セラミック歯は、自然な見た目と高い耐久性から、昨今選択される方が増えています。
しかし、まれにセラミックの歯が割れるトラブルが起きることもあります。セラミック歯が割れる原因はさまざまで、適切に予防すれば長く使い続けることができるでしょう。
本記事では、セラミック歯が割れる主な原因やトラブルが起きた際の対処法・保証の有無や割れを防ぐための予防法について解説します。セラミックの歯のトラブルを未然に防ぎたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
セラミックの歯の特徴
セラミック歯は再現性に優れており見た目が美しいことから、審美的な面で非常に人気がある治療法です。金属を使用しないため金属アレルギーの心配もなく、表面が滑らかなため汚れが付きにくいことも特徴です。
セラミック歯は、前歯など目立つ部分に使用されることが多く、審美性を重視する方に選ばれています。
しかし、セラミック歯には注意点もあります。衝撃には弱い性質があるため、硬い食べ物を噛んだり、強い衝撃を受けたりすると、セラミック歯が割れることがあるでしょう。費用も保険適用外の治療となるため高額になります。
セラミック歯は適合性も高く、天然歯に近い感触を得られますが、割れるリスクや費用が高額になることを考慮する必要があります。
セラミックの歯が割れる原因
セラミックの歯は見た目が美しく耐久性も高いですが、特定の条件下で割れることがあります。以下に、セラミックの歯が割れる原因を解説します。
強い衝撃や圧力がかかった
素材に十分な硬さがある分、衝撃や圧力には弱いです。そのため、硬い食べ物を噛んだり、強く歯をかみしめる、事故などで外から強い衝撃が加わるなど、セラミック歯に過度の負担がかかると割れるリスクが高まります。
歯ぎしりや食いしばりの習慣がある方は、リスクが高くなるでしょう。
噛み合わせが悪い
噛み合わせのバランスが悪いと、セラミック歯に不均等な力がかかります。歯がしっかり噛み合っていないと特定の部分に負担が集中し、その部分のセラミック歯が割れる原因になりかねません。
治療後に噛み合わせをしっかり調整し、負担を均等に分散させることが重要です。また、口内の環境は常に変化するため、定期的に噛み合わせの確認をおこなう必要があります。
セラミックの製造不良や加工ミス
セラミック歯が割れる原因には、製造過程での不良や加工ミスも含まれます。精密に作られるセラミック歯ですが、製作時に微細なひび割れができたり、内部の密度が均一でない場合、後の割れやすさにつながることがあります。
費用だけでなく、技術面など信頼できる歯科医院で治療を受けることが大切です。
土台となる歯の状態が悪い
土台となる歯の状態も関係しています。残っている歯の量が少ない場合など、土台となる歯の状態が悪いと、その上にセラミック歯を装着しても十分な支持が得られない可能性が高いです。
歯の根が弱っていると、セラミック歯にかかる力が大きくなるため、結果として歯やセラミックが割れてしまうことがあります。
セラミックの経年劣化
セラミックは非常に耐久性が高い素材ですが、時間の経過とともに少しずつ劣化することがあります。過去に強い力が加わっていると、微細な亀裂が入ってしまうこともあるでしょう。
微細な亀裂が日常生活で徐々に広がり、結果として割れるケースもあります。定期的に歯科医院を受診して確認してもらうことが大切です。
セラミックの歯が割れたときの対処法
セラミック歯が割れた状態を放置すると、損傷が悪化したり周りの歯や歯茎に影響を与えることがあります。歯科医院を受診するまでの間の正しい対処法を知っておくと、症状の悪化を防ぎスムーズに治療を受けることができるでしょう。
以下に、セラミック歯が割れたときの対処法を紹介します。
割れた破片を保管する
セラミック歯が割れとき、破片がある場合は捨てずに清潔な容器にいれて保管しましょう。割れた破片が歯科医院での治療に役立つ場合があります。
小さな破片でも割れた原因を探る際に役立つことがあるため、できるだけ集めて歯科医院に持っていくと良いでしょう。
患部を清潔に保つ
割れたセラミックの歯の周囲には、汚れや食べカスが溜まりやすくなります。そのまま放置すると細菌が繁殖し、歯茎の炎症や虫歯が進行する原因になりかねません。
割れた部分は、柔らかい歯ブラシを使って優しく清掃して、清潔な状態を保ちましょう。強い力でゴシゴシと磨くと組織を傷つけることがあるので注意してください。
割れた部分を保護する
割れた部分が尖っている場合、頬や舌を傷つける恐れがあります。歯科医院を受診するまでの間、歯科用のワックスや清潔なガーゼで割れた部分をカバーしましょう。
また、割れた部分が痛む場合は市販の痛み止めを服用して、なるべく安静に過ごしましょう。
硬いものや粘着性のある食べ物は避ける
割れたセラミック歯に力を加えると、さらに割れが進む可能性があります。そのため、歯科医院を受診するまでは、硬い食べ物や粘着性の高い食べ物を避けるようにしてください。
食事の際も反対側で噛むなど、割れた歯を使わないように心がけることが大切です。
歯科医院で早めに診てもらう
セラミック歯が割れた場合、最も重要なのは早めに歯科医院を受診することです。割れた状態を放置すると、さらに範囲が広がったり、噛み合わせが悪くなることがあります。
歯科医院を受診すれば、状態に応じて修復や交換といった適切な治療を受けられます。早く対応すれば、治療の時間や費用も抑えられる可能性が高いです。
セラミックの歯の保証
セラミック歯は高い審美性と耐久性を持ちますが、万が一割れてしまった場合に備え、ほとんどの歯科医院では保証を設けています。一般的には、保証期間内であれば無償で新しいセラミック歯に作り直しが可能という内容です。
ただし、事故など外部の衝撃や食事中の不適切な噛み合わせが原因で割れた場合、保証対象外となることが多いでしょう。このようなケースでも修理や再調整は受けられますが、修理費用の一部を負担する可能性が高いです。
保証期間は通常1〜5年程度で、歯科医院によって異なります。なお、保証条件として定期的メンテナンスに通っていることが条件となることもあります。
セラミック歯が割れたときの保証内容は歯科医院によって異なるため、治療前に保証書や条件をしっかり確認しておくことが大切です。
セラミックの歯が割れるのを予防する方法
セラミック歯は非常に強度が高く耐久性に優れていますが、過度な力や不適切な使い方で割れることがあります。長くセラミックの歯を保つためには、適切なケアを続ける必要があります。
以下に、セラミック歯が割れるのを防ぐための予防方法を紹介します。
噛み合わせのチェックと調整
セラミック歯が割れる原因の一つは、噛み合わせの不調和です。噛み合わせが悪いと、特定の歯に過剰な力がかかり、セラミック歯が割れるリスクが高まります。そのため、定期的に歯科医院で噛み合わせをチェックしてもらうことが大切です。
ご自身で噛み合わせが不安定だと感じる場合は、早期に調整を行ってもらいましょう。セラミック歯への負担を軽減できます。
食事内容に気をつける
硬い食べ物などを噛むことは、セラミック歯に過度の負担をかける原因となります。硬いせんべいや氷、飴などをセラミックの歯で直接噛むことは避けるべきでしょう。
事前に硬い食べ物だと分かっている場合は、反対側で噛むなどして過度な負担がかからないように対処することが大切です。とくに、初めてセラミックの歯を入れた場合、慣れるまでの期間は慎重に食事を摂るようにしましょう。
歯ぎしり・食いしばりの対策をする
歯ぎしりや食いしばりは、セラミック歯が割れる原因となることがあります。これらの習慣は無意識におこなわれるケースが多いため、本人が気付いていないことが多いです。
歯ぎしり・食いしばりの兆候がある方には、歯科医師からマウスピースの作製を提案される場合があるでしょう。マウスピースを使用することで、歯ぎしりや食いしばりの影響を軽減できます。
定期メンテナンスを受診する
セラミック歯が割れないようにするためには、定期的に歯科医院を受診してチェックを受けることが大切です。歯並びや噛み合わせなど、口内の環境は常に変化しています。
定期メンテナンスで、セラミック歯の状態や周囲の歯の健康状態を確認することで、問題が発生する前に対処できます。定期的メンテナンスで微細な亀裂やすり減りを早期に発見し、早期に修正することが、セラミック歯の寿命の延伸に繋がります。
また、セラミックの歯の保証条件で定期メンテナンスに通っていることを挙げている歯科医院もあるため、指示に従って受診しましょう。
まとめ
セラミック歯が割れる原因は、歯ぎしりや硬いものを噛むといった日常の習慣から、装着時の不具合などさまざまです。トラブルが起きた際、破片がある場合は保管して、割れた部分の歯には汚れがたまらないように清潔な状態を保ちましょう。
割れたまま放置すると、更に割れたりするトラブルが生じるリスクがあるため、早めに歯科医院で診てもらうことが大切です。また、セラミックの歯を守るためにはナイトガードの活用や定期的な検診が欠かせません。
品川港南歯科・矯正歯科クリニックでは、痛みや施術時間を抑えながら自然な仕上がりの治療を目指しています。マウスピース矯正やセラミック治療、虫歯治療、ホワイトニングなどにも力を入れています。