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でこぼこした部分がないマウスピースを使うインビザライン矯正は、ワイヤー矯正に比べると口内炎ができにくいといわれている治療法です。そのため、口内炎ができやすい方に向いている矯正治療です。
しかし、インビザライン治療中にまったく口内炎ができないわけではありません。インビザライン治療中に口内炎ができるほとんどの原因は、マウスピースの縁がとがっていることで、粘膜を傷つけてしまうことです。インビザライン治療中に口内炎ができたら、まずは歯科医院を受診し、マウスピースを調整しましょう。
今回は、インビザライン治療中に口内炎ができる原因や対処法について解説します。予防法も解説しているので、口内炎ができやすい方はぜひ参考にしてください。
インビザライン治療中は口内炎ができやすい?
インビザライン矯正は、ワイヤー矯正に比べて口内炎ができにくいといわれています。
ワイヤー矯正は、ワイヤーやブラケット部分など、でこぼこした部分が多いため、歯茎や頬、唇などに口内炎ができやすいです。また、目立ちにくい舌側矯正(歯の裏側にワイヤーがくる矯正治療)も、舌に装置やワイヤーがあたりやすいので、口内炎ができやすくなります。
その点、でこぼこした部分のないマウスピースを使うインビザライン矯正は、従来の矯正治療と比べ、口内炎ができにくい矯正治療です。
アタッチメントが原因で口内炎ができることはある?
アタッチメントは、歯の表面に直接つける白い突起物のことです。アタッチメントをつけることで、歯とマウスピースを密着させ、効率的に歯を動かせます。
インビザライン矯正は、食事や歯磨き以外、ほとんどの時間、マウスピースを装着している状態です。アタッチメントは、マウスピースをはめることで覆われるため、頬や唇にあたっても痛みの原因になりません。そのため、アタッチメントが口内炎の原因となることは少ないです。
インビザライン治療中に口内炎ができてしまったら
でこぼこした部分の少ないマウスピースを使用するので、インビザライン矯正は口内炎ができにくい矯正治療です。
しかし、全く口内炎ができないわけではありません。ここでは、インビザライン治療中に口内炎ができてしまった際の対処法を4つご紹介します。
マウスピースを調整してもらう
インビザライン矯正で口内炎ができてしまうほとんどの原因は、マウスピースの縁があたることで、粘膜を傷つけてしまうためです。マウスピースの縁にとがっている部分があると、粘膜部分に繰り返しあたって、口内炎ができます。そのため、マウスピースをはめたときにあたりやすい唇の内側や頬、舌に口内炎ができやすいです。
インビザライン治療中に口内炎ができた場合は、まずは歯科医院を受診し、マウスピースを調整しましょう。マウスピースのとがっている部分を研磨・調整することで、口内炎の原因を取りのぞくことができます。
口内炎は1~2週間で自然に治るので、マウスピース調整後は様子をみましょう。口内炎が痛いからといって、マウスピースをはめない時間が長いと、後戻りや治療計画どおりに歯が動かない原因になるため、注意が必要です。
インビザライン矯正は、1日20~22時間、食事や歯磨きの時間以外にマウスピースを装着することを前提に治療計画を立てています。マウスピースをはめない時間が多くなってしまうと、歯が後戻りし、マウスピースをはめられなくなることがあります。また、治療計画どおりに歯が動かないことで、マウスピースの追加など治療計画の修正が必要となるかもしれません。
治療を順調にすすめるために、口内炎ができたら放っておかずに、歯科医院を受診しましょう。
口内炎の薬を使用する
マウスピースを調整してもらっても、すぐに口内炎が治るわけではありません。口内炎は早くても数日、長くて2週間かけてゆっくり治ります。
マウスピースを調整しても痛みが続く場合や、すぐに歯科医院を受診できない場合は、口内炎用の薬を使用しましょう。薬は歯科医院で処方してもらうのが基本ですが、市販で売っているものでかまいません。軟膏タイプの場合は、指で塗布するよりも、清潔な綿棒を使用しましょう。
また、すぐに歯科医院を受診できない場合は、パッチタイプがよいでしょう。絆創膏のようなパッチを口内炎に貼ることで、歯や舌が直接口内炎にあたるのを防ぎ、食事や歯磨きの痛みの緩和が期待できます。
刺激物をさける
口内炎は、刺激のあるものを食べると痛みを感じやすくなります。カレーなどのスパイスを使ったもの、キムチ、柑橘系のフルーツなど、辛いものや熱いもの、すっぱいものはさけてください。
刺激がある食べ物は、口内炎が悪化する原因になります。口内炎が治るまでは、シチューやリゾット、茶碗蒸し、ヨーグルトなど、とろみのあるものや、やさしい食事を選びましょう。
歯磨きで口内を清潔に保つ
お口の中に汚れが溜まったままだと、細菌が繁殖し、口内炎の悪化の原因となります。
口内炎に歯ブラシがあたると痛いかもしれませんが、なるべく毎食後に歯磨きしましょう。歯磨きが難しいときは、刺激の少ないうがい薬を使用してください。
痛いからといって、適当に歯を磨くと、虫歯や歯周病、口臭の原因となります。口内炎ができているときは、こまめな歯磨きでお口の中を清潔に保つのが重要です。
口内炎の予防法
口内炎ができる原因は、マウスピースがあたっていること以外に、生活習慣の乱れが考えられます。インビザライン治療中に口内炎を予防するには、食生活、ストレス、睡眠時間を見直し、規則正しい生活を送ることが重要です。
ここでは、口内炎を予防する方法を3つご紹介します。
バランスのよい食生活
偏った食生活による栄養不足は、口内炎の原因となります。口内炎の予防や治りを早くさせるために、ビタミンを意識してとりましょう(特にビタミンB₂、B₆、C)。
<ビタミンB₂、B₆、Cが含まれる食材>
ビタミンB₂ | 豚肉、牛乳、ブロッコリー、卵など |
ビタミンB₆ | 赤みの魚やささみ、バナナなど |
ビタミンC | ピーマンやキウイなどの野菜やフルーツ、イモ類など |
このように、ビタミンは肉類や野菜、フルーツに含まれているので、バランスのよい食生活を心がけることが大切です。また、食事だけでとるのが難しい場合は、サプリメントを使用しましょう。
ストレスをためないこと
仕事や家事、環境の変化など、どんな方でも生きていくうえでストレスを感じるのは仕方がないことです。ストレスをため込むと免疫力の低下を引き起こすので、口内炎を発症するきっかけとなります。
どれだけ忙しくてもほっと一息つける時間をもつように意識し、趣味や運動でストレスを発散しましょう。
睡眠時間の確保
睡眠不足は、肌荒れや免疫力の低下を引き起こすため、口内炎の原因となります。睡眠不足が続くと口内炎の治りが悪くなるだけでなく、疲労感がとれない、風邪をひきやすくなるなど、健康への影響も考えられます。
毎日6~8時間は、睡眠時間を確保するように心がけましょう。
まとめ
でこぼこした部分のないマウスピースを使うインビザライン矯正は、ワイヤー矯正に比べると口内炎ができにくいといわれている治療法です。アタッチメントがあっても、マウスピースをつければ覆われるので、粘膜を刺激することはありません。
しかし、インビザライン治療中に全く口内炎ができないわけではありません。インビザライン治療中に口内炎ができるほとんどの原因は、マウスピースの縁がとがっていることで粘膜を傷つけてしまうことです。 インビザライン治療中に口内炎ができたら、まずは歯科医院を受診し、マウスピースを調整しましょう。すぐに歯科医院を受診できないときは、歯磨きで口内を清潔に保ち、口内炎用の薬を使うなどで対処してください。