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矯正を検討する際に、装置が目立ちにくい「インビザライン」を希望される方が多いですが、失敗例や後悔している方の話を聞くと不安になる方も多いでしょう。
しかし、インビザライン治療の正しい知識を身につけていれば、失敗を事前に防ぐことができます。
この記事では、インビザラインの7つ失敗例と失敗しないための5つの対策をご説明しています。この記事の内容を理解していればインビザライン矯正に満足できるはずです。
インビザラインの7つの失敗例
歯並びを美しくするためにインビザライン矯正をしたのに「失敗してシュミレーションどおりの結果にならなかった」「インビザライン矯正なんてしなければ良かった」と後悔される方は実際にいます。
実は、インビザライン矯正は「インビザライン導入コース」を受講している歯科医師が在籍していれば、どの歯科医院でも導入できるのです。すなわち、経験の浅い歯科医師もインビザライン矯正を行っているケースが多いともいえます。とはいえ、失敗例はすべて歯科医師が原因というわけではありません。マウスピースを指導されたとおりに装着できていなければ、当然ながらシュミレーションどおりの結果にはなりません。インビザラインは装置を取り外しできる分、ワイヤー矯正よりもご自身の努力が必要です。
より詳しく、インビザラインの失敗例を7つご紹介します。
歯茎が痩せた
インビザライン矯正をしたことで「歯茎が痩せてしまった」「歯根が露出した」などの声も少なくありません。
これはインビザラインに限らず、ワイヤー矯正でもあり得ることです。矯正は、歯に力をかけて歯槽骨の吸収・再生を繰り返し、歯を動かします。力がかかりすぎることで、歯茎が痩せて歯根面が露出してしまうことがあるのです。
特にインビザラインは、コンピューター上の計算でシミュレーションが行われるので、実際は無理な力がかかってしまうこともあります。インビザライン矯正の経験を積んできた歯科医師なら対策を取れますが、経験の浅い歯科医師の場合、気付かずに失敗してしまうこともあるのです。歯茎が薄い方や歯周病の方は、特に歯茎が下がってしまう傾向にあります。
想像通りの歯並びにならなかった
インビザラインは、矯正を始める前にシュミレーションで治療結果を確認できますが「想像通りの歯並びにならなかった」という方も多いです。
原因は、以下の3つが考えられます。
・インビザライン矯正向きの症例ではなかった
・歯科医師と患者様が描くゴールの相違
・指導されたとおりに装置を装着していなかった
インビザラインはすべての症例に適応できるわけではありません。歯科医師は最初に検査を行い、インビザラインでの治療が可能か診断します。その際に間違った診断を行うと、思い通りの結果にならないことがあります。また、歯科医師と患者様が理想とするゴールに違いがある可能性もあります。
コミュニケーション不足で満足のいかない結果にならないためにも「どのようなことに悩んでいて、どうなりたいのか」をはっきりと伝えておくべきです。
噛み合わせの不調
インビザラインに限らず、矯正治療は歯並びを治すだけではありません。全体の噛み合わせも考慮して治療を進める必要があるのです。適切な方法で治療が行われれば噛み合わせが悪くなることはありませんが、見た目の歯並びを重視したことで噛み合わせが悪くなってしまったという失敗例もあります。
虫歯や歯周病になった
インビザラインは、装置を取り外しできる分、ワイヤー矯正に比べると虫歯や歯周病になるリスクは低いです。
唾液には歯の表面の汚れを洗い流す「自浄作用」がありますが、インビザラインの装置を装着していると、この自浄作用効果が妨げられるので、虫歯や歯周病のリスクは少なからずあります。ワイヤー矯正よりもケアはしやすいですが、リスクがあることを理解したうえで日頃の歯磨きをしっかり行うことが大切です。
治療期間が長くなった
矯正治療には、歯を並べるスペースを確保するために、抜歯のほかにも歯と歯の間を薄く削る方法もあります。予定よりも多く削ってしまうと歯の移動距離が増えてしまうので、治療期間が長くなってしまいます。
また、装着時間を十分とらないと治療が進まず、予定していたよりも治療期間が延びることもあります。
治療後に歯並びが元に戻ってしまった
矯正治療が終了し、美しい歯並びになったとしても、歯は元の位置に戻ろうとします。これはインビザラインだけでなく、ほかの矯正治療でも同じです。せっかく長期間の治療を頑張り美しい歯並びになったのに、元の状態に戻ってしまうのは避けたいところです。
矯正治療終了後は「リテーナー」という保定装置を装着し、歯を新しい位置に固定させる必要があります。このリテーナーを十分な時間装着していなければ、整った歯並びが崩れてしまうので要注意です。
顎関節症になってしまった
インビザライン矯正を受けた後に顎関節症になってしまう方もいます。これは、噛み合わせが原因と考えられます。噛み合わせが合わず顎に負担がかかった結果、顎関節症になってしまうのです。
見た目だけでなく、噛み合わせも考慮した治療計画が必要です。
インビザラインで失敗しないためにすべきこと5つ!
インビザラインの失敗例をご紹介しましたが、治療を受ける前に対策しておくことで失敗を回避できます。ここでは、インビザラインで失敗しないためにすべき5つのことをご説明します。
歯科医院選びは慎重に行う
インビザライン治療を受ける際は3Dシミュレーションで確認できるので「どこで治療をしても同じ」と考える方が多く、治療費だけに着目して、より安い歯科医院を選ぶ方も少なくありません。
インビザラインは、どの歯科医院で治療しても同じではありません。まずは最初の診断によっても大きく左右されます。インビザラインが適用可能な症例なのか、どういった治療計画を立て、最終的な歯並びはどうするのかがとても重要なのです。また、インビザラインだけでの治療が困難になる場合もあります。その際はワイヤー矯正で調整することもあるので、矯正全般の知識・技術・経験が必要です。
金額だけで選ぶのではなく、インビザライン矯正の経験が豊富で信頼できる歯科医院を選びましょう。
指導された通りに装置を装着する
インビザライン矯正は、自分自身の努力も必要です。何もしなくても勝手に歯を動かしてくれるわけではありません。マウスピースを取り外しできる分、正しく装着しないと治療は進みません。
インビザラインは、1日20〜22時間以上マウスピースを装着する必要があります。歯科医院で指導されたとおりの装着時間を守ることで失敗を回避し、予定通りの治療経過を辿れます。
歯磨きなどのケアを怠らない
インビザラインは取り外し可能なマウスピースを装着するので、歯磨きは通常通りに行えます。
しかし、マウスピースをつけている間は唾液の自浄作用の効果を十分に得られず、虫歯・歯周病のリスクはあるのです。装置を取り外してブラッシングを行えるのは最大のメリットですから、毎日のお口のケアを忘れないようにしましょう。
不明点や分からないことは歯科医師に相談する
歯科医師とのコミュニケーションはとても大切です。「自分はどんなことに悩んでいて矯正をしたいのか」「どのような結果になりたいのか」を歯科医師に伝えることで、目指すゴールを共有できます。また、不安に思うことや分からないことがあった時に相談できる環境も大切です。
いくら有名な歯科医師でも、コミュニケーションを取れず相談もできない関係性であれば治療に満足できないでしょう。歯科医師との相性は非常に大切ですので、信頼できる歯科医院で治療を受けましょう。
保定装置をしっかりと装着する
インビザラインに限らず、矯正は「治療が終了したら終わり」ではありません。後戻りを防ぐために、治療終了後もしばらくは保定装置をつける必要があります。これを怠ってしまうと、せっかく頑張った治療が台無しになってしまいます。
治療終了後も美しい歯並びを維持するために、保定装置の装着を継続しましょう。
まとめ
インビザラインで失敗して後悔している方がいるのは事実です。失敗の原因はさまざまで、歯科医院選びは非常に重要ですが、すべてが歯科医師の責任ではありません。患者様ご自身も装置の装着時間を守ったり歯磨きなどのケアを頑張ったりしなければ、思い通りの結果には繋がらないのです。
この記事でご紹介したインビザラインで失敗しないための5つの対策を参考にして、満足できるインビザライン治療を行いましょう。