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2023年05月13日

インビザライン治療を中断しなければならないケースとリスクを解説!

マウスピースを装着しながら笑う女性

インビザライン矯正は、最後までスムーズに治療を進めることが理想ですが、生活環境の変化などが原因で中断せざるを得ないケースがあります。

今回は、インビザライン治療を中断するケースや、中断した際の対処法について解説します。正しく対処することで、さまざまなリスクを軽減できるでしょう。また、治療を中断した際の返金についてもご説明しますので、参考にしてください。

やむを得ない事情で治療を中断しなければいけないケース

頭を抱えて悩む男性

治療を続けたいと思っていても、インビザライン治療を中断しなければいけない場合もあるでしょう。引っ越しや病気など、やむを得ない事情で治療を中断するケースと対処法について解説します。

病気で中断する場合

病気の発覚により、インビザライン矯正を中断するケースがあります。まずは、病気の治療が最優先です。

ただし、病状によっては矯正治療を継続できる場合があります。やむを得ず矯正を中断する場合は、後戻りを防ぐために保定装置を利用しましょう。

主治医には矯正治療中であることを早めに伝え、矯正治療を継続するか中断するか相談してください。病気の治療が矯正治療に影響を与える可能性がある場合は、必ず矯正歯科にも相談しましょう。

転勤や引っ越しにより中断する場合

インビザライン治療において全顎矯正の場合は数年間かかることがあるため、転勤や引っ越しによって治療を中断せざるを得ない場合があります。

転院を希望する場合は、通院中の矯正歯科で転院先を紹介してもらうとよいでしょう。矯正データを引き継ぐことで、転院先でもスムーズに治療を再開できます。インビザライン治療は、マウスピースをまとめて受け取れるため、通院間隔を2~3か月に一度にできます。通院回数を調整しながら、もとの歯科医院で矯正を続けるケースもあるでしょう。

通院間隔は矯正の進行具合によって異なるため、まずは担当の歯科医師に相談しましょう。

留学のため中断する場合

数か月の短期留学では、インビザライン治療を中断せずに継続できる場合があります。長期留学の場合は、矯正治療を一時中断するか、辞めるかを選ぶ必要があります。

早めに対応することで、保定装置を製作して、後戻りなどのトラブル防止が可能です。留学が決まった場合はすぐに歯科医院に相談し、最適な対応策を見つけましょう。

妊娠・出産のため中断する場合

インビザライン矯正は、基本的に妊娠中や出産後も続けることが可能です。

しかし、妊娠中はつわりや体調不良でマウスピースの装着が難しい場合もあるでしょう。また、妊娠中はホルモンのバランスが崩れ、妊娠性歯肉炎にかかりやすいです。歯茎の腫れや出血といった症状が出るため、マウスピースの使用には注意が必要です。出産で通院できないケースや育児が忙しくマウスピースの装着時間を守るのが難しいケースもあるでしょう。

マウスピースの使用が難しい場合は、固定式のリテーナーに変更することも可能ですが、歯並びの状態によっては、適応できないこともあります。一時中断する場合でも、個々の状況に合わせて歯科医院が対応します。いつの間にかマウスピースがはまらなくなってしまったという場合は、再治療が必要です。再治療になる際は、追加費用がかかります。

トラブルを避けるためにも自己判断はせずに、まずは担当の歯科医師に相談しましょう。

ご自身の都合で治療を中断したいケース

多くの人から仕事を渡されて困っている男性

インビザライン治療では、マウスピースの取り外しが可能なため、患者さまの自己管理が重要です。保護者の方の希望で矯正を始めた場合などは、患者さま本人のモチベーションが保てず、治療を中断したいと訴えるケースがあります。

仕事の都合上、装着時間を確保できない

インビザライン治療では、歯をスムーズに動かすために、1日20〜22時間マウスピースを装着する必要があります。

しかし、人前で話す職業の方などはマウスピースを外すことが多く、装着時間を守れない場合もあるでしょう。また、外出が多く、食事のたびにマウスピースを取り外すのが難しいケースもあります。

その場合は、ワイヤー矯正に変更することで矯正がスムーズに進みます。裏側矯正にすれば、他人に矯正装置を見られる心配もありません。

ただし、通院中の歯科医院によっては、ワイヤー矯正に対応できない場合もあるため、確認するとよいでしょう。

マウスピースをつけ忘れて治療が進まない

夜には疲れてすぐに寝てしまう、朝は忙しいためマウスピースをつけ忘れるなど、マウスピースをつける習慣が定着しない方がいます。特に学生の場合、マウスピースのストレスで勉強や部活に支障が出てしまい、矯正治療を中断するケースがあります。

インビザライン治療は、矯正の進行度が患者さまの自己管理に左右されるものです。矯正を始める前に矯正の必要性について理解し、モチベーションを保つことが重要です。

痛みが強く継続できない

インビザライン矯正は、ワイヤー矯正に比べて痛みが少ないといわれていますが、なかには痛みやマウスピースの不快感が強く、継続できない方がいます。また、インビザライン治療でも、最後にワイヤーや顎間ゴムを併用することがあります。これらの補助装置の併用を知らずにインビザライン矯正を始め、途中で中断したいと感じる方もいるでしょう。

矯正を中断するにはリスクがあるため、開始する前に矯正治療について十分に理解する必要があります。歯並びには個人差があるため、矯正に使用する器具や治療期間も異なります。知人の矯正やネット上の矯正例を参考にした場合でも、ご自身の歯の状態や矯正の流れについて詳しく確認しましょう。

インビザライン治療を途中で中断した場合のリスク

RISKと書かれた木のブロックを虫眼鏡で拡大して見ている

インビザライン治療を途中で中断した場合のリスクは、歯並びが整わないことだけではありません。

以下、詳しく解説します。

歯並びが後戻りする

ある程度歯がきれいに並んだからといって、自己判断で矯正を中断することは危険です。見た目はよくても、噛み合わせがずれている場合があるためです。また、矯正後は保定装置を使用しなければ、後戻りを起こします。一度、後戻りしてしまうと再度矯正が必要です。

矯正には、骨や歯が吸収されるなどのリスクが伴うため、矯正を何度も行うことはよくありません。インビザライン治療を中断する場合には、リスクが伴うことをしっかり理解しましょう。

噛み合わせがずれて全身に悪影響が出る

矯正治療中は、歯を動かすため噛み合わせがずれます。途中で矯正を中断し、噛み合わせがずれたまま放置すると、顎関節症や体のゆがみなど、全身に悪影響を及ぼす可能性がないわけではありません。また、抜歯後にすき間ができたまま放っておくと、隣の歯が傾いて歯周病が進行する場合もあります。

矯正を自己判断で中断することは危険です。中断する場合は、歯科医院で対応してもらうことでトラブルを予防できるため、必ず歯科医院に相談しましょう。

再開する場合、矯正期間が延びるケースがある

矯正を中断したあとに再び矯正を開始すると、当初の計画より矯正期間が長くなることがあります。歯並びを修正するには、長期的な矯正が必要であり、治療の難易度も高くなるでしょう。

また、強い力をかけると歯や骨に負担がかかり、トラブルの原因になるため、慎重に矯正を行う必要があります。歯並びの状態が変化しているため、再度検査を行い、追加費用が必要になる可能性があることを覚えておきましょう。

インビザライン治療を中断したら返金される?

手帳や領収書を見ながら頭をかかえる男性

インビザライン治療を中断した場合、払ったお金がどうなるのか心配な方も多いでしょう。

以下、治療を中断した場合に返金されるのかどうか、中断する際に確認するべき点などを解説します。

基本的には規定に沿って返金される

日本矯正歯科学会の会員である矯正歯科医院では、治療の中断や転院の際は、治療段階に応じた返金や引き継ぎが定められています。

ただし、インビザライン治療は日本の薬機法では医療機器として承認されておらず、医薬品副作用被害救済制度の対象外です。返金については、歯科医院が独自に規定している場合もあります。詳しい内容を知りたい方は、矯正の契約書を確認するか、歯科医院に問い合わせるとよいでしょう。

一時中断する場合、保証期間の確認が必要

インビザライン治療には保証期間があります。保証期間内であれば、一度治療を中断しても、再治療が可能です。

ただし、保証期間の長さは契約プランによって異なります。また、治療を再開するための精密検査や診断にかかる費用については、追加で必要な場合があります。ご自身でしっかり確認しましょう。

転院する場合、通院していた歯科医院での手続きが必要

インビザライン矯正中に転院するためには、通院中の歯科医院から治療経過や検査資料を転院先に引き継ぐ手続きが必要です。転院先で、インビザライン矯正と併用してワイヤー矯正が必要な場合、追加費用が発生することがあります。細かい費用の内訳については、矯正治療の進行状況によって異なります。

転勤や出産など、インビザライン治療を途中で中断する可能性がある方は、治療開始前に契約内容を詳しく確認しましょう。

まとめ

マウスピースを持って前に差し出す女性

インビザライン矯正を中断する場合、歯並びや費用など多くの面でリスクを伴います。そのため、矯正治療は1つの歯科医院で完了することが望ましいです。やむを得ず中断する場合でも、歯科医院に相談することでトラブルを防止できます。

転院などの手続きをスムーズに行うためにも、信頼できる矯正歯科を選ぶことが大切です。