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透明で目立たないマウスピース使用するインビザラインは、人気を集める一方、治療を後悔している人も中にはいらっしゃいます。インビザライン治療を始める前に、後悔する原因や、そもそもどんな人が治療に向いているのか、事前に知っておくことが大切です。
この記事では、インビザラインをやらなきゃよかったと思う前に知っておくべきことについて解説します。インビザライン治療を後悔しないための方法にも言及していますので、ぜひ参考にしてみてください。
インビザライン治療をやらなきゃよかったと後悔する原因
インビザライン治療をやらなきゃよかったと後悔する原因には、以下の6つが挙げられます。
1.歯茎が下がった
インビザラインは、1日20~22時間以上と長い時間マウスピースを装着しますが、持続的に歯に力がかかることで歯茎が下がってしまうことがあります。
また、歯周病の影響で、歯の周りの骨が少なくなっている場合も歯茎が下がりやすいため、注意が必要です。
2.噛み合わせが悪くなった
インビザラインで歯並びは整ったものの、噛み合わせが悪くなってしまうことがあります。マウスピースの装着時間が短いことや、マウスピースがズレたまま装着してしまっていることなどが原因です。
また、正中(前歯の真ん中)が上下の歯でズレてしまうことがあります。特に、左右どちらかの歯が飛び出ている、もしくは内側に入り込んでいる場合に起こりやすいといわれているため、注意が必要です。
3.予定よりも治療期間がかかった
インビザラインは、専用ソフトを使用することで、治療期間がどのくらいかかるか、どのように歯が動くかなどを治療前にシミュレーションできます。
しかし、実際治療を始めてみると計画通りに歯が動かず、当初予定していた期間よりも治療が長引いてしまうことがあります。歯がうまく動かない主な原因は、マウスピースの装着時間を守れていないことです。
インビザライン治療を計画どおりにすすめるためには、1日20~22時間以上、必ずマウスピースを装着するようにしましょう。
4.虫歯や歯周病になった
インビザライン治療中は、マウスピースを装着している時間が長いため、口内を清潔に保っていないと虫歯や歯周病のリスクが高まります。毎食後はできる限り歯を磨き、マウスピースもきちんと洗浄することが大切です。
5.歯が後戻りした
矯正治療を受けたあとに何もしないと、歯は元の位置に戻ろうとしてしまいます。そのため、リテーナー(保定装置)をきちんと装着し、歯の後戻りを防がなければいけません。
インビザラインを含めた矯正治療は、保定期間が終わってやっと矯正治療が終了したといえます。自己判断でリテーナーを外さず、歯科医師の指示に従いましょう。
6.イメージどおりの歯並びにならなかった
インビザライン治療後に、患者様がイメージしていた歯並びにならなかったと感じることがあります。原因は、歯科医師と患者様のコミュニケーション不足やマウスピースの装着時間を守っていないことなどが挙げられます。
イメージどおりの歯並びにするためには、治療前のシミュレーションの段階で歯科医師と患者様が仕上がりのイメージを共有することが大切だといえるでしょう。また、理想とする歯並びにするためには、マウスピースの装着時間を守ることにくわえ、保定期間にきちんとリテーナーをつけることは欠かせません。
インビザライン治療を後悔しないための方法
インビザライン治療を後悔しないための4つの方法を解説します。
1.信頼できる歯科医院選び
インビザラインをやらなきゃよかったと後悔しないための最大のポイントは、信頼できる歯科医院で治療を受けることです。
インビザラインは、治療前にシミュレーションをしていても、実際治療を始めてみると予定通りに治療がすすまないなど、想定外のトラブルが起こることがあります。そのため、インビザライン治療の経験が豊富な歯科医院を選ぶことで、トラブルを避けられるでしょう。
また、どんな治療でも必ずメリット・デメリットがあるため、きちんと説明してくれる歯科医院を選ぶことも大切です。インビザライン治療を検討されている方は、メリットだけでなくデメリットも理解し、納得したうえで治療を始めるようにしましょう。
2.マウスピースの装着時間を守る
インビザラインは、マウスピースを1日20~22時間以上つけることを前提に治療計画を立てています。そのため、マウスピースをきちんと装着しなければ、理想通りの歯並びには近づけません。
また、患者様ご自身でマウスピース交換して治療をすすめていかないといけないため、マウスピースをきちんと管理することも大切です。
3.口内を清潔に保つ
インビザライン治療中に、虫歯治療によって歯の形がかわってしまうと、マウスピースが入らなくなってしまうことがあります。
マウスピースが入らなくなると、マウスピースの作り直しが必要になり、その分期間や費用がかかってしまいます。そのため、食後はきちんと歯磨きし、できるだけ口内を清潔に保つようにしましょう。歯ブラシだけでなく、フロスや歯間ブラシ、タフトブラシなどを使用するのがおすすめです。
4.リテーナーをきちんとつける
インビザラインを含めた矯正治療後は、歯を後戻りさせないために保定期間が必要です。
自己判断でリテーナーの使用を中断してしまうと、せっかくきれいに並んだ歯が元に戻ってしまうかもしれません。インビザライン治療を失敗させないためには、リテーナーをきちんと装着し、歯科医師の指示に従うようにしましょう。
インビザライン治療のメリット・デメリット
インビザライン治療のメリット・デメリットをそれぞれ解説します。
メリット
インビザライン治療の主なメリットは、以下の3つです。
・目立たない
・違和感や痛みが少ない
・取り外しができる
インビザラインは、透明なマウスピースを使用するため、矯正治療中でも目立たないのが最大のメリットです。ワイヤー矯正のように一気に力をくわえて歯を動かすのではなく、マウスピースを交換して徐々に歯を動かしていくので、違和感や痛みが少ないといわれています。
また、取り外しできるので、虫歯や歯周病のリスクが低いのも特徴です。
デメリット
インビザライン治療の主なデメリットは、以下の2つです。
・マウスピースの装着時間を守らなければ効果が得られない
・治療できないケースがある
インビザラインはマウスピースを取り外せるのがメリットですが、装着時間を守らなければ思ったような効果が得られません。そのため、食事や歯磨き以外のほとんどの時間は、マウスピースを装着するようにしましょう。
また、インビザラインはお口の状態によっては、治療が難しいケースがあるので注意が必要です。
インビザライン治療が向いている人・向いていない人
インビザライン治療をやらなきゃよかったと後悔する前に、インビザライン治療が向いている人・向いていない人の特徴を知っておくことが大切です。
インビザライン治療が向いている人
インビザライン治療が向いている人の特徴は、以下の3つです。
・マウスピースの管理ができる人
・歯並びの乱れが軽度の人
・抜歯しなくても矯正できる人
上項でも記述した通り、インビザラインはマウスピースの装着時間を守らなければ効果が得られません。毎日20~22時間以上マウスピースを装着し、自分でマウスピースを交換して治療をすすめられる方におすすめです。
インビザラインは、お口の状態によっては治療が難しいことがありますが、歯並びの乱れが軽度なケースや抜歯しなくても歯を動かせるケースは問題なく対応できます。また、抜歯が必要なケースであっても、歯の移動距離が少ないケースであればインビザラインでも治療可能です。
インビザライン治療が向いていない人
インビザライン治療が向いていない人の特徴は、以下の3つです。
・マウスピースの管理ができない人
・抜歯が必要で歯を移動させる距離が長い人
・骨格的な問題がある人
インビザラインは、マウスピースの装着時間が短かったり、マウスピースの交換時期を守らなかったりすると、治療がうまくすすみません。そのため、マウスピースの管理ができない人は、インビザラインではなくワイヤー矯正がおすすめです。
また、インビザラインは歯を平行移動させるのが苦手なため、抜歯が必要になるケースなど、歯を移動させる距離が長い場合は治療が難しいといえます。ほかにも、インビザラインは歯並びを整える治療なので、骨格的な問題がある場合もインビザラインだけでは対応できません。
まとめ
インビザラインは取り外しのできるマウスピースを使用するため、簡単な矯正治療と思われがちです。
しかし、ご自身でマウスピースの管理ができなければ、イメージ通りの歯並びにならず「やらなきゃよかった」と後悔してしまうかもしれません。インビザライン治療をうまくすすめるためには、マウスピースの装着時間を守ることと信頼できる歯科医院で治療を受けることが大切です。
インビザラインは、治療前にシミュレーションにより、治療がどのくらいかかるか、どんな歯並びになるかを確認できます。患者様一人ひとりと向き合い、メリットだけでなくデメリットも説明してくれる歯科医院を選ぶようにしましょう。