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「すきっ歯が気になるけれど、矯正は費用も時間もかかるから」と放置している方もいるのではないでしょうか。歯と歯の間に隙間があると、見た目のコンプレックスになるだけでなく、発音や食事にも影響を与えるおそれがあります。
この記事では、すきっ歯を放置するリスクや、矯正方法について解説します。治療にかかる費用や期間についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
すきっ歯とは
すきっ歯とは、歯と歯の間に隙間がある状態のことで、歯科用語では空隙歯列（くうげきしれつ）といいます。特に、上の前歯2本の間に隙間ができた状態は、正中離開と呼ばれます。
理想的な歯並びは、歯と歯が適度に接しており、食べ物が挟まりにくく、効率よく噛める状態です。すきっ歯があると、この理想的な状態から外れるため、見た目だけでなく、食事や発音などさまざまな問題を引き起こす可能性があります。
すきっ歯の主な原因
ここでは、すきっ歯の主な原因について解説します。
顎と歯の大きさのバランスが悪い
すきっ歯になる原因の一つは、顎と歯のバランスです。顎の骨が大きすぎる、あるいは歯が小さすぎる場合に、歯列のスペースが余って歯と歯の間に隙間ができることがあります。
顎と歯の大きさは親からの遺伝の影響を受けるため、親がすきっ歯の場合は子どももすきっ歯になる可能性が高まります。
歯の本数が少ない
永久歯は、親知らずを除くと28本あるのが通常です。
しかし、本来生えるべき永久歯が生えず、28本よりも歯が少ない方もいます。歯が少ない場合、歯列にスペースができて歯と歯の間に隙間が生じる場合があるのです。
また、事故や虫歯、歯周病などで歯を失った場合も、同様に隙間ができます。歯を失ったまま放置すると、隣の歯が傾いたり移動したりして、隙間が生じるのです。
上唇小帯が大きい
上唇小帯とは、上唇と歯茎をつなぐ、筋（すじ）のような組織です。低年齢の子どもの場合、上唇小帯が太く、長さがあるため、前歯の間に入り込んで前歯の間に隙間を生じやすくなります。通常は、成長とともに上唇小帯が短くなり、前歯のすきっ歯が改善されることが多いです。
しかし、顎や歯が成長しても上唇小帯が小さくならず、すきっ歯が改善しないケースもあります。上唇小帯の大きさが原因ですきっ歯になっている場合は、上唇小帯の一部を切除する手術が検討されます。
舌や口周りの癖がある
舌や口周りの癖が原因ですきっ歯になることもあります。例えば、舌で前歯を押す癖があると、長期間にわたって歯に力が加わり続け、歯並びが乱れる場合があります。
そのほか、指しゃぶりや頬杖をつく癖、口呼吸なども、歯並びに悪影響を与えやすい悪習癖です。
歯周病が悪化した
歯周病は、進行すると歯を支える骨が溶けていく病気です。歯を支える土台がなくなることで、歯がぐらつきやすくなり、歯と歯の間に隙間が生じる原因になります。
すきっ歯を矯正しないとどうなる？
すきっ歯によって生じる問題は、見た目の悩みだけではありません。機能的な問題から健康上のリスクまで、さまざまな影響が考えられます。
ここでは、すきっ歯を矯正しない場合のリスクについて解説します。
見た目にコンプレックスを抱く
すきっ歯を矯正しないリスクのひとつは、審美的な問題です。特に、前歯の隙間は人と話す際や笑う際に目立ちやすく、コンプレックスを抱く方も少なくありません。その結果、心理面にも悪影響を及ぼすことも考えられます。
人とコミュニケーションをとることに消極的になったり、接客業務やプレゼンテーションなど、人前で自信を持って話せなくなったりする人もいるでしょう。
発音が不明瞭になる
すきっ歯の状態では、歯と歯の隙間から空気が漏れやすくなり、サ行やタ行の発音が不明瞭になりやすいです。滑舌が悪く聞き取りづらいと、日常生活に悪影響を与えかねません。人とのコミュニケーションにおいて、大きなストレスとなる場合があります。
虫歯や歯周病になる
歯と歯の間にある隙間には、食べかすや歯垢（プラーク）が溜まりやすいです。歯ブラシで汚れを取り除けない場合は、デンタルフロスや歯間ブラシを適切に使用する必要があります。
すみずみまで歯磨きするのが難しく、細菌が繁殖しやすくなるため、虫歯や歯周病になるリスクが高まります。
顎関節症になる
すきっ歯の場合、上下の歯が正しく噛み合っていない場合があります。噛み合わせが悪いまま放置すると、顎関節に負担をかけ、顎関節症になるリスクが増大するおそれがあります。顎の痛みのほか、頭痛や肩こりなど全身に悪影響を与える場合もあるのです。
大人のすきっ歯を矯正する方法
大人になってからでも、すきっ歯は改善できるケースが多いです。ここでは、大人のすきっ歯を矯正する治療方法について解説します。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、マウスピース型の装置で歯に力をかけて歯並びを整える方法です。装置は透明でできており、話したり笑ったりしてもほとんど目立ちません。食事や歯磨きの際には取り外しが可能なため、矯正中も口腔内を清潔に保ちやすいでしょう。
ただし、自分で取り外しができる反面、マウスピースの管理が求められます。マウスピースを1日20時間以上装着できない場合は、治療計画どおりに歯が動かず、治療期間が延びる場合があるのです。
また、マウスピースをなくしたり破損させたりしないよう管理に注意する必要があります。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、言葉のとおりワイヤーで歯に力をかけて歯並びを整える治療方法です。歯に大きな力をかけられるため、抜歯をして大きく歯を動かさなければならないケースなど、マウスピース矯正よりも幅広い症例に対応できるとされています。
ただし、歯に直接装置を取り付けるため、マウスピースとは違って自分で取り外すことはできません。装置と歯の間に食べかすが挟まりやすく、歯磨きしにくいのはデメリットでしょう。
また、口を開けたときに金属製のワイヤーが見えやすく、治療中の見た目が気になる人もいます。歯の裏側に装置をつける裏側矯正という方法もありますが、裏側矯正の費用は高額になる傾向にあります。
すきっ歯矯正にかかる期間
軽度のすきっ歯であれば、6か月〜1年程度で改善することもありますが、全体的な歯並びや噛み合わせを改善する場合は、1年半〜2年半程度かかるのが一般的です。マウスピース矯正の場合、装着時間を守れなかったり、装置を紛失したりすると、治療期間が延びることもあります。
また、マウスピースやワイヤーによって歯を動かしたあと、歯が元の位置に戻ろうとして動くことがあります。整えた歯並びを維持するためには、リテーナー（保定装置）の装着が必要です。
歯並びや治療の状況によって異なりますが、リテーナーの装着期間は、治療にかかった期間と同じ程度、もしくはそれ以上の期間が推奨されています。
すきっ歯矯正にかかる費用
すきっ歯の矯正は、基本的に自由診療となるため、費用は歯科医院や装置の種類によって異なります。ここでは、マウスピース矯正とワイヤー矯正のそれぞれの費用について解説します。
マウスピース矯正
マウスピース矯正の費用は、治療範囲や治療期間、使用するマウスピースの枚数などによって異なります。
前歯のみを整える部分矯正の場合、費用の相場は20万〜50万円程度です。歯並び全体を動かす全体矯正では、60万〜120万円程度かかることが多いでしょう。
マウスピースを破損したり紛失したりした際には、作り直すための追加費用がかかる場合があります。また、歯科医院によっては、3,000円〜5,000円程度の通院費がかかります。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正の費用は、治療範囲やワイヤーを装着する位置などによって異なります。部分矯正の費用相場は30〜60万円程度、全体矯正の場合は70万〜120万円程度です。
歯の表側に装置をつける表側矯正と、歯の裏側に装置をつける裏側矯正があり、裏側矯正のほうが高額になる傾向にあります。また、透明や白色をしたブラケットやワイヤーを選択する場合は、費用が高くなりやすいです。
マウスピース矯正と同様に、通院のたびに3,000円〜5,000円程度の調整料がかかる場合があります。
まとめ
すきっ歯を放置すると、見た目の問題だけでなく、発音や虫歯のリスクなど、さまざまなトラブルを引き起こすおそれがあります。ワイヤー矯正やマウスピース矯正によって改善できますが、上唇小帯が大きい場合は一部を切除する必要があるかもしれません。
また、歯や歯茎の状態によって適切な治療は異なります。前歯のみの治療を行うか、歯並び全体や噛み合わせを整えるかなど、歯科医師に相談し、費用についても納得したうえで治療を受けましょう。
すきっ歯を治療すると見た目を改善できるだけでなく、顎関節への負担軽減や滑舌の改善にもつながる場合があります。歯と歯の隙間が気になる方は、一度歯科医院で相談してみてください。
品川港南歯科・矯正歯科クリニックでは、痛みや施術時間を抑えながら自然な仕上がりの治療を目指しています。マウスピース矯正やセラミック治療、虫歯治療、ホワイトニングなどにも力を入れています。
