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違和感なく使えていた入れ歯がある日突然合わなくなってしまっても、入れ歯は合わないものと放置していませんか。
実は、フィットしない入れ歯を使い続けていると、口腔内はもちろん全身にも悪影響を及ぼすことがあります。些細なことに感じられますが、入れ歯の密着度や使い心地は、会話や食事などの日常生活に大きな支障をきたす可能性があるのです。
今回は、入れ歯が合わなくなる原因や合わない入れ歯を使用するリスク、適切な対処法についてわかりやすく解説します。
入れ歯が合わないときに現れる症状は?

ここでは、入れ歯が合わないときに現れる主な症状について解説します。
痛みや違和感がある
入れ歯が合っていないと、痛みや違和感を覚えることがあります。この痛みや違和感は食事中や会話中に現れることが多いです。入れ歯が歯茎や口腔内の組織に圧力がかかることで起こります。特に、食べ物を噛んだときに強い力が加わると痛みや炎症を引き起こす可能性があります。
放置すると、歯茎に炎症が起こるだけでなく口内炎や潰瘍ができることもあります。感染症のリスクも高まるため、口内に違和感を覚えたら早めに対処しましょう。
口元の見た目が変化する
入れ歯がフィットしないことで口周りの筋肉が衰えると、顔に歪みが生じることがあります。不具合を放置すると、徐々に口周りの見た目が変化する可能性があるのです。鏡で顔を見たときに「何かが違う」と違和感を覚えたら、入れ歯が合っていないからかもしれません。
食べ物が食べづらい
入れ歯が歯茎にしっかり密着していないと、食べ物を十分に噛み砕くことができなくなります。食べ物を咀嚼できないまま飲み込むと、消化器官に負担がかかり、消化不良を引き起こすこともあるでしょう。
発音しにくい
入れ歯がお口にフィットしないと、外れやすくなることがあります。これによって、発音に影響を及ぼすことがあるのです。また、入れ歯が合っていないことで舌や唇の動きが制限され、特定の音を正確に発音するのが難しくなることもあるでしょう。
このことが原因で、コミュニケーションが不便になり、精神的にストレスを感じる患者様も少なくないようです。
入れ歯が合わなくなる原因

口内の変化や入れ歯自体の劣化など、さまざまなことが重なると入れ歯が合わなくなります。入れ歯が合わなくなる主な原因は、以下のとおりです。
入れ歯が変形した
入れ歯を長年使用していると、劣化して変形することがあります。また、保険が適用される入れ歯はプラスチックを使用しているため、長期間使用すると劣化して、合わなくなることがあるのです。
ほかにも、落下などの物理的な力が加わることによって入れ歯が合わなくなることも少なくないため、慎重に取り扱うようにしましょう。
歯茎が痩せた
加齢や歯周病などで徐々に歯茎は痩せていきます。そのため、時間の経過とともに入れ歯と歯茎との間に隙間ができると入れ歯が合わなくなることがあるのです。特に、歯が抜けたあとは歯茎が委縮することが多く、入れ歯が合わなくなる傾向があります。
快適に使用し続けるためにも、定期的に歯科医師のチェックを受け、入れ歯を調整してもらうようにしましょう。
顎の骨が痩せてきた
加齢に伴う新陳代謝の低下や歯周病の影響により、顎の骨が失われると、入れ歯がわ合わなくなることがあります。また、顎の骨は、噛んだときの刺激が加わることで鍛えられます。
しかし、入れ歯を装着すると噛んだときの刺激が顎の骨に伝わりにくくなるため、顎の骨が痩せやすくなるのです。これによって、入れ歯がフィットしにくくなることがあります。
合わない入れ歯を使い続けるとどうなる?

長期間にわたってお口にフィットしない入れ歯を使用していると、口腔内の健康だけでなく全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。ここでは、合わない入れ歯を使い続ける主なリスクについて解説します。入れ歯に不具合を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
粘膜に炎症が起こる
入れ歯の不具合を放置すると、歯茎や頬の内側の粘膜が傷つき炎症を起こす可能性が高くなります。食事や会話の際に粘膜と入れ歯が擦れ合うことで傷ができるリスクが高いです。この傷により、痛みや口内炎を引き起こす可能性もあります。
周囲の歯の寿命が短くなる
お口にフィットしない入れ歯を長期間使用すると、摩耗により噛み合わせが悪くなることがあります。噛む力が均等に加わらないことで、入れ歯の周囲の天然歯に負担がかかることもあるでしょう。その結果、周囲の歯の寿命が短くなることがあるのです。
また、部分入れ歯の場合、残存歯に過度な力を加えることがあります。これによって、健康な歯の寿命が短くなるリスクが高くなるため注意が必要です。
顎関節症を引き起こす
入れ歯が合わないと顎関節に不均等な力が加わり顎関節への負担が増え、顎関節症を引き起こすリスクが高まるでしょう。
顎関節症を発症すると、日常生活に支障が出る可能性が高く、一度発症すると完治するのは難しいといわれています。そのため、入れ歯に不具合を感じたらすぐにかかりつけの歯科医院でチェックしてもらいましょう。
全身の不調
顎関節は、頬から顎、首、肩、頭までつながっています。そのため、入れ歯が合わないことで噛み合わせにずれが生じると、肩こりや頭痛を引き起こす可能性があるのです。正しく噛めないことが原因で食べ物が十分に咀嚼されず、消化不良を引き起こす恐れもあります。
また、噛む力が弱くなることから、食事の内容が偏り、栄養不足に陥る可能性もあるでしょう。思いもよらない不調につながる可能性があるため、入れ歯が合わないと感じたらなるべく早く歯科医院で相談することが大切なのです。
入れ歯が合わないときの対処法

ここでは、入れ歯が合わないときの具体的な対処法について詳しく解説します。
入れ歯のケア方法を見直す
入れ歯にプラークなどの汚れが付着したままだとフィット感が悪くなります。そのため、天然歯と同じように、毎食後お手入れをすることが重要です。また、汚れやニオイが気になる場合は、専用の洗浄剤を使用しましょう。
不衛生な入れ歯を使い続けると、歯周病や虫歯になるリスクも高まるため、しっかりとお手入れをして清潔な状態を保つようにしましょう。また、入れ歯を取り外した際、水を張った専用のケースに保管することで乾燥による変形を防ぐことができます。
安定剤を使用する
入れ歯がしっかりフィットしない場合は、安定剤を使用するのもよいでしょう。安定剤を使用することで、入れ歯と歯茎の間に隙間がなくなり、フィット感を高められます。
ただし、安定剤を使用することで一時的にフィット感を高めることはできますが、根本的な解決にはつながりません。入れ歯が合わない根本的な原因を解決するためには、歯科医師に相談することが大切です。
また、入れ歯の安定剤を使用する際は、かかりつけの歯科医院で相談しましょう。
歯科医院を受診する
入れ歯が合わなくなる原因はさまざまですが、根本的な原因を突き止めるためには歯科医院の受診が欠かせません。入れ歯が部分的に合っていない場合は、強く当たっている部分を削り、歯茎に均等に当たるように調節することで不具合を改善できる可能性があります。
ただし、調整だけでは改善できない場合は、新しい入れ歯の作製を検討しなければなりません。不具合を感じたら、すぐに歯科医院を受診してチェックしてもらいましょう。
まとめ

合わない入れ歯をそのまま使い続けると、痛みや噛みにくさなどの口腔の問題だけでなく全身の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。入れ歯が合わないと感じたら、まずは歯科医院を受診して、合わない原因を調べてもらいましょう。
また、入れ歯に目立ったトラブルがなくても、定期的に歯科医院でメンテナンスすることで入れ歯を長く快適に使用できます。入れ歯に関する悩みがある場合は、歯科医師に相談して、適切な処置を施してもらいましょう。
品川港南歯科・矯正歯科クリニックでは、痛みや施術時間を抑えながら自然な仕上がりの治療を目指しています。マウスピース矯正やセラミック治療、虫歯治療、ホワイトニングなどにも力を入れています。