく、ほかの矯正治療でも同じですが、矯正終了後は「リテーナー」と呼ばれる保定装置を使用します。この保定装置を使用しなければ、せっかくきれいになった歯並びが元に戻ろうとする後戻りを起こしてしまいます。保定装置は、矯正後の歯を正しい位置で安定させるために必要不可欠です。保定装置の種類は、以下の3つです。
・歯の裏側にワイヤーを接着するもの
・マウスピースタイプ
・金具のついた取り外しが可能な装置
歯の裏側にワイヤーを接着する保定装置は固定式ですが、ほかの2つは自分で取り外しできる保定装置です。そのため、毎日忘れずに保定装置をつけなければいけません。
保定装置は、きれいになった歯並びを安定させるために使用するので、夜のみの装着で問題ないです。歯に力を加えるものではないため、インビザラインのマウスピースのように、ほぼ1日中装着する必要はありません。
まとめ
インビザライン治療を受けるにあたって、マウスピースの装着時間を守れるかが心配な方もいらっしゃいます。「夜だけならマウスピースを装着できる」という方も中にはいるでしょう。
しかし、インビザラインのマウスピースは1日20〜22時間以上装着する必要があります。食事と歯磨きのとき以外はマウスピースを装着しなければいけません。マウスピースを装着する時間が短ければ、歯に十分な力を加えることができないため、予定通りに歯を動かすことができないのです。治療期間が延びることはもちろん、思い通りの治療結果にならないこともあります。そのため、マウスピースの装着時間を守れないという方は、インビザライン治療を受けられないこともあるでしょう。
「夜しかマウスピースを装着できないけど、歯並びをきれいにしたい」とお考えの方は、固定式で着実に歯を動かすことができるワイヤー矯正を検討しましょう。ワイヤー矯正の見た目が気になる方は歯の裏側に装置を接着する「舌側矯正」という選択肢もあります。歯科医院で納得できるまで相談し、ご自身に合った治療法を選択しましょう。