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すきっ歯や歯のねじれなど、見えやすい前歯の歯並びにお悩みの方は多いのではないでしょうか。気になる部分だけを治したい方は、全体矯正ではなく部分矯正を受けるとよいでしょう。
しかし、インビザラインの部分矯正は誰でも受けられるわけではありません。もともとの歯並びやお口の状態によって、治療できないことがあります。
今回は、インビザラインで部分矯正するメリット・デメリット、治療できる歯並びについて解説します。部分矯正に必要な期間や費用についても言及していますので、インビザラインで部分矯正を検討している方はぜひ参考にしてください。
インビザラインで部分矯正はできる?
歯並びを治す矯正治療には、前歯などの気になる部分の歯並びだけを治す部分矯正と、全体的な歯並びや噛み合わせを整える全体矯正の2種類があります。透明なマウスピースを使用するインビザラインでは、部分矯正・全体矯正どちらにも対応可能です。
インビザラインは軽度な歯並びの乱れに適した治療なので、歯並びの状態によっては2~3か月程度で治療が終わることもあるでしょう。インビザラインの治療にかかる期間や費用は、治療に必要なマウスピースの枚数によって左右されます。そのため、全体矯正よりも治療範囲の狭い部分矯正を選ぶことで、治療期間や費用を抑えることができるでしょう。
インビザラインの治療にかかる期間や費用を抑えたい方や気になる部分の歯並びだけを治したい方には、部分矯正が適しています。
インビザラインで部分矯正するメリット・デメリット
インビザラインで部分矯正をするメリット・デメリットをそれぞれ3つご紹介します。
インビザラインで部分矯正するメリット
インビザラインで部分矯正を行うメリットは、以下のとおりです。
コンプレックスを解消できる
「前歯のすきっ歯が気になる」「歯の向きを治したい」など、インビザラインで歯並びのお悩みを治療することで、コンプレックスが解消されます。特に、前歯にお悩みを抱えている場合、大きな口を開けて笑うと人目につくため手で口元を隠す方もいます。人前に立つことをストレスに感じる方も少なくありません。
インビザラインで気になる部分の見た目を改善することで、コンプレックスを解消できるでしょう。見た目を改善することで、大きな口を開けたり人前で笑ったりしてもストレスを感じることがなくなります。自分に自信を持つことにもつながるでしょう。
治療期間を短縮できる
インビザラインの治療にかかる期間は、移動させる歯の本数や治療範囲によって左右されます。インビザラインで使用するマウスピースでは、1枚で最大0.25mmしか歯を動かせないため、インビザラインで全体矯正をする場合、治療期間は1~3年と長期に及ぶのが一般的です。
全体矯正よりも移動させる歯の本数や治療範囲が限られる部分矯正を選択することで、治療にかかる期間を短縮できることがメリットです。
費用を抑えられる
インビザラインの治療にかかる費用は、治療に必要なマウスピースの枚数に左右されます。部分矯正は移動させる歯の本数や治療する範囲が限られているため、全体矯正よりも少ない枚数のマウスピースで治療できることが多いです。
部分矯正を選択することで、費用を抑えて歯並びを整えられるでしょう。
インビザラインで部分矯正するデメリット
インビザラインで部分矯正を行うデメリットは、以下のとおりです。
治療できないことがある
インビザラインの部分矯正は、もともとの歯並びやお口の状態によって治療できないことがあります。
部分矯正は歯並びの乱れが軽度な場合にしか対応できないため、歯並びの乱れが重度な場合や骨格に問題がある場合、全体的な歯並びや噛み合わせを整える必要がある場合などは、治療できないでしょう。
噛み合わせは整えられない
部分矯正は治療する範囲が限られているため、全体的な噛み合わせを整えることはできません。
部分矯正は、噛み合わせを整える治療法というより、気になる部分の見た目を改善する治療といえるでしょう。
歯を削ることがある
インビザラインの部分矯正では、ガタガタした歯並びを整える場合や歯を引っ込めたい場合など、歯を並べるスペースを確保するために歯を削る処置が必要になることがあります。
矯正治療における歯を削る処置のことを、IPRやディスキングといいます。虫歯治療のように大きく歯を削るわけではなく、歯の表面をやすりがけするような処置です。
歯の側面をわずかに削ることで歯を並べるスペースを確保できますが、健康な歯を削ることに抵抗がある方もいるでしょう。歯を削る処置が必要かどうかは、もともとの歯並びやお口の状態によって異なります。
トラブルを避けるために、部分矯正を進める際に歯を削る必要があるかどうか、事前に確認するとよいでしょう。
インビザラインで部分矯正できる歯並び
インビザラインで部分矯正が可能な歯並びは、以下のとおりです。
・すきっ歯
・軽度の叢生
・軽度の出っ歯
・矯正治療後の後戻り
インビザラインで部分矯正が適応できるのは、歯並びの乱れが軽度である場合のみです。抜歯の必要がない比較的軽度な歯並びの乱れに対応できます。また、インビザラインの部分矯正は、矯正治療後に後戻りしたケースに適した治療です。
ご自身の歯並びが部分矯正に適しているかどうかは、もともとの歯並びやお口の状態によって異なります。インビザラインの部分矯正を検討している方は、まずは歯科医院を受診しましょう。
インビザラインで部分矯正できない歯並び
インビザラインでの部分矯正は、歯並びの乱れが軽度な場合にしか適応できません。以下の歯並びの場合には治療できないことがあります。
・重度の叢生や出っ歯
・正中がズレている歯並び
・抜歯が必要な歯並び
・全体的な噛み合わせ
・重度の受け口など骨格に問題がある歯並び
重度の叢生・出っ歯など、歯並びの乱れが重度の場合や、正中(歯並びの真ん中)が上下でズレている歯並びでは、全体的な歯並びや噛み合わせを整える必要があります。部分矯正は移動させる歯の本数や治療範囲が限られるため、噛み合わせに問題がある歯並びには対応できません。
歯並びが悪くなる原因の多くは、顎の骨が小さく歯を並べるスペースが足りないことです。ガタガタした歯並びである叢生や出っ歯が重度の場合、抜歯が必要になることがあります。抜歯をすることで歯をきれいに並べることができますが、歯を大きく動かす必要があるでしょう。部分矯正では対応できず、全体矯正が適応になります。
重度の受け口など骨格に問題がある場合、全体的な歯並びや噛み合わせを整える必要があるだけでなく、外科処置が必要になることもあるでしょう。もともとの歯並びやお口の状態によっては、部分矯正では治療できないのです。
部分矯正が適応できるかどうかは歯科医師に判断してもらう必要があるため、インビザラインを検討している場合は受診して相談してください。
インビザラインで部分矯正する場合にかかる期間
インビザラインで部分矯正する場合にかかる期間の目安は、2か月~1年程度です。
インビザラインは歯並びの乱れが軽度の場合に適した治療法であるため、2か月程度で治療が終わることもあります。インビザラインでの全体矯正では約1~3年かかるのが一般的なため、部分矯正を選ぶことで治療期間を大幅に短縮できるでしょう。
ただし、インビザラインの治療がうまく進むかどうかは、マウスピースの装着時間や装着方法などに左右されます。患者様自身でマウスピースを管理する必要があるでしょう。
インビザラインで部分矯正する場合にかかる費用
インビザラインで部分矯正する場合にかかる費用の目安は、100,000〜600,000円程度です。
インビザラインの治療にかかる費用は、移動させる歯の本数や治療する範囲など、マウスピースが何枚必要かによって異なります。全体矯正よりも治療する範囲が限られる部分矯正を選ぶことで、治療にかかる費用を抑えられるでしょう。
ただし、費用は患者様の口内の状態や理想とする歯並びによっても変動します。インビザラインの部分矯正にかかる費用について詳しく知りたい方は、一度歯科医院を受診しましょう。
まとめ
透明なマウスピースを使用するインビザラインでは、部分矯正・全体矯正どちらにも対応可能です。全体矯正よりも移動させる歯の本数や治療する範囲が限られるため、部分矯正を選ぶことで治療期間や費用を抑えられるでしょう。
部分矯正は、歯並びの乱れが軽度な場合のみ適応可能なため、噛み合わせに問題があるケースや抜歯が必要なケースなど、お口の状態によっては治療できません。部分矯正が適応できるかどうかは歯科医師に判断してもらう必要があります。
インビザラインを検討している場合は、お気軽に当院までご相談ください。