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インビザラインで前歯のねじれを治したいとお考えの方が多くいらっしゃるかもしれません。インビザラインは透明なマウスピースを使用することから目立ちにくい矯正方法として人気があります。
ただし、すべての症例に対応できるわけではありません。また、注意点もあるので事前に理解しておくことが大切です。
この記事では、インビザラインで前歯のねじれは治せるのか解説します。インビザラインを選択するメリットや注意点、期間、費用についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
前歯がねじれているとどんなリスクがある?

歯が生えるスペースが狭いと、前歯がねじれて生えてくることがあります。目につきやすい前歯の歯並びが悪くなることで、見た目にだけ影響が出ると思われるかもしれません。
しかし、審美的な問題以外にも、以下のようなさまざまなリスクがあるため注意が必要です。
虫歯や歯周病になるリスクが高まる
健康な歯並びの場合、隣の歯とはわずかに接する程度です。
しかし、前歯がねじれて生えていて、歯と歯が重なっていると、食べかすが詰まりやすくなります。さらに、歯ブラシで磨こうとしても毛先が入りづらく、汚れが溜まりやすいです。そのため、汚れが残った状態が続くと、細菌が繁殖して、虫歯や歯周病になるリスクが高まります。
虫歯・歯周病になると自然には治りません。また、汚れが溜まった状態が続くと、口臭がきつくなることもあるでしょう。
噛み合わせが悪くなる
前歯がねじれていると、噛み合わせにも影響が及ぶ可能性があります。噛み合わせが悪い状態が続くと、顎関節に負担がかかり、顎関節症を引き起こす可能性もあるでしょう。
食べ物を噛み切れない
前歯がねじれていると、食べ物を噛み切ることが難しくなります。食べ物を咀嚼できないまま飲み込み、内臓に運ばれると、消化不良を起こす可能性もあるでしょう。
見た目がコンプレックスになる
前歯がねじれて生えていると、歯と歯の間にすき間ができたり、でこぼこした歯並びになったりすることがあります。
特に、前歯は人目につきやすいため、人によってはコンプレックスになることもあるでしょう。人前で話したくない、口元を手で隠すなど、コミュニケーションに自信が持てなくなることも少なくありません。
インビザラインで前歯のねじれは治せる?

インビザラインでは、軽度〜中等度の前歯のねじれであれば治療可能です。インビザラインでは、マウスピースを1日20〜22時間装着し、歯並びを整えます。
前歯がねじれている場合、歯を並べるスペースが足りないことが多いです。このような場合、前歯のみを動かそうとすると、歯が前に突出することがあります。そのため、前歯のねじれを治す場合、スペースを作りながら歯並びを整えることが一般的です。
前歯を動かすスペースがある場合や噛み合わせに問題ない場合は、部分矯正で治療できるケースもあります。
ただし、骨格に問題があるケースや重度のねじれである場合、インビザラインでは対応できないことがあります。このような場合は、ワイヤー矯正などの別の方法で対応する可能性が高いです。
インビザラインを選択するメリット

前歯のねじれをインビザラインで治すメリットは、以下の5つです。
装置が目立ちにくい
ワイヤー矯正の場合、歯の表面に装置が固定されることで、目立つことがあります。
その点、インビザラインでは、透明なマウスピースを使用するため、口をあけても目立ちにくいのです。そのため、接客業や営業職の方、矯正治療中の審美性を損ないたくない方に選ばれています。
装置の取り外しができる
ワイヤー矯正では、固定式の装置を使用します。装置の取り外しができないため、食事制限があったり歯磨きがしづらかったりするのがデメリットです。
その点、インビザラインで使用するマウスピースは取り外しができます。食事の際にもマウスピースを取り外せるため、制限なく食事を楽しめます。また、ふだんどおりに歯磨きができるため、お口の中を清潔な状態に保ちやすく、虫歯や歯周病になるリスクも軽減できます。
違和感や痛みが少ない
ワイヤー矯正の場合、歯1本ずつに装置を固定するため、強い力がかかりやすいです。効果的に歯を動かすことができますが、違和感や痛みが生じやすい点はデメリットといえます。
その点、インビザラインではマウスピースを装着・交換しながらゆっくりと歯を移動させるため、痛みが出にくいといわれています。また、使用するマウスピースは薄く滑らかであるため、装着時の違和感も少ないです。そのため、痛みに弱い方にも選ばれています。
金属アレルギーの方でも安心
インビザラインで使用するマウスピースは、金属を一切使用していません。そのため、金属アレルギーのリスクがある方でも、安心して治療を受けていただけるでしょう。
通院回数が少ない
ワイヤー矯正では、1ヵ月に1回ほどの頻度で歯科医院を受診して、歯科医師にワイヤーを調整してもらう必要があります。
一方、インビザラインでは患者さん自身でマウスピースを装着・交換しながら治療を進めます。装着時間や交換時期の管理は必要になるものの、頻繁に通院する必要はなく、2ヵ月に1回の頻度で診察を受けるケースが一般的です。
仕事などで忙しい方にとって、通院回数が少ない点は大きなメリットといえます。
インビザラインを選択する場合の注意点

ここでは、前歯のねじれを治す際にインビザラインを選択する場合の注意点について解説します。
装着時間を厳守しなければいけない
インビザラインでは、マウスピースを1日20〜22時間装着するということを前提に、治療計画が立てられています。
しかし、装着時間が短かったり、交換時期を守らなかったりすると、計画どおりに歯を動かすことができないのです。これによって、マウスピースの追加が必要になったり、治療が長期化したりする可能性があります。
計画どおりに治療を進めるためには、患者さん自身で装着時間や交換時期を管理することが欠かせません。
変形・破損する可能性がある
インビザラインのマウスピースは薄くてやわらかいため、強い力がかかると変形・破損することがあります。紙に包んでテーブルに置く、ポケットに入れておくなどすると、誤って破棄する可能性もあるでしょう。
変形・破損を起こしたマウスピースは使用できず、再作成が必要になります。追加で費用が発生するうえ、治療期間が延びることもあるため、適切に保管する必要があるのです。
追加で治療が必要になることがある
前歯を動かすのにスペースが足りない場合には、追加で治療が必要になることがあります。例えば、IPRという歯を削る処置や抜歯などです。これらの処置を行うことで効率的に前歯のねじれを改善できるようになりますが、健康な歯を傷つけることには変わりありません。
メリット・デメリットがあるため、治療の前に歯科医師に確認のうえ、検討するのがよいでしょう。
インビザラインで前歯のねじれを治すときにかかる期間

前歯のねじれを治すのにかかる期間は、軽度であれば半年〜2年程度が一般的です。噛み合わせに問題がなく、前歯を動かすスペースが足りている場合には、部分矯正で対応できるケースもあります。ごく軽度の前歯のねじれであれば、3ヵ月〜半年程度で改善できる場合もあるでしょう。
反対に、噛み合わせに問題がある場合やスペースが足りない場合には、全体的な治療が必要になり、治療が長くかかる傾向にあります。また、マウスピースの自己管理を怠ると、治療期間が長引く可能性があるので注意が必要です。
お口の状態によって治療期間は異なりますので、具体的な期間については歯科医師にご相談ください。
インビザラインで前歯のねじれを治すときにかかる費用

前歯のねじれを治すのにかかる費用は、約30万円〜120万円が一般的です。噛み合わせに問題がない場合や前歯を動かすスペースがある場合には、部分矯正で対応できるケースもあり、費用が抑えられる傾向にあります。
ただし、部分矯正ができるかどうかは、お口の状態によって異なります。また、自費診療になるため、歯科医院によって料金設定は異なります。具体的な費用については、歯科医院で確認してください。
まとめ

前歯のねじれが軽度もしくは中等度であれば、インビザラインでも治療可能です。インビザラインでは透明なマウスピースを使用するため目立ちにくく、取り外しができるのでふだんどおりに食事や歯磨きができます。
ただし、マウスピースの自己管理が必要になるため、装着時間を守らなければ治療がうまく進まないことがあります。また、前歯のねじれが重度な場合には、インビザラインの適応とならないことを理解しておきましょう。
インビザラインの治療内容や費用、治療期間について詳しく知りたい方は、歯科医院でご確認ください。
品川港南歯科・矯正歯科クリニックでは、痛みや施術時間を抑えながら自然な仕上がりの治療を目指しています。マウスピース矯正やセラミック治療、虫歯治療、ホワイトニングなどにも力を入れています。