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「透明のマウスピースで目につきやすい前歯のみの矯正治療をしたい」と希望する患者さまは少なくありません。
「マウスピース矯正で治療できる前歯の症例は？」「マウスピース矯正で前歯だけを治療する場合はどれくらいの費用がかかる？」など疑問をおもちの方もいるでしょう。
今回は、マウスピース矯正で前歯だけを治療するメリットやデメリット、治療できる症例、費用などを解説します。マウスピース矯正で前歯だけを治療したいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
マウスピース矯正で前歯だけ治療できる？
「前に突き出した出っ歯を治したい」「ねじれて生えている前歯を治したい」「デコボコしている前歯を治したい」など、前歯は口を開けた時に最も目立つ部分なので、矯正治療できれいな歯並びにしたいと考える方は多いでしょう。
実際に多くの方が前歯の治療を希望されています。すべての歯並びだけではなく、一部分だけ治す部分矯正によって、前歯のみの治療は可能です。ワイヤー矯正でも、マウスピース矯正でも部分矯正は行えます。
ただし、部分矯正で対応できるのは軽度の症例のみです。一部の歯並びだけを治したい場合でも、全体の矯正治療が必要なケースもあります。例えば、そもそもすべての歯が並ぶスペースがない場合は、抜歯をして全体的に歯並びを整えるケースもあるのです。
マウスピース矯正で前歯だけを治療できるかは患者さまの歯並びの状態によるため、歯科医院で相談しましょう。
マウスピース矯正で前歯だけを治療するメリット
マウスピース矯正で前歯だけを治療する方は少なくありません。それは、以下のようなメリットがあるからです。
マウスピース矯正で前歯だけを治療するメリットは、以下のとおりです。
目立ちにくい
ワイヤー矯正でも前歯の部分矯正は可能です。
しかし、従来のワイヤー矯正の装置は銀色であるため、口を開けた際に目立ちやすいでしょう。最近では金属だけではなく、白や透明の装置もありますが、透明のマウスピースと比較すると目につきやすいです。
一方でマウスピース矯正では透明なマウスピースを使用するため目立ちにくいという特徴があります。特に人前に立って話すことが多い仕事の方、写真を撮るイベントを控えている方にマウスピース矯正は適しているかもしれません。
食事や歯磨きがしやすい
ワイヤー矯正の場合、治療中は矯正器具を取り外すことができません。食事の際もつけっぱなしなので、装置の周囲に食べかすが溜まりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まるでしょう。
一方でマウスピース矯正で使用するマウスピースは、食事や歯磨きのときに取り外せます。矯正開始前と同様に歯磨きができるため、口腔内を清潔に保ちやすいでしょう
全体矯正よりも費用を抑えられる
矯正治療は基本的には自由診療であるため、高額な費用がかかります。マウスピース矯正では、マウスピースを交換しながら徐々に歯を動かしていきますが、使用するマウスピースの枚数によって費用は異なります。
前歯のみを治療する場合、全体矯正よりも使用するマウスピースの枚数が少ないため、費用も抑えられるでしょう。
治療期間が短い
全体矯正の場合は、1～3年程度かかることが多いです。
一方で前歯だけの部分矯正の場合は、2か月～1年5か月程度で治療が終了するケースが多いです。患者さまの歯並びの状態にもよりますが、治療期間が短いという点は大きなメリットといえるでしょう。
マウスピース矯正で前歯だけを治療するデメリット
マウスピース矯正で前歯だけを治療するデメリットは、以下の通りです。
歯列全体の改善はできない
部分矯正は歯列の一部分のみを動かす治療であるため、歯列全体のバランスに配慮した治療はできません。そのため、全体矯正に比べると仕上がりは劣るでしょう。
前歯のみを整えるだけで問題ないのか、歯科医師に相談したうえで治療を行うかを判断しましょう。
奥歯の歯並びや噛み合わせは改善できない
奥歯の歯並びや噛み合わせがよくない場合、前歯のみ治療をしても、奥歯は改善しません。場合によっては、奥歯の歯並びや噛み合わせがさらに崩れることもあるでしょう。
噛み合わせが悪いと、しっかり噛めない・発音しにくい・顔のバランスが崩れるなど、さまざまな弊害があります。奥歯の噛み合わせが悪い方は、前歯だけではなく、お口全体の治療を行うほうがよいでしょう。
歯を削ることがある
前歯をきれいに整えるには、歯が並ぶ十分なスペースが必要です。歯が並ぶスペースが不足している場合は、歯を削ってスペースを確保することがあります。
削る歯の量は0.25mm程度とわずかな量ですが、歯を削ることに抵抗がある方もいるでしょう。歯を削る必要があるかは、歯科医師によく確認してください。
マウスピース矯正で治療できる前歯の症例
マウスピース矯正で前歯を治療したいと考えても、治療できる症例は限られています。
マウスピース矯正で治療できるのは、基本的に以下のような軽度な症例のみです。
・軽度な出っ歯
・前歯のねじれ
・軽度なすきっ歯
・軽度な歯並びの乱れ
一見すると軽度な症例であっても抜歯が必要になるケースと必要ないケースがあります。前歯だけをマウスピース矯正で治療できるかについては、歯科医院でカウンセリングを受けて確認しましょう。
マウスピース矯正で治療できない前歯の症例
マウスピース矯正で前歯だけを治療したいと希望しても、以下のような症例の場合は治療が受けられない可能性があります。
マウスピース矯正で治療できない前歯の症例は、以下のとおりです。
重度の症例である場合
出っ歯やすきっ歯、ガタガタした歯並びは、部分矯正でも治療ができますが、軽度である場合に限ります。重度の症例の場合は、大きく歯を動かす必要があるため、部分矯正では対応できません。
奥歯の噛み合わせが悪い場合
奥歯の噛み合わせが悪い場合、前歯のみを治療しても改善できません。奥歯の噛み合わせに問題があるにも関わらず前歯のみを治療すると、噛み合わせのバランスがさらに大きく崩れる可能性もあるでしょう。
奥歯の噛み合わせも治療する場合には、全体矯正での治療が必要になります。
抜歯が必要となる場合
前歯のみを整えたいケースでも歯を並べるスペースがない場合は抜歯が必要になる可能性があります。抜歯をすると大きく歯を移動させる必要があるため、部分矯正では対応できません。
前歯がインプラントの場合
矯正治療によって動かせる歯は天然の歯のみです。矯正治療では歯と骨の間に存在する歯根膜の役割が欠かせませんが、インプラントの場合は歯根膜がないため、矯正治療で動かすことができないのです。
なお、インプラントはワイヤー矯正などのほかの治療法でも動かすことはできません。
重度の歯周病の場合
マウスピース矯正では歯に少しずつ力をかけることで歯が動きます。重度の歯周病の場合は、歯が不安定な状態にあるため、力をかけることで歯が抜け落ちることもあるでしょう。そのため、前歯が重度の歯周病の場合は、矯正治療はできません。
マウスピース矯正で前歯だけを治療する場合にかかる期間
前歯のみの部分矯正であっても、歯並びの状態によって治療期間は大きく異なります。目安としては、3か月～1年半程度です。矯正治療中は1～3か月に1回程度の頻度で通院し、お口の中の状態を確認します。
マウスピース矯正ではマウスピースを毎日20時間以上装着する必要があります。マウスピースの装着時間が短いと計画どおりに歯が動かず、治療期間が延長になる場合もあるでしょう。
マウスピース矯正で前歯だけを治療する場合にかかる費用
マウスピース矯正の全体矯正の場合は100万円前後かかることが多いです。
一方、部分矯正は20万～45万円程度です。患者さまの歯並びの状態や歯科医院によって異なるため、事前に確認してください。
まとめ
今回は、マウスピース矯正で前歯だけを治療するメリットやデメリット、治療できる症例などについて解説しました。
マウスピース矯正で使用するマウスピースは透明であるため目立ちにくいです。また、取り外しができるため矯正開始前と同様に食事・歯磨きができるというメリットがあります。マウスピース矯正で前歯のみを治療することは可能で、実際に多くの方が治療を受けています。
しかし、奥歯の噛み合わせに問題がある場合や重度の症例の場合など、対応できないケースもあります。検査の結果、前歯だけの治療が行えないこともあるのです。
前歯のみの矯正治療ができる場合は、全体矯正に比べて治療期間が短く、治療費も抑えられることが多いです。
マウスピース矯正で前歯だけを治療できるかはお口の状態によるため、まずは歯科医院を受診して相談しましょう。