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マウスピース矯正に興味がある方や、すでに矯正した方が共通して抱える悩みのひとつが後戻りです。「マウスピース矯正を考えているけれど、元の歯並びに戻らないか心配」など、不安に思う方が多いでしょう。
マウスピース矯正で時間とお金をかけて綺麗な歯並びを手に入れても、治療後に元の歯並びに戻っては意味がありません。マウスピース矯正を検討している方も、歯並びが元に戻る可能性があると聞くと治療をためらってしまうでしょう。
今回は、マウスピース矯正後の後戻りの原因と、対処法について詳しくお伝えします。マウスピース矯正を検討されている方や、矯正後の後戻りが気になる方は、ぜひ最後までお読みください。
後戻りとは
後戻りとは、歯列矯正後に歯並びが元に戻る現象のことをいいます。矯正治療で動かした歯は、周りの骨や組織が安定していないことから、元の位置に戻ろうとします。
そのため、治療後に適切な対策を講じなければ、元の歯並びに戻ってしまうのです。
マウスピース矯正後は後戻りする?
マウスピース矯正は後戻りしやすいと聞いたことがある方もいるかもしれません。
しかし、マウスピース矯正が後戻りしやすいという医学的な根拠はありません。マウスピース矯正に限らず、ほかの歯列矯正法でも後戻りする可能性があります。どの方法で矯正しても、動かした歯が元の位置に戻ろうとする力が働くからです。
どのような方法でも後戻りのリスクがあるため、矯正後にしっかりと保定することが重要です。
マウスピース矯正後に後戻りする原因
マウスピース矯正後に後戻りする原因は、以下のとおりです。
リテーナーを正しく使用していない
リテーナーとは、治療完了後に装着する保定装置のことです。治療で動かした歯が元の位置に戻ることを防ぐために装着します。
リテーナーの装着時間を守っていなかったり、そもそも装着していなかったりすると、後戻りの原因になります。
一般的に、治療後2~3年間はリテーナーを1日20時間以上装着する必要があります。食事や歯磨きのとき以外は常に装着しなければなりません。
また、一定期間リテーナーを装着していないと、歯が動いてしまいリテーナーが合わなくなる可能性があります。その場合、リテーナーの再調整や作り直しが必要です。
リテーナーが合わないということは後戻りが進行している状態なので、場合によっては再矯正しなければならないこともあるでしょう。
個人差はありますが、1日リテーナーを装着しないだけで後戻りする方もいます。リテーナーの装着を習慣化し、毎日かかさず装着しましょう。
日常的なクセがある
普段何気なく行っている動作が、後戻りの原因になっていることもあります。
・頬杖をつく
・うつ伏せや横向きで眠る
・舌で歯を触る、押す
・爪をかむ
・口呼吸をする
頬杖をついたり、うつ伏せや横向きで眠ったりすると、歯に強い圧力がかかり後戻りしやすくなります。また、舌で歯を触るのも後戻りの原因になります。継続的に力がかかることで、歯が動いてしまうからです。
虫歯や歯周病
虫歯の治療で歯を削ると、かみ合わせのバランスが崩れてほかの歯に負担がかかり、歯の位置が変わる原因になります。また、抜歯をすると空いたスペースに歯が動くことがあります。
歯周病とは、歯ぐきに炎症が起こり歯を支えている骨が溶けてしまう病気です。進行すると歯がグラグラしたり、抜けたりすることがあります。その影響でかみ合わせが変化して、後戻りすることもあるでしょう。
加齢
歯並びや噛み合わせは、加齢によって変化していきます。少しずつ歯がすり減って、歯ぐきもやせて下がってきます。次第に歯のかみ合わせが変わり、歯並びが悪くなるのです。
加齢による歯の変化、後戻りは避けられません。矯正治療が終了しても、定期的に歯科検診を受けてケアすることが大事です。
親知らず
矯正中や矯正後に親知らずが生えてくると、歯並びに影響を与えて後戻りすることがあります。親知らずが斜めや横向きに生えると、ほかの歯を押して歯並びが変わる恐れがるのです。
また、親知らずは奥に生えているため歯磨きがしづらく、虫歯や歯周病の原因にもなります。そのため、矯正治療前に見つかった場合は抜歯することが多いです。
矯正中や矯正後に「奥歯のあたりがかゆい・痛い」「腫れている気がする」といった症状が現れたら、親知らずが生えてくる前兆かもしれません。早めに治療を受けている歯科医院を受診して相談しましょう。
マウスピース矯正後に後戻りした場合の対処法
マウスピース矯正後に後戻りした場合の対処法を確認しましょう。
リテーナーを再装着する
軽度の後戻りであれば、リテーナーを調整して正しく装着することで改善できる可能性があります。1日の装着時間を見直し、正しい方法で装着を続けましょう。
再矯正を受ける
リテーナーの調整では対応できないほど後戻りしている場合は、再矯正が必要です。リテーナーは動かした歯を固定するための保定装置なので、後戻りしてしまった歯を移動させることはできません。
後戻りが進行するほど、再矯正にかかる時間も費用も増加します。異変に気付いた時点で、早期に歯科医院を受診して相談しましょう。
歯科医院によっては矯正治療後の保証期間を設けている場合があります。期間内であれば無償で後戻りの治療が可能なケースもあるでしょう。
マウスピース矯正を検討している方は、矯正後の保証期間や治療内容、条件も考慮して歯科医院を選ぶとよいでしょう。
後戻りしないためにできること
マウスピース矯正後の綺麗な歯並びを維持するために、以下の行動を心がけましょう。
リテーナーを正しく装着する
歯科医師の指示に従って、正しくリテーナーを装着しましょう。つけ外し可能なタイプのリテーナーは、食事や歯磨きのタイミングで外して再装着を忘れる方が多いです。日々の生活の中で、リテーナーの装着を習慣化していきましょう。
たとえば、歯磨き後に必ず鏡を見てリテーナーをつけたか確認したり、タイマーをセットしてアラームが鳴ったらリテーナーを装着したりすると装着忘れを防げます。
日常生活のクセを治す
後戻りの原因になる癖がある方は、改善するよう努めましょう。一度や二度では問題ないかもしれませんが、クセは毎日繰り返しています。積み重なると歯並びに影響を及ぼすでしょう。
まずは、クセに気が付いたらやめることを徹底してください。何回も繰り返していくうちに、徐々に改善されるでしょう。
口の中を清潔に保つ
口の中を清潔に保ち、虫歯や歯周病を予防することで後戻りのリスクを減らせます。磨き残しを少なくするため、歯ブラシだけではなく、歯間ブラシやデンタルフロスも併用しましょう。
また、リテーナーも清潔に保ってください。口の中を清潔にしていても、リテーナーが汚れていると口の中に汚れや雑菌が移ってしまいます。
基本的には、外すたびに歯ブラシで汚れを落としぬるま湯で洗ってください。汚れが気になる場合は、リテーナー専用の洗浄剤を使用するとより効果的です。
定期検診を受ける
マウスピース矯正後も、治療を受けた歯科医院で定期検診を受けましょう。後戻りを早期に見つけてもらえるだけでなく、歯のクリーニングも受けられます。
虫歯や歯周病のリスクを下げることができるので、効果的に後戻りを予防できるでしょう。
まとめ
マウスピース矯正後も、適切な対策をしなければほぼ100%後戻りしてしまいます。一番大切なのは、後戻りしないようにすることです。
綺麗な歯並びを維持するために、リテーナーを正しく装着しましょう。頬杖をついたり爪を噛んだりする日常的なクセにも注意してください。また、常に口腔内を清潔に保つことを心がけて、歯科の定期検診を受けることも意識しましょう。
マウスピース矯正は、歯並びが整ったら終わりではありません。後戻りしないためには、日々のケアと継続的な対策が重要です。
綺麗な歯並びを長く保てるように、適切な対策を続けていきましょう。