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2025年02月20日

歯周病の進行段階を徹底解説!進行速度や進行を遅らせる方法とは

歯周病のイメージ

歯周病は、歯を支える歯茎や骨にダメージを与える代表的な口腔内疾患です。進行すると歯を失う原因となる恐れがあります。初期段階では自覚症状が少ないため、多くの場合、気づかないうちに進行してしまいます。

その結果、歯茎の腫れや出血、口臭などの症状が現れることがあります。さらに病状が進むと、歯がぐらついたり抜けたりするだけでなく、全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。

この記事では、歯周病の進行段階を詳しく解説するとともに、進行速度や進行を遅らせる方法についてもご紹介します。

歯周病の進行について

歯周病で歯茎が赤くなった女性

歯周病は、歯を支える歯肉や歯槽骨が、炎症や感染によって徐々に破壊される疾患です。初期段階では自覚症状が少ないため、多くの場合、知らずに進行してしまいます。

以下に、歯周病の進行段階を詳しく解説します。

歯肉炎

歯周病の最初の段階は歯肉炎と呼ばれ、歯垢(プラーク)が歯と歯茎の境目に蓄積して炎症を引き起こします。この段階では、歯槽骨へのダメージは見られません。

初期段階での主な症状は、以下のとおりです。

・歯茎の腫れや赤み
・歯磨き時の出血
・軽い口臭

適切なブラッシングやデンタルフロスの使用で歯垢を取り除くことで、改善が期待できます。早期に適切なケアを行えば、完全に治癒する可能性があります。

軽度の歯周炎

歯肉炎が進行すると、歯周ポケットが形成され歯垢や歯石が蓄積します。これにより炎症が広がり、歯槽骨の破壊が始まります。

この段階での主な症状は、以下のとおりです。

・歯茎の後退
・歯周ポケットの深化
・持続する口臭
・軽度の歯のぐらつき

歯科医院でのクリーニングやスケーリング(歯石除去)が必要です。日常的な口腔ケアを徹底し、定期的な歯科検診を受けることが重要です。

中等度の歯周炎

炎症がさらに進行すると、歯槽骨の破壊が進み、歯を支える力が弱まります。歯周ポケットは深くなり、感染が広範囲に及びます。

主な症状は、以下のとおりです。

・歯の動揺やぐらつきが明らかになる
・強い口臭
・歯茎から膿が出る
・噛むと痛みを感じる

スケーリングやルートプレーニング(歯根面の清掃)に加えて、外科的治療が必要になることがあります。感染が広がると、抜歯が避けられないケースもあります。

重度の歯周炎

歯槽骨が大幅に破壊され、歯が抜け落ちる状態です。この段階では、周囲の歯にも影響が及ぶことがあり、口腔全体の健康に深刻な影響を与えます。

主な症状は、以下のとおりです。

・歯の脱落
・歯茎の大幅な退縮
・噛む機能の喪失

歯の喪失後は、インプラントや義歯などの補綴治療が必要になります。進行を防ぐために、早期から適切なケアを行うことが重要です。

歯周病の進行速度

歯周病の進行を早める喫煙のイメージ

歯周病は進行性の疾患ですが、一般的に数ヶ月で急激に悪化することはありません。

しかし、進行速度は人によって大きく異なります。生活習慣や口腔ケアの質、体質などさまざまな要因が影響を与えるため、同じ環境下であっても進行の速さに差が生じることがあります。

進行速度に影響を及ぼす要因

ここでは、歯周病の進行速度に影響を及ぼす要因について解説します。

習慣や体質

毎日の歯磨きやデンタルフロスの使用が不十分だと、歯垢の蓄積量が増加し、歯周病が進行しやすくなります。毎日歯磨きをしていても、磨き残しがある場合は歯周病のリスクが増加し、進行速度も早まる可能性があります。

また、免疫力が低下している人は炎症への抵抗力が弱まり、歯周病が進みやすくなります。

喫煙習慣

喫煙は、歯周病の進行を加速させる最も大きなリスク要因の一つです。ニコチンは血流を悪化させ、歯茎に必要な栄養や酸素が行き届かなくなるため、組織の修復が遅れます。

また、免疫機能が低下し、感染に対する抵抗力が弱まります。

ストレス

ストレスは、免疫力を低下させます。さらに、ストレスが原因で歯ぎしりや食いしばりが生じると、歯周組織に過剰な負荷がかかり、進行を加速させる可能性があります。

不適切な食生活

ビタミンCやカルシウムが不足すると、歯周組織の健康が損なわれ、炎症が悪化するリスクが高まります。さらに、糖分の多い食事は細菌の増殖を助長し、歯周病の進行を早める要因となります。

歯周病の進行段階別の治療方法

歯周病治療でスケーリングをする男性

歯周病は、初期の歯肉炎から重度の歯周炎へと進行する疾患であり、進行段階によって適切な治療方法が異なります。ここでは、歯周病の進行段階に応じた治療方法について詳しく解説します。

歯肉炎

歯肉炎の段階では、歯垢が歯と歯茎の境目に蓄積し、歯茎に炎症が起こります。歯槽骨へのダメージはまだなく、適切なケアを行うことで元の健康な状態に戻せます。

スケーリング

初期段階の治療方法は、歯科医院でのスケーリング(歯石除去)が基本です。細菌の温床となる歯石を取り除き、炎症を抑えます。

セルフケア

正しいブラッシング方法を習得することで、歯周病の原因菌を除去します。日常の口腔ケアを徹底することが重要です。

中等度の歯周炎

歯肉炎が進行すると、歯茎と歯の間に歯周ポケットが形成され、細菌がさらに深く入り込みやすくなります。歯槽骨の破壊が始まり、歯茎の後退や持続的な口臭、軽度の歯のぐらつきが見られることがあります。

スケーリング・ルートプレーニング

スケーリングに加え、ルートプレーニングが必要になります。歯周ポケット内に溜まった歯石や細菌を徹底的に除去し、歯根の表面を滑らかにすることで、細菌の再付着を防ぎます。

抗菌療法

歯周病菌の増殖を抑えるため、抗菌薬の処方や、抗菌ジェルを塗布する場合もあります。

生活習慣の改善

生活習慣の見直しも、重要な治療の一環です。喫煙は血流を悪化させ、歯周病の進行を早めるため、禁煙が推奨されます。

また、バランスの取れた食生活を心掛け、ビタミンCやカルシウムを多く含む食品を摂取しましょう。

中等度の歯周炎

歯周炎が進行し炎症が歯槽骨にまで及ぶと、歯を支える骨が大幅に失われ、歯がぐらつき始めます。歯茎の腫れが悪化し、膿が排出されることもあります。口臭も強くなり、噛む際の違和感や痛みが生じることが特徴です。

フラップ手術(歯周外科治療)

フラップ手術が必要になる場合があります。歯茎を切開して、歯周ポケット内の歯石や細菌を徹底的に除去します。

歯周組織再生療法

歯槽骨の吸収が進んでいる場合には、歯周組織再生療法を用いて失われた骨の再生を促すことがあります。再生治療には、エムドゲインやGTR法があり、歯周組織の回復を目指します。

噛み合わせの調整

歯周病が進行すると、噛み合わせが乱れ特定の歯に過度な負担がかかることがあります。必要に応じて噛み合わせを調整し、歯にかかる力を分散させます。

重度の歯周病

歯槽骨がほぼ消失し、歯が抜け落ちる、または抜歯が必要な状態に至ると、歯周病の治療だけではなく、失った歯を補うための補綴治療が必要になります。噛む機能が失われると、食事の摂取や発音にも影響を及ぼし、生活の質が大きく低下する可能性があります。

補綴治療(インプラント・ブリッジ・入れ歯)

インプラント、ブリッジ、義歯(入れ歯)などが選択肢となります。

インプラントは、チタン製の人工歯根を顎の骨に埋め込み、上部に人工歯を装着する方法です。自然な噛み心地を再現できます。

ブリッジは、隣接する歯を支えとして人工歯を固定する方法です。入れ歯は、取り外しが可能なため清掃がしやすいことが特徴です。

歯周病の進行段階別の治療費用

歯周病の費用のイメージ

歯周病の治療費用は、進行段階や治療内容によって大きく異なります。初期段階での治療は低コストな一方、重度になるほど治療が複雑化し、費用も高額になる傾向があります。

初期段階(歯肉炎)で行われるスケーリングの費用は、2,000円~5,000円程度で、1回の通院で終わることもあります。軽度の歯周炎に進行すると、スケーリング・ルートプレーニングに3,000円~5,000円程度かかり、複数回の通院が必要になります。

中等度の歯周炎では、フラップ手術の場合は5,000円~1万円程度の費用がかかります。自費診療で歯周組織再生療法を受ける場合は、5万円~15万円程度かかることもあります。

重度の歯周病で抜歯する場合、抜歯にかかる費用は3,000〜5,000円程度です。

しかし、歯の機能を補うための治療が必要になります。インプラントの場合は30万円~50万円、ブリッジは1〜3万円、入れ歯は3,000円~1万5,000円ほど必要でしょう。

歯周病の進行を遅らせることはできる?

歯周病予防でフロスをする女性

歯周病は進行性の疾患ですが、適切なケアと治療を行うことで、進行を遅らせたり、症状を軽減したりできます。以下に、進行を抑えるために有効な方法を詳しく解説します。

正しいセルフケアの徹底

歯周病の進行を遅らせるためには、日常的な口腔ケアが非常に重要です。歯垢(プラーク)は歯周病の主要な原因であり、効果的に除去することが求められます。

歯と歯茎の境目を意識して、優しく磨くよう意識しましょう。強く磨きすぎると歯茎を傷つけるリスクがあるため、適度な力で磨いてください。柔らかめの歯ブラシを使用し、1~3か月ごとに交換しましょう。

また、デンタルフロスや歯間ブラシを活用して、歯と歯の間の汚れも除去することが重要です。

定期的な歯科検診

セルフケアだけでは除去できない歯石や細菌を取り除くには、歯科医院でのプロフェッショナルケアが欠かせません。歯石を除去し歯根表面を滑らかにすることで、細菌の再付着を防ぎます。

生活習慣の見直し

日々の生活習慣は、歯周病の進行速度に大きく影響します。喫煙は歯周病のリスクを大幅に高める主要な要因なので、可能であれば禁煙しましょう。

ビタミンCやビタミンD、カルシウムを多く含む食品を摂取することも重要です。糖分を控えることで、細菌の増殖を抑える効果も期待できます。

ストレス管理

ストレスは、免疫力を低下させ歯周病菌への抵抗力を弱める原因となります。十分な睡眠やリラクゼーションを取り入れることで、免疫機能を高め、歯周病の進行を抑える効果が期待できます。

まとめ

歯周病を治して快適な口で笑う女性

歯周病は、歯肉炎から進行すると歯槽骨が破壊される歯周炎へと悪化します。最終的には歯の喪失に至る可能性がある進行性の疾患です。

進行速度には個人差がありますが、適切な予防と治療で進行を遅らせることが可能です。

品川港南歯科・矯正歯科クリニックでは、痛みや施術時間を抑えながら自然な仕上がりの治療を目指しています。マウスピース矯正やセラミック治療、虫歯治療、ホワイトニングなどにも力を入れています。

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