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すきっ歯は、見た目の印象に影響するだけでなく、食べ物が詰まりやすい、発音しにくいといった口内トラブルにつながることもあります。そのため「すきっ歯を治したい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
すきっ歯の改善方法として、近年注目されているのがラミネートベニアです。ラミネートベニアは、表面に薄いセラミックの板を貼り付ける治療法です。歯の色や形を整えることができ、審美性を高められる方法といえます。
今回は、ラミネートベニアの基本的な情報と、ラミネートベニアでのすきっ歯治療のメリット・デメリットについて解説します。
すきっ歯とは

すきっ歯とは、歯と歯の間にすき間が空いた状態のことを指します。歯科用語では空隙歯列(くうげきしれつ)と呼ばれ、特に前歯の中央のすき間が目立つ状態は、正中離開(せいちゅうりかい)と呼ばれます。
すきっ歯は目立ちやすいことから審美的な悩みになるケースが多く、虫歯や歯周病になりやすいなど、さまざまなリスクも伴います。そのため、見た目の問題だけでなく、機能面の不具合も含めて改善する必要があるでしょう。
すきっ歯を放置するリスク

歯と歯の間にすき間があると、見た目の印象が良くないだけでなく、さまざまな健康上の問題を引き起こす可能性があります。ここでは、すきっ歯を放置するリスクについて解説します。
噛み合わせへの悪影響
すきっ歯を放置していると、噛み合わせにも影響が出ることがあります。隣接する歯が隙間に動き、歯並び全体が乱れることで、噛む力が偏るようになります。この影響で、一部の歯に過度な負担がかかり、歯の摩耗や顎関節症の原因となるケースも見られます。
初めは見た目の問題だけであっても、機能面にまで不具合が生じるリスクもあるため、早めに対応することが重要な歯並びといえるでしょう。
虫歯や歯周病のリスクが高まる
歯と歯の間にすき間があると、食べかすが入り込みやすくなります。通常よりも丁寧に歯磨きをしないと、落としきれない汚れが蓄積されて虫歯や歯周病の原因となる可能性があります。特に、歯と歯の間の汚れは、歯ブラシだけでは落としきれないことが多いです。
発音や見た目に影響する
すきっ歯があると発音する際に空気が漏れやすくなり、正しく発音できなくなる可能性があります。特に、サ行やタ行の発音に影響が出やすくなると考えられています。
また、見た目の印象も悪くなりやすいです。口元がコンプレックスになり、人前で話すことが苦手になるなど心理面にも影響を及ぼす可能性があるでしょう。
すきっ歯はラミネートベニアで治せる?

結論からお伝えすると、すきっ歯はラミン―トべニアで治療が可能です。ラミネートべニアは、歯の表面をわずかに削り、その上から薄いセラミックのシェルを貼り付けることで、見た目の悩みを改善する治療法です。歯並びを整えるだけでなく、見た目の質を向上させる効果も期待できます。
ただし、ラミネートベニアで治療できるのは軽度な症状のみです。すき間が広範囲に及ぶケースや、歯列全体のバランスが崩れている場合には、ラミネートべニアでは理想的な結果を得られない可能性があるでしょう。
ラミネートベニアですきっ歯を治すメリット

ここでは、ラミネートベニアですきっ歯を治すメリットを解説します。
自然な見た目を実現できる
ラミネートベニアの大きな魅力の一つが、天然歯に近い自然な仕上がりが得られることです。使用するのは、セラミックやジルコニアなどの審美性に優れた素材が多く、天然歯に近い透明感やツヤ感を再現することが可能です。
また、治療時には歯の表面を薄く削るだけなので、歯の形を大きく変えることなく美しい歯列に整えられます。歯を過度に小さくすることはできませんが、歯の形状を整えたりバランスを良くしたり、ご自身の理想の見た目を追求できることも魅力でしょう。
治療期間が短い
すきっ歯の治療において、ラミネートベニアは短期間で効果を実感できる治療法として知られています。歯を削って薄いセラミックのシェルを貼り付けるだけなので、通常、1〜2回の通院で治療を完了することができます。
矯正治療ですきっ歯を改善する場合、短くても3ヶ月ほど、長いと1年以上の時間がかかるケースが多いでしょう。仕事や育児などで忙しく長期的に通院するのは難しい方や、特別なイベントが間近に控えていてすぐに歯並びを整えたい方などに、ラミネートベニアが選ばれています。
費用を抑えられる
治療期間が短いことは、費用の面でもメリットをもたらします。矯正治療の場合、部分矯正では30〜80万円程度、全体矯正では60〜120万円程度の費用がかかります。
ラミネートベニアの費用は後述しますが、矯正治療を受けるよりは、費用の負担を抑えられることが多いでしょう。
ラミネートベニアですきっ歯を治すデメリット

ラミネートベニア治療には、メリットだけでなくデメリットも存在します。治療を検討する際は、これらの点についてもしっかりと理解しておきましょう。
ここでは、ラミネートベニアですきっ歯を治すデメリットをご紹介していきます。
健康な歯を削る必要がある
ラミネートベニア治療では、天然歯の表面を削らなければなりません。神経の近くまで削る場合では、痛みが出たり神経を取り除いたりしなければならなくなるケースもあります。神経を取り除いた場合は、歯に栄養が届かずもろくなります。削る量が多いほど、歯の寿命を縮めるリスクもあるといえます。
削った歯は元には戻らないため、慎重に治療を検討しなければなりません。
適応できない症例がある
全てのすきっ歯を、ラミネートベニアで治せるわけではありません。隙間が広い場合や、歯列全体に及んでいる場合、歯の傾きに問題がある場合などは、ラミネートベニアでは改善できないかもしれません。
すきっ歯の改善を諦める必要はありませんが、他の治療法を検討しなければならないでしょう。
破損や脱落のリスクがある
ラミネートベニアでは、セラミック製のシェルを貼り付けますが、強い力がかかると割れたり剥がれたりすることがあります。例えば、硬いものを噛んだり、歯ぎしりや食いしばりを無意識に行ったりすると、負荷がかかりやすくなります。
一度破損すると、再治療が必要になるケースが多いでしょう。
ラミネートベニアですきっ歯を治す場合の費用

ラミネートベニアによるすきっ歯の治療は、基本的に保険が適用されず、自費診療となります。そのため、費用は歯科医院や使用する材料によって大きく異なります。
一般的には1本あたり8万円〜15万円程度が相場とされています。また、ラミネートベニアの費用には、初診料や診査・診断料、型取り、仮歯の作製、装着料などが含まれる場合と、これらの費用が別途必要になる場合があります。
歯科医院によって異なるので、事前に診療の流れや費用内訳を確認し、明確な見積もりをもらっておくようにしましょう。
まとめ

すきっ歯は、見た目の問題だけでなく、歯の健康にも影響を及ぼす可能性のある歯並びの問題です。ラミネートベニアは、治療の手軽さと審美性から、すきっ歯の改善にも有効な手段として注目されています。
ただし、ラミネートベニアが適応できるのは軽度のすきっ歯に限られます。重度のすきっ歯や歯の傾きが大きい場合は治療できない可能性があるでしょう。
また、治療を成功させるためには、信頼できる歯科医師の診断を受け、患者さま自身が納得した上で治療に進むことが重要です。すきっ歯の悩みを抱える方は一度、ラミネートベニア治療について詳しく検討してみてはいかがでしょうか。
品川港南歯科・矯正歯科クリニックでは、痛みや施術時間を抑えながら自然な仕上がりの治療を目指しています。マウスピース矯正やセラミック治療、虫歯治療、ホワイトニングなどにも力を入れています。

